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short.1

夜遅く、サクラの家にモエギとウドンがやってきて兵糧丸を分けて欲しいとやってきた。
ちょうど作っていた為、3人で作ることに。
黙々と作業をしていたのだが、モエギが何かに怒ったようにサクラに話しかける。


「ねぇ、サクラ姉ちゃん。男ってどうして女の胸に弱いのかしら」
「え、何よ急に」

突拍子もない言葉にサクラはチラッとウドンを見るが、気にする様子もなく作業に没頭していた。


「あのね、木ノ葉丸ちゃんがナルト兄ちゃんに螺旋丸を教えてもらったんだけど」
「へぇ。あのナルトが教えれると思えないけど」
「そう、そうなのよ!ナルト兄ちゃんの説明が下手すぎて木ノ葉ちゃん、おいろけの術入れて修行始めちゃって」
「お、おいろけの術?」

モエギの言葉にサクラは驚く。
螺旋丸とおいろけの術に何の関係があるのか。


「でね、この間その修行の成果を見せに行ったらヤマトさんとカカシ先生がいて」
「あぁ。ナルトの修行で付きっきりだから・・・」

サクラの顔に影が生まれるが、モエギは気づかずに話を続ける。

「そこでね!木ノ葉丸ちゃんが巨乳の女の人に変化して胸を寄せたら、その2人が・・・」



****



次の日の夕方。

その日もナルトの修行に付きっきりのカカシとヤマト。
だが付きっきりなのはヤマトだけで、カカシはヤマトに用意させた椅子の上で本を読むだけ。

いつものように例の本を読んでいると、突然殺気が飛ばされてくる。
何事かと周りを見渡すと、林のところにサクラがにこりと笑いカカシに向かって手招きしていた。
その様子に首を傾げながらも、久しぶりに恋人に会えたことにカカシの頬は緩む。

「ヤマト。ちょっと抜けるからあとはよろしく」
「え!?ちょっと、カカシ先輩!」

ヤマトの制止も聞かず、カカシはサクラの元へ急いだ。





あれからサクラはカカシの手を引いてヤマトたちから離れるように林の奥へと向かう。
カカシはサクラから発せられる怒気を感じていた。
何となく原因が分かっているカカシは、無言で前を歩くサクラに話しかける。

「サクラ、ごめんね。ずっとナルトに付きっきりで構ってやれなくて」
「いいのよ。ナルトの為なんだから」

振り返らず喋るサクラの声色は優しいが、それでもサクラの怒気が消えない。
カカシは、恋人なのにナルトの新術開発で時間を作ってやることが出来ず、そのことに怒っていると思ったのだが、どうやら違うらしい。
カカシは脳内で原因を考えていると、サクラは急に立ち止まって振り返る。


「モエギちゃんに聞いたんだけど」
「うん?」

いきなりこの間会った少女の名前が出てきて首を傾げる。

「木ノ葉丸のおいろけの術で鼻血噴いたんだって?」

サクラはニコリと可愛らしくて笑うのに、その目の奥は笑っていない。
ものすごく怒っていることを感じて、背中に冷や汗が流れる。


「いや、あのね、サクラ・・・」
「胸が大きくて、それが寄せられるのをガン見してたんだって?男の変化なのに」
「それは男の性っていうかね?どうしても目がいっちゃうのよ」
「ふぅん?胸の大きさなんて気にしないって言いながら、やっぱり大きいのがいいんだ」


「イチャパラ愛読者だものね」と嫌味を言ってくるサクラに何も言えないカカシ。
恨みがましく見てくるサクラは身を翻して立ち去ろうとするので、慌てて腕を掴む。
このまま去られたら気まずいまま過ごすことになる。

「ちょっと待ってサクラ」
「離してよ!これだから男は!」

サクラの言い方にむっとしたカカシは、サクラを睨む。

「なによ」
「サクラだって、木ノ葉丸のおいろけの術にはまってたじゃないか」
「え?」

「サイとサスケの裸見て嬉しそうにしてただろ」
「!!」
「しかも鼻血まで出して。サクラにそんな趣味があるなんて思わなかったなー」
「ち、違うわよ!私は別に」


カカシは油断しているサクラの腕を引っ張って胸の中にサクラを閉じ込める。

「ちょっと!」

カカシと離れようと手を突っ張るが、カカシは更に抱きしめて耳元に口を寄せて囁く。


「ガキの裸より、大人の良さを一晩中教えてやるよ」


その意味が分かったサクラの顔が真っ赤に染まる。
そして今度はカカシがサクラの手を引っ張って林を抜けようとする。

「か、カカシ先生!修行は!」
「ヤマトがいるから大丈夫だよ。影分身も送っとくし」

有無を言わせない笑顔に、サクラはここに来たことを後悔していた。



****



「眠い、ダルい、痛い・・・」

サクラは腰を摩りながら綱手の元へと向かう。
あれからカカシの部屋に連れ込まれたサクラは、一晩中カカシに愛されていた。
いや、日没前から始まったから一晩中以上だ。
そのせいで寝ることも許されず、腰も痛めていた。


そんなサクラに声をかける2人の男。

「あれ、サクラちゃんどこ行くの?」
「師匠に呼ばれてるから」
「そうなの?さっきカカシ先生が嬉しそうに歩いてたから、これから2人で会うのかと思ったってばよ」
「しかも腰を摩りながら!」

「年寄りみたいだったぞ、これ」と笑う2人に、その理由を知っているサクラは顔が赤く染まる。
元はといえば、この2人がおいろけの術なんて馬鹿なものを見せたのが原因なことに気づいたサクラは2人を睨む。



「サクラちゃん?」

その視線に気づいたナルトは、チャクラがだんだん込められていく手に気づいたが、時は既に遅し。


綱手譲りの鉄拳により、ナルトと木ノ葉丸は暫く地面とお友達になっていた。


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