short.1
◯気づかぬ想い
里の中を歩いているとサクラが見知らぬ男と楽しそうに話しているのを見かけた。
その光景を見ていると胸の辺りがモヤモヤして気分が悪かった。
「サークラ」
男と別れて1人で歩くサクラの後を付いていき、人通りが少ない道に入った時に気配を消して後ろから伸し掛かる。
「きゃあ!!か、カカシ先生!?ビックリするじゃない」
「ははっ」
「てゆうか・・・重い!さっさと離れてよ!」
「えー、やだ」
「やだ!?意味わかんない!」
「分かんなくていいよ。まだね」
「はあ?」
顔を顰めるサクラにオレは曖昧に笑う。
オレだってまだこの気持ちが何なのか分からないんだ。
まだもう少し分からないままでいさせて。
◯自然すぎて
それが目に入ったのは偶然だった。
任務の遂行中、草陰に隠れていると先輩がサクラの方を見たと思ったらサクラは頷いて的確に行動していた。
野営中、サクラは先輩の隣に座り会話をするでもなく、どちらかが立ち上がっても必ず隣に戻っていた。
極め付けは任務が終わり木ノ葉に帰ってきた時だった。
報告書を無理やり先輩に押し付けられ、1人アカデミーに向かっている時。
ふ、と視界の端に見知った頭が見えて目で追うとやはり先輩だった。
人に仕事押し付けて何やってるんだ、と観察をしていると隣にサクラがいた。
また一緒か、と思ってながら視線を下げていくと繋がれた手が見えて目を見開く。
ただの師弟としてはない、指を絡めた繋ぎ方で。
そのことに動揺していると2人はこちらに気づくこともなく路地に入っていって姿が見えなくなった。
2人が隣にいることがあまりにも自然過ぎて、きっとナルトもサイも2人の関係に気づいていないだろう。
あー、もう。
さっさと結婚しろ!
◯安心出来る人
里を歩いていた。
横を見ると、顔は見えないけど男の人と手を繋いでいて、お互いの左手の薬指には指輪が輝いていた。
──あぁ、私この人と結婚したんだ。
私が見ていることに気づいたその人は優しく微笑む。
愛されていて、不満を感じない。
でも心が満足しない。
私は、この人が好きじゃないんだ。
気づいたら私はよく知ってる天井を見ていた。
横を見ると裸で眠るカカシ先生。
私の心はやっと安心できて眠る先生に擦り寄った。
◯髪の長さ
中忍試験が終わって暫くした頃、サクラが風邪をひいたとサクラのお母さんから連絡があった。
あの試験は色々あって心労が溜まっていたのと、髪を切って首が寒くなったのだろう。
お見舞いに来た時にはだいぶ良くなったらしく、明日には任務行けるからとサクラは安心させるように笑った。
だが、どこかいつもと違う笑い方に心が痛んだ。
「あ、そうだった。先生に借りてた本が・・・」
サクラはベッドから立ち上がると体がふらついたので支える。
前屈みになったことで隠されていたうなじが露わになる。
「あ、ありがとう先生」
申し訳なさそうに振り向くサクラは、不自然に近いオレの顔に目を丸くしていた。
「せ、先生?」
不安そうに呼ぶ声を無視してオレはサクラのうなじに顔を近づける。
「風邪が良くなるおまじない、してあげるよ」
うなじにキスをするとサクラの体が大きく跳ねる。
それを気にせず何回もしていると、抱えていた体がクタリと力が抜けたのが分かった。
「サクラ?」
顔を覗き込むと、サクラは顔を真っ赤にして意識を失っているようだった。
「・・・やり過ぎた」
オレはそっとサクラをベッドに寝かせ、母親に挨拶をして家を出た。
次の日、待ち合わせの橋の上に行くとサクラに思い切り殴られたが、あんな魅力的なうなじが悪いのだとオレは地面に倒れて見上げる雲のない空を見てそう思った。
◯生理
あぁ、来たか。
サクラから漂ってきた匂いに、人より鼻が良いオレはすぐに気づく。
サクラも匂いに気を遣っているのかナルトとサスケはサクラの体調の変化に気づいていない。
だからオレも気づかないふりをするのだ。
その日、報告書を提出しに来たアスマを捕まえて居酒屋に向かった。
そして今日あったことをアスマに愚痴ると、アスマも何とも言えない表情をする。
「まぁ、分かるっちゃ分かるけどな。子供だと思ってたやつから女の匂いを感じたら」
「しょうがないことだけど、終わるまでの間サクラに近づけないよ・・・」
「鼻が良いのも大変だな。ま、1週間頑張れや」
「はぁ・・・」
オレはため息を吐きながら机に突っ伏す。
ある歳を迎えると必ず女の人にくる月のアレ。
今まで任務で組んできたくノ一に月のが来てることに気づいても何も思わなかった。
なのに何でサクラにだけ。
オレの葛藤など梅雨知らず、サクラは普段通りオレに近づいてきて楽しそうに喋る。
その度にサクラのもう子供ではない匂いに、オレの何かが渦巻くのを感じていた。
その匂いを感じるたび、サクラの細くて白い腕や慎ましやかな胸に目がいってしまうのを何とか踏みとどまっているのだ。
