short.1
「先生、お願いがあるの」
任務終わり、報告書を手伝ってもらうのを口実にサクラと2人きりでいると、隣に座っているサクラがオレの袖を引っ張って可愛く見上げてくる。
人知れずサクラを想っている自分としては、罪深い行為だ。
「なぁに、サクラ」
筆をおいてサクラと向き合う。
モジモジしてるサクラを襲いたくなる衝動に駆られるが、ここは忍び耐える。
「あのねーー」
****
「なんだよカカシ、用って」
左目を額当てで隠し、不機嫌は隠さないのは同期であり親友のうちはオビト。
せっかくの休日に男に呼び出され、しかもリンをデートに誘ったのに断られて相当イラだっているらしい。
「あー、なんだ。ちょっとな」
「ちょっとな、じゃねぇよ。帰るぞ」
「待てオビト」
帰ろうとするオビトの肩を掴んで引き留めると舌打ちをされた。
なんでオレはこんな奴のために頑張らねばいかないのか。
もう止めようかと思ったが、サクラのあの可愛い顔と声が脳裏に浮かぶ。
ーーしょうがない。
「おい、オビト。いくぞ」
「いくって、どこだよ」
オレはオビトの腕を掴んである場所へと向かった。
「で、何でここなんだよ」
部屋に入ってきたオレたちが思い思いに過ごしていると、眉間に皺を寄せているアスマが見下ろしてくる。
どいつもこいつも機嫌が悪い。
「行くところないし。ここに来ればお前らがいるし」
チラっとオビトを見ると、紅から出された団子を頬張っていた。
「ま、とりあえず時間までここまで過ごすわ。お前らも休みだろ」
「休みだからゆっくり過ごしたいんだよ・・・」
ため息を吐くアスマを無視して、オレはイチャパラを取り出した。
****
「おい、カカシ。そろそろ時間じゃないのか」
床に座るオレを足で蹴ってくるアスマの声に本から意識を離す。
壁にかかる時計を見るとすっかり居座ってしまったらしい。
周りを見ると、オビトはベッドでイビキをかいて寝ていた。
「昨日まで任務に出てたから疲れてたんでしょう」
ソファーで雑誌を読んでいる紅が微笑む。
「おい、オビト。そろそろ帰るぞ」
「んあ?」
肩を揺すり起こすと、涎を垂らすオビトが起きる。
「ふぁぁ・・・もう夕方じゃねぇか」
「人んちのベッドで爆睡すんなよ」
「ほら、帰るぞ」
呆れるアスマと紅に見送られ、目を擦るオビトと部屋を出る。
****
「次はどこ行くんだよ・・・」
未だに眠そうにしているオビトが後ろをついてくる。
「お前の家だよ」
「オレんち?結局お前は何の用で呼び出したんだ」
オビトの当たり前の疑問に答えず、そのままオビトの家の方向へと歩いた。
「ほら、開けろよ」
玄関を開ける様に促すと疑いを持った目でこちらを見ながらドアを開ける。
パンパンパンパン!!!!
「「お誕生日おめでとーー!!」」
破裂音とお祝いの言葉。
瞬時に戦闘態勢を取っていたオビトは、そのまま固まっていた。
「・・・は?」
オビトはポカーンと口を開けていると、ナルト、サクラ、手を引っ張られたサスケが花束を渡す。
「お誕生日おめでとうだってばよ、オビト先生!」
「は、あ、ありがとう・・・?」
回っていない頭でお礼を言い、ニシシと笑った下忍たちは部屋の中に戻る。
「おめでとう、さっさと部屋に入ったら?」
背中を叩くとオレを睨んでくる。
「お前・・・今日のこと知ってて振り回してたな」
「だってサクラにお願いされてたもん。時間までオビトを引き止めてって」
「たく・・・。てか、何で部屋の中に入れてんだよ。ちゃんと鍵閉めてただろ」
「オレがこの間、合鍵作っといたから」
「馬鹿かお前は!!」
「もう、いい加減入ってきたら?」
玄関先で騒いでいるオレたちに声をかけきたのは。
「・・・リン」
「お誕生日おめでとう、オビト」
「あぁ・・・ありがとう」
途端に2人の空気になり、オレは逃げるように部屋に入ると、キッチンに立っていたサクラが気づいて近寄ってくる。
「先生、ありがとね!」
「いーえ、どういたしまして」
そう言うと嬉しそうに笑ったサクラは、このケーキはリンと一緒に作ったとか、ナルトとサスケが頑張って飾り付けしたとか。
オビトのために楽しそうに話す姿に嫉妬を覚えた。
「ねぇ、サクラ」
「ん?」
ケーキを皿に取り分けたサクラは指についたクリームを舐めながら振り向く。
「オレも頑張ったから、何かご褒美欲しーなぁ」
首に手を当てて「疲れたぁ」とわざと言うと。
サクラは顎に指を当てて何か考えた後、しゃがむように手を動かす。
その手に従ってしゃがむと、サクラはオレの口布を下げて。
ーーチュッ。
頬に当たる柔らかい何か。
近かったサクラの顔が離れ、ニンマリと笑ってオレの唇に指を当てて。
「ここには私がもう少し大きくなってからね」
その時のサクラの顔は、子供とは呼べなかった。
「さ、サクラちゃん!何やってるんだってばよ!!」
一部始終を見ていたナルトが涙目になって叫ぶ。
そんなナルトをはぐらかすサクラ。
何か言いたそうにしているサスケ。
玄関で甘い一時を過ごしていたオビトとリンは首を傾げていた。
キッチンの横でしゃがんでいるカカシに聞こうと肩を叩くが反応がない。
無視されたと思ったオビトはムカッとして、前に回ると目を見開き。
「ーー気絶してる」
