short.1
「きゃっ」
お風呂に入るために裸になり浴室に入ると、天井の水滴が首筋に落ちて思わず声が出てしまった。
今の寒い時期には辛いものである。
体にお湯をかけながらそう思っていると。
「サクラ、大丈夫か!!」
いきなりドアが開いたかと思ったら先生がそう叫んで浴室に入ってきたのだ。
私は目を見開く。
今の私は真っ裸だ。
顔を真っ赤にして腕で体を隠し。
「きゃーーーー!!!」
「本っ当、信じられない!!」
私はプリプリ怒りながらお風呂上がりの牛乳を飲んでいる。
「だってサクラの声が聞こえたからさ・・・何かあったのかと思って」
「だからって中に入らなくてもいいでしょ!鍵まで壊して!」
鍵をかけていたのに、ドアを勢いよく開けた際に壊されたのだ。
床に座り私の手形がついた頬をさする先生を睨みつける。
「何回も裸見てるのに今更・・・」
ボソッと呟いた言葉に、持っていたコップをテーブルに叩きつける。
何か変な音が聞こえたが気にしない。
「とにかく!また勝手に入ってきたら別れるからね!!」
「はい・・・」
体を小さくして項垂れる先生を見て、ようやく怒りが収まった。
****
「本っ当、信じられない!!」
私は拳をテーブルに叩きつける。
周りで甘味を食べている客が何事かと凝視してくる。
いのは周りの人たちに大丈夫とアピールをして、呆れたように頬杖をつく。
「今度はなによぉ」
「先生よ!昨日、先生が先にお風呂に入ったんだけど、「上がったよ」って言われて振り返ったら・・・腰にタオル巻いて上半身裸で水飲んでたのよ!!」
「・・・で?」
「で、って!純な乙女の前でその格好で彷徨く?普通!」
「もう純じゃないでしょ」
「そ、そうだけど・・・それでもよ!」
顔を真っ赤にしてさっきより控えめにテーブルを叩く。
「まぁ、確かに男の人って裸で彷徨くわよねぇ。なのにこっちが薄着だと色々言ってくるし」
「それよ!私がキャミソールでいるだけで文句言ってくるの!」
思い出してキー、と怒っていると。
いのは顎に手を当てて何やら真剣な顔をしていた。
「ねぇ、サクラぁ」
「なに?」
「30過ぎた男の人って、だんだんお腹が緩んでくるのよ。でもカカシ先生は違うでしょ」
「まぁ・・・忍だし」
いのが何を言いたいのか分からなくて眉間に皺を寄せる。
「カカシ先生の身体ってどんな感じ?」
「はぁ!?言えるわけないでしょ!」
「えぇー、なんでよー」
「なんでって!カカシ先生の身体は私だけの、も・・・の・・・」
勢い余ってとんでもないことを言っていることに気づき、声が小さくなっていく。
「ふ〜ん?」
顔を真っ赤にする私に、いのはニヤニヤ笑って。
「ごちそうさまぁ♪」
「〜〜〜〜!!」
私は顔を隠す様にあんみつをがついた。
****
「サクラ、一緒にお風呂に入ろう」
いのとあんみつを食べた次の日の夜。
一緒にご飯を食べて、椅子に座って雑誌を読みながら寛いでいると、とんでもない発言が聞こえてきた。
顔を上げると、嬉しそうに笑う先生の顔。
「嫌に決まってるでしょ」
いつも一緒に入ってるように誘ってくるが、一度たりとも入ったことはない。
「え、なんで」
「なんでもくそもない!入りません!」
私は先生を一瞥してまた雑誌を読み始める。
「でもさ」
そう言って先生は椅子に座る私の横でしゃがんで、上目遣いで見てくる。
「オレの身体は、サクラのものなんでしょ?」
「!!」
とても身に覚えのある発言に顔が真っ赤になる。
(あの女、喋りやがった・・・!!)
