short.1
この違いは何なんだろう。
紅率いる第八班は、キバが騒がしいが他の2人が大人しい為問題は起きない。
恐らく紅が怖いのだ。
アスマの第十班もいのが男2人を引っ張りチームワークも良くこちらも問題はない。
チョウジによってアスマの財布が軽くなっていくことを除けば。
ガイの第三班は・・・ガイとリーが問題を招いているが、他の2人がちゃんと押さえ込んでいる。
ナルトたちより年上だからか、他の班に比べたら3人とも落ち着いている。
それに比べて。
「いやだってばよ!」
「いや!」
「ふざけるな」
オレは大きくため息をついて3人の教え子を見る。
何でオレの班だけこんな問題児ばかりなのだろう。
「何が不満なのよ」
「だって!ここ毎日草むしりばっかりで飽きたってばよ!!」
「しょうがないでしょ。それしか残ってないんだから」
「それはお前が何時間も遅刻するせいだろうが」
「そうよ!もう指が切れて痛いのよ!」
そう言ってサクラはオレに向かって草で切れた手を広げてくる。
その幼い手と、その奥で吊り上がっり睨んでくる大きな瞳に欲が出る。
「文句言われても任務は任務。さー、行くよ」
ぶーぶー言うナルトと舌打ちをするサスケ。
その後ろを歩き出そうとするサクラを呼び止める。
「サクラ、手見てあげるよ」
まだ怒りが残ってるのか不機嫌そうにしながらも歩み寄ってくる。
怒ってても従うんだな、と口布の下で笑う。
サクラは手を差し出してくる。
オレの手より小さい手。
手のひらを親指で撫でるとサクラの体がピクッと揺れた。
その反応を見て悪戯心がムクムクと湧いてくる。
ナルトとサスケが遠くにいるのを確認して口布を下げる。
頑なに見せようとしなかった素顔が現れてサクラの目が更に大きくなる。
その顔にオレの唇が弧を描く。
サクラの指を掴みオレの口に運ぶ。
サクラはされるがまま固まっている。
そして細かい傷がついた人差し指を口に含み、口内で舐めた。
生温かい感触にやっと頭が動き出したのか、サクラの顔が一瞬で真っ赤になり。
「ウキャアァァァァ!!!」
大声で叫ぶと手を勢いよく引っ張ってオレから距離を取る。
「どうした!」
「どうしたのサクラちゃん!」
サクラの悲鳴を聞いて駆け寄ってくる少年たち。
サクラを囲むが、当の本人は顔を真っ赤にし口をパクパクさせてオレを指差してくる。
オレはニコニコ笑うだけ。
状況が分かっていない2人は眉間に皺を寄せて首を傾げる。
サクラは口を大きく開けて
「変態教師ぃぃーーー!!」
真っ赤な顔でそう叫ぶと、オレに背を向けて全力で走って行った。
「あ、サクラちゃーん!!」
いきなり走り去るサクラに2人は慌てて追いかける。
1人残るオレはくっくっ、と喉の奥で笑う。
他の班と比べたら言うことは聞かないわ、反抗するわで本当問題児ばかりだ。
でも。
こいつらといると心が落ち着いている自分がいる。
それは、友と師がいたあの時と同じで。
オレは目を細めて3人が走り去った方向へと歩き出す。
願わくば、この時間がずっと続いてほしい。
紅率いる第八班は、キバが騒がしいが他の2人が大人しい為問題は起きない。
恐らく紅が怖いのだ。
アスマの第十班もいのが男2人を引っ張りチームワークも良くこちらも問題はない。
チョウジによってアスマの財布が軽くなっていくことを除けば。
ガイの第三班は・・・ガイとリーが問題を招いているが、他の2人がちゃんと押さえ込んでいる。
ナルトたちより年上だからか、他の班に比べたら3人とも落ち着いている。
それに比べて。
「いやだってばよ!」
「いや!」
「ふざけるな」
オレは大きくため息をついて3人の教え子を見る。
何でオレの班だけこんな問題児ばかりなのだろう。
「何が不満なのよ」
「だって!ここ毎日草むしりばっかりで飽きたってばよ!!」
「しょうがないでしょ。それしか残ってないんだから」
「それはお前が何時間も遅刻するせいだろうが」
「そうよ!もう指が切れて痛いのよ!」
そう言ってサクラはオレに向かって草で切れた手を広げてくる。
その幼い手と、その奥で吊り上がっり睨んでくる大きな瞳に欲が出る。
「文句言われても任務は任務。さー、行くよ」
ぶーぶー言うナルトと舌打ちをするサスケ。
その後ろを歩き出そうとするサクラを呼び止める。
「サクラ、手見てあげるよ」
まだ怒りが残ってるのか不機嫌そうにしながらも歩み寄ってくる。
怒ってても従うんだな、と口布の下で笑う。
サクラは手を差し出してくる。
オレの手より小さい手。
手のひらを親指で撫でるとサクラの体がピクッと揺れた。
その反応を見て悪戯心がムクムクと湧いてくる。
ナルトとサスケが遠くにいるのを確認して口布を下げる。
頑なに見せようとしなかった素顔が現れてサクラの目が更に大きくなる。
その顔にオレの唇が弧を描く。
サクラの指を掴みオレの口に運ぶ。
サクラはされるがまま固まっている。
そして細かい傷がついた人差し指を口に含み、口内で舐めた。
生温かい感触にやっと頭が動き出したのか、サクラの顔が一瞬で真っ赤になり。
「ウキャアァァァァ!!!」
大声で叫ぶと手を勢いよく引っ張ってオレから距離を取る。
「どうした!」
「どうしたのサクラちゃん!」
サクラの悲鳴を聞いて駆け寄ってくる少年たち。
サクラを囲むが、当の本人は顔を真っ赤にし口をパクパクさせてオレを指差してくる。
オレはニコニコ笑うだけ。
状況が分かっていない2人は眉間に皺を寄せて首を傾げる。
サクラは口を大きく開けて
「変態教師ぃぃーーー!!」
真っ赤な顔でそう叫ぶと、オレに背を向けて全力で走って行った。
「あ、サクラちゃーん!!」
いきなり走り去るサクラに2人は慌てて追いかける。
1人残るオレはくっくっ、と喉の奥で笑う。
他の班と比べたら言うことは聞かないわ、反抗するわで本当問題児ばかりだ。
でも。
こいつらといると心が落ち着いている自分がいる。
それは、友と師がいたあの時と同じで。
オレは目を細めて3人が走り去った方向へと歩き出す。
願わくば、この時間がずっと続いてほしい。
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