任務終わり、報告書を手伝ってもらうのを口実にサクラと2人きりでいると、隣に座っているサクラがオレの袖を引っ張って可愛く見上げてくる。
人知れずサクラを想っている自分としては、罪深い行為だ。
「なぁに、サクラ」
筆をおいてサクラと向き合う。
モジモジしてるサクラを襲いたくなる衝動に駆られるが、ここは忍び耐える。
「あのねーー」
****
「なんだよカカシ、用って」
左目を額当てで隠し、不機嫌は隠さないのは同期であり親友のうちはオビト。
せっかくの休日に男に呼び出され、しかもリンをデートに誘ったのに断られて相当イラだっているらしい。
「あー、なんだ。ちょっとな」
「ちょっとな、じゃねぇよ。帰るぞ」
「待てオビト」
帰ろうとするオビトの肩を掴んで引き留めると舌打ちをされた。
なんでオレはこんな奴のために頑張らねばいかないのか。
もう止めようかと思ったが、サクラのあの可愛い顔と声が脳裏に浮かぶ。
ーーしょうがない。
「おい、オビト。いくぞ」
「いくって、どこだよ」
オレはオビトの腕を掴んである場所へと向かった。
「で、何でここなんだよ」
部屋に入ってきたオレたちが思い思いに過ごしていると、眉間に皺を寄せているアスマが見下ろしてくる。
どいつもこいつも機嫌が悪い。
「行くところないし。ここに来ればお前らがいるし」
チラっとオビトを見ると、紅から出された団子を頬張っていた。
「ま、とりあえず時間までここまで過ごすわ。お前らも休みだろ」
「休みだからゆっくり過ごしたいんだよ・・・」
ため息を吐くアスマを無視して、オレはイチャパラを取り出した。
****
「おい、カカシ。そろそろ時間じゃないのか」
床に座るオレを足で蹴ってくるアスマの声に本から意識を離す。
壁にかかる時計を見るとすっかり居座ってしまったらしい。
周りを見ると、オビトはベッドでイビキをかいて寝ていた。
「昨日まで任務に出てたから疲れてたんでしょう」
ソファーで雑誌を読んでいる紅が微笑む。
「おい、オビト。そろそろ帰るぞ」
「んあ?」
肩を揺すり起こすと、涎を垂らすオビトが起きる。
「ふぁぁ・・・もう夕方じゃねぇか」
「人んちのベッドで爆睡すんなよ」
「ほら、帰るぞ」
呆れるアスマと紅に見送られ、目を擦るオビトと部屋を出る。
****
「次はどこ行くんだよ・・・」
未だに眠そうにしているオビトが後ろをついてくる。
「お前の家だよ」
「オレんち?結局お前は何の用で呼び出したんだ」
オビトの当たり前の疑問に答えず、そのままオビトの家の方向へと歩いた。
「ほら、開けろよ」
玄関を開ける様に促すと疑いを持った目でこちらを見ながらドアを開ける。
パンパンパンパン!!!!
「「お誕生日おめでとーー!!」」
破裂音とお祝いの言葉。
瞬時に戦闘態勢を取っていたオビトは、そのまま固まっていた。
「・・・は?」
オビトはポカーンと口を開けていると、ナルト、サクラ、手を引っ張られたサスケが花束を渡す。
「お誕生日おめでとうだってばよ、オビト先生!」
「は、あ、ありがとう・・・?」
回っていない頭でお礼を言い、ニシシと笑った下忍たちは部屋の中に戻る。
「おめでとう、さっさと部屋に入ったら?」
背中を叩くとオレを睨んでくる。
「お前・・・今日のこと知ってて振り回してたな」
「だってサクラにお願いされてたもん。時間までオビトを引き止めてって」
「たく・・・。てか、何で部屋の中に入れてんだよ。ちゃんと鍵閉めてただろ」
「オレがこの間、合鍵作っといたから」
「馬鹿かお前は!!」
「もう、いい加減入ってきたら?」
玄関先で騒いでいるオレたちに声をかけきたのは。
「・・・リン」
「お誕生日おめでとう、オビト」
「あぁ・・・ありがとう」
途端に2人の空気になり、オレは逃げるように部屋に入ると、キッチンに立っていたサクラが気づいて近寄ってくる。
「先生、ありがとね!」
「いーえ、どういたしまして」
そう言うと嬉しそうに笑ったサクラは、このケーキはリンと一緒に作ったとか、ナルトとサスケが頑張って飾り付けしたとか。
オビトのために楽しそうに話す姿に嫉妬を覚えた。
「ねぇ、サクラ」
「ん?」
ケーキを皿に取り分けたサクラは指についたクリームを舐めながら振り向く。
「オレも頑張ったから、何かご褒美欲しーなぁ」
首に手を当てて「疲れたぁ」とわざと言うと。
サクラは顎に指を当てて何か考えた後、しゃがむように手を動かす。
その手に従ってしゃがむと、サクラはオレの口布を下げて。
ーーチュッ。
頬に当たる柔らかい何か。
近かったサクラの顔が離れ、ニンマリと笑ってオレの唇に指を当てて。
「ここには私がもう少し大きくなってからね」
その時のサクラの顔は、子供とは呼べなかった。
「さ、サクラちゃん!何やってるんだってばよ!!」
一部始終を見ていたナルトが涙目になって叫ぶ。
そんなナルトをはぐらかすサクラ。
何か言いたそうにしているサスケ。
玄関で甘い一時を過ごしていたオビトとリンは首を傾げていた。
キッチンの横でしゃがんでいるカカシに聞こうと肩を叩くが反応がない。
無視されたと思ったオビトはムカッとして、前に回ると目を見開き。
「ーー気絶してる」
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