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いつもの草むしりの任務中。
草むしりをしているふりをしてナルト、サクラ、サスケは小さい声で話をしていた。

「じゃあ決行だってばよ」
「うん」
「・・・ふん」

ナルトとサクラはニシシと笑い、サスケも口角が上がっていた。
こっそり内緒話をしていることを、3人の担当上忍であるはたけカカシは木の上で寝ていたので知る由もなかった。



****



とある日。

七班のお休みの日。
カカシも上忍の任務が入っておらず、自分の部屋で惰眠を貪っていた。

そんな安らかな休みの日を邪魔をしにきたのは彼の大事な教え子3人。


「今日はカカシ先生に『おもてなし』するってばよ!」

玄関を開けると、ナルトがそう言ってズカズカ部屋に入ってくる3人の後ろを追う。


「ちょ、なに、どういうこと!?」

カカシは1番後ろを歩いていたサクラの肩を掴む。
振り返ったサクラはにんまりと笑って。

「今日はおもてなしの日なんですって。だから、日頃お世話になってるカカシ先生に、今日は私たちがおもてなししようと思って」

サクラが指を指して、その方向を見たらサスケがキッチンで持ってきた具材を広げていた。


「サスケくんが料理担当で、その間ナルトと私が先生をおもてなしするの」
「なぁ、なぁ、カカシ先生!何かしてほしーことねーの?」

サクラとナルトがキラキラした目で見てきて、カカシは腕を組んで。

「じゃあ、1つだけ」
「「うん!」」


「帰れ」



「そうじゃなくて、して欲しいことだってばよ!」

ベッドに移動して寝そべるカカシに跨って揺さぶるナルト。

「だから帰って欲しいんだって・・・休みなんだから休ませてよ」
「ナルト。先生はほっといてあんたは掃除してて」

任せろってばよ!と掃除機を手に取って張り切るナルト。
どんどん部屋が汚くなっていくのは気のせいだろうか。


「私は洗濯してくるから」
「あー、いいよ洗濯は」
「なんでよ。洗濯籠、山盛りになってたわよ。私だって洗濯ぐらい出来るんだから!」

ムキになったサクラは頬を膨らませて洗面所へと消えていった。


「だって下着が・・・」

「きゃーーー!」

洗面所からサクラの悲鳴と共にベチーンという音が響いた。
人の下着を叩きつけるのは止めてほしい。



****



洗濯が終わって、ベランダで背伸びをして洗濯物を干しているサクラをベッドで寝そべて見守る。
洗濯すれば下着は気にならないらしい。

(なんか、こういうの良いねぇ)


「なに?そんなに見てきて」

洗濯を終えたサクラが不思議そうにカカシを見る。

「んー、いや、サクラがお嫁さんみたいだなぁって思って」
「何言ってんのよ」

にこりと笑いかけると、サクラは呆れたような目で見る。


「サクラ。洗濯終わったなら手伝ってくれ」
「あ、はーい!」

キッチンからサスケに呼ばれて頬を染めるサクラに、カカシは眉を下げて息を吐いた。



****



「おぉ・・・これは」

夕飯の準備が出来たと言われ座ると、目の前に秋刀魚の塩焼きと茄子の味噌汁が並べられた。
味噌汁を飲むといい塩梅で、秋刀魚もパリパリに焼けていた。


「ん、美味しいよ。サスケ、いいお嫁さんになれるな」
「誰が嫁だ」

カカシの冗談に、机を叩いて睨んでくるサスケ。
その隣ではナルトが腹を抱えて笑っている。

「ダハハハ!サスケがお嫁さんとか、想像したらお腹が・・・!くるしーってばよ!!」
「煩いウスラトンカチ!」
「もう、2人とも!食事中に騒がないでよ!」

目の前で取っ組み合いが始まり、サクラが止める。
今では当たり前の光景でも、いつか3人とも大人になってこの当たり前が見れなくなるんだなぁと、秋刀魚を食べながら感慨深くなるカカシ。

「カカシ先生も呑気に食べてないで止めてよ!」
「どうせいつものことなんだから放っとけばいいんだよ。ほら、サクラも食べなさい」
「もう・・・」

サクラは言いたげな顔をして座り直し、サスケ手作りのご飯を嬉しそうに食べていた。



****



「あらら・・・」

4人でご飯を食べてゆっくり過ごし、足りなくなった飲み物を買いに行って戻ってきたら3人が床で大の字で寝ていたのだ。
朝から買い物に行って、慣れない家事やらなんやらで疲れていたのだろう。

男2人はいいが、流石に女の子を床に寝かせるわけにはいかない。
カカシはサクラを所謂お姫様抱っこでベッドへと運んだ。


起こさないようにゆっくりと降ろしたつもりだったが、サクラの瞳がゆっくりと開く。

「せんせ・・・?」
「悪い。起こしちゃったか?」

サクラは小さく頭を振って目を擦る。

「夢を見たの・・・」
「夢?」

カカシは床に座り、ベッドに横になるサクラの頭を撫でる。

「うん・・・サスケくんがナルトに嫁ぐ夢」
「っはは」

思わず笑ってしまった。

「あ、ひどい!先生が言ったんじゃない!」
「いや、だってさ、まさか夢に見るなんて」
「もう!私落ち込んだのよ!サスケくんが嫁いだら、私はいったい誰のお嫁さんになったらいいのよ!」

未だに笑うカカシに、サクラは体を起こして頬を膨らます。
サスケをちゃかす為に言った言葉が、夢に見るまで思い悩んでいたのかと思うと、面白くて、可愛くて。


「じゃあさ」

カカシはサクラの手を握ると、サクラは驚いて引っ込めようとするがカカシがそれを許さないと更に強く握る。

「オレのところに嫁いだらいいじゃないか」
「・・・え?」

サクラは一瞬固まり、その言葉の意味を理解して顔が真っ赤に染まる。

「な、何言ってるのよ!また冗談?」
「冗談じゃないって言ったら?」

サクラの瞳は大きく見開き、戸惑う瞳が微笑むカカシの瞳と交わう。




この2人の関係が今後どうなるのか。
それはまた別のお話──。


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