親友であり悪友のニヤニヤと笑う顔が一瞬で浮かんだ。
口止めまでしといたのに。
一番知られたくない男に知られた。
「だから、サクラがオレを満たしてよ」
先生は蕩けそうな微笑みで私を見てくる。
私は昔から先生のこの笑顔に弱い。
何も言えずにいると、それを肯定と捉えた先生は、私を抱えて浴室へと鼻歌を歌いながら向かう。
私は大好きな人の体温を感じながら、もう悪友にはこの人の愚痴は漏らさないようにしようと心の中で決意した。
お風呂に入るために裸になり浴室に入ると、天井の水滴が首筋に落ちて思わず声が出てしまった。
今の寒い時期には辛いものである。
体にお湯をかけながらそう思っていると。
「サクラ、大丈夫か!!」
いきなりドアが開いたかと思ったら先生がそう叫んで浴室に入ってきたのだ。
私は目を見開く。
今の私は真っ裸だ。
顔を真っ赤にして腕で体を隠し。
「きゃーーーー!!!」
「本っ当、信じられない!!」
私はプリプリ怒りながらお風呂上がりの牛乳を飲んでいる。
「だってサクラの声が聞こえたからさ・・・何かあったのかと思って」
「だからって中に入らなくてもいいでしょ!鍵まで壊して!」
鍵をかけていたのに、ドアを勢いよく開けた際に壊されたのだ。
床に座り私の手形がついた頬をさする先生を睨みつける。
「何回も裸見てるのに今更・・・」
ボソッと呟いた言葉に、持っていたコップをテーブルに叩きつける。
何か変な音が聞こえたが気にしない。
「とにかく!また勝手に入ってきたら別れるからね!!」
「はい・・・」
体を小さくして項垂れる先生を見て、ようやく怒りが収まった。
****
「本っ当、信じられない!!」
私は拳をテーブルに叩きつける。
周りで甘味を食べている客が何事かと凝視してくる。
いのは周りの人たちに大丈夫とアピールをして、呆れたように頬杖をつく。
「今度はなによぉ」
「先生よ!昨日、先生が先にお風呂に入ったんだけど、「上がったよ」って言われて振り返ったら・・・腰にタオル巻いて上半身裸で水飲んでたのよ!!」
「・・・で?」
「で、って!純な乙女の前でその格好で彷徨く?普通!」
「もう純じゃないでしょ」
「そ、そうだけど・・・それでもよ!」
顔を真っ赤にしてさっきより控えめにテーブルを叩く。
「まぁ、確かに男の人って裸で彷徨くわよねぇ。なのにこっちが薄着だと色々言ってくるし」
「それよ!私がキャミソールでいるだけで文句言ってくるの!」
思い出してキー、と怒っていると。
いのは顎に手を当てて何やら真剣な顔をしていた。
「ねぇ、サクラぁ」
「なに?」
「30過ぎた男の人って、だんだんお腹が緩んでくるのよ。でもカカシ先生は違うでしょ」
「まぁ・・・忍だし」
いのが何を言いたいのか分からなくて眉間に皺を寄せる。
「カカシ先生の身体ってどんな感じ?」
「はぁ!?言えるわけないでしょ!」
「えぇー、なんでよー」
「なんでって!カカシ先生の身体は私だけの、も・・・の・・・」
勢い余ってとんでもないことを言っていることに気づき、声が小さくなっていく。
「ふ〜ん?」
顔を真っ赤にする私に、いのはニヤニヤ笑って。
「ごちそうさまぁ♪」
「〜〜〜〜!!」
私は顔を隠す様にあんみつをがついた。
****
「サクラ、一緒にお風呂に入ろう」
いのとあんみつを食べた次の日の夜。
一緒にご飯を食べて、椅子に座って雑誌を読みながら寛いでいると、とんでもない発言が聞こえてきた。
顔を上げると、嬉しそうに笑う先生の顔。
「嫌に決まってるでしょ」
いつも一緒に入ってるように誘ってくるが、一度たりとも入ったことはない。
「え、なんで」
「なんでもくそもない!入りません!」
私は先生を一瞥してまた雑誌を読み始める。
「でもさ」
そう言って先生は椅子に座る私の横でしゃがんで、上目遣いで見てくる。
「オレの身体は、サクラのものなんでしょ?」
「!!」
とても身に覚えのある発言に顔が真っ赤になる。
(あの女、喋りやがった・・・!!)
親友であり悪友のニヤニヤと笑う顔が一瞬で浮かんだ。
口止めまでしといたのに。
一番知られたくない男に知られた。
「だから、サクラがオレを満たしてよ」
先生は蕩けそうな微笑みで私を見てくる。
私は昔から先生のこの笑顔に弱い。
何も言えずにいると、それを肯定と捉えた先生は、私を抱えて浴室へと鼻歌を歌いながら向かう。
私は大好きな人の体温を感じながら、もう悪友にはこの人の愚痴は漏らさないようにしようと心の中で決意した。
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