あと1週間。
オレはいつものカカシ先生でいられるだろうか。
里の中を歩いているとサクラが見知らぬ男と楽しそうに話しているのを見かけた。
その光景を見ていると胸の辺りがモヤモヤして気分が悪かった。
「サークラ」
男と別れて1人で歩くサクラの後を付いていき、人通りが少ない道に入った時に気配を消して後ろから伸し掛かる。
「きゃあ!!か、カカシ先生!?ビックリするじゃない」
「ははっ」
「てゆうか・・・重い!さっさと離れてよ!」
「えー、やだ」
「やだ!?意味わかんない!」
「分かんなくていいよ。まだね」
「はあ?」
顔を顰めるサクラにオレは曖昧に笑う。
オレだってまだこの気持ちが何なのか分からないんだ。
まだもう少し分からないままでいさせて。
◯自然すぎて
それが目に入ったのは偶然だった。
任務の遂行中、草陰に隠れていると先輩がサクラの方を見たと思ったらサクラは頷いて的確に行動していた。
野営中、サクラは先輩の隣に座り会話をするでもなく、どちらかが立ち上がっても必ず隣に戻っていた。
極め付けは任務が終わり木ノ葉に帰ってきた時だった。
報告書を無理やり先輩に押し付けられ、1人アカデミーに向かっている時。
ふ、と視界の端に見知った頭が見えて目で追うとやはり先輩だった。
人に仕事押し付けて何やってるんだ、と観察をしていると隣にサクラがいた。
また一緒か、と思ってながら視線を下げていくと繋がれた手が見えて目を見開く。
ただの師弟としてはない、指を絡めた繋ぎ方で。
そのことに動揺していると2人はこちらに気づくこともなく路地に入っていって姿が見えなくなった。
2人が隣にいることがあまりにも自然過ぎて、きっとナルトもサイも2人の関係に気づいていないだろう。
あー、もう。
さっさと結婚しろ!
◯安心出来る人
里を歩いていた。
横を見ると、顔は見えないけど男の人と手を繋いでいて、お互いの左手の薬指には指輪が輝いていた。
──あぁ、私この人と結婚したんだ。
私が見ていることに気づいたその人は優しく微笑む。
愛されていて、不満を感じない。
でも心が満足しない。
私は、この人が好きじゃないんだ。
気づいたら私はよく知ってる天井を見ていた。
横を見ると裸で眠るカカシ先生。
私の心はやっと安心できて眠る先生に擦り寄った。
◯髪の長さ
中忍試験が終わって暫くした頃、サクラが風邪をひいたとサクラのお母さんから連絡があった。
あの試験は色々あって心労が溜まっていたのと、髪を切って首が寒くなったのだろう。
お見舞いに来た時にはだいぶ良くなったらしく、明日には任務行けるからとサクラは安心させるように笑った。
だが、どこかいつもと違う笑い方に心が痛んだ。
「あ、そうだった。先生に借りてた本が・・・」
サクラはベッドから立ち上がると体がふらついたので支える。
前屈みになったことで隠されていたうなじが露わになる。
「あ、ありがとう先生」
申し訳なさそうに振り向くサクラは、不自然に近いオレの顔に目を丸くしていた。
「せ、先生?」
不安そうに呼ぶ声を無視してオレはサクラのうなじに顔を近づける。
「風邪が良くなるおまじない、してあげるよ」
うなじにキスをするとサクラの体が大きく跳ねる。
それを気にせず何回もしていると、抱えていた体がクタリと力が抜けたのが分かった。
「サクラ?」
顔を覗き込むと、サクラは顔を真っ赤にして意識を失っているようだった。
「・・・やり過ぎた」
オレはそっとサクラをベッドに寝かせ、母親に挨拶をして家を出た。
次の日、待ち合わせの橋の上に行くとサクラに思い切り殴られたが、あんな魅力的なうなじが悪いのだとオレは地面に倒れて見上げる雲のない空を見てそう思った。
◯生理
あぁ、来たか。
サクラから漂ってきた匂いに、人より鼻が良いオレはすぐに気づく。
サクラも匂いに気を遣っているのかナルトとサスケはサクラの体調の変化に気づいていない。
だからオレも気づかないふりをするのだ。
その日、報告書を提出しに来たアスマを捕まえて居酒屋に向かった。
そして今日あったことをアスマに愚痴ると、アスマも何とも言えない表情をする。
「まぁ、分かるっちゃ分かるけどな。子供だと思ってたやつから女の匂いを感じたら」
「しょうがないことだけど、終わるまでの間サクラに近づけないよ・・・」
「鼻が良いのも大変だな。ま、1週間頑張れや」
「はぁ・・・」
オレはため息を吐きながら机に突っ伏す。
ある歳を迎えると必ず女の人にくる月のアレ。
今まで任務で組んできたくノ一に月のが来てることに気づいても何も思わなかった。
なのに何でサクラにだけ。
オレの葛藤など梅雨知らず、サクラは普段通りオレに近づいてきて楽しそうに喋る。
その度にサクラのもう子供ではない匂いに、オレの何かが渦巻くのを感じていた。
その匂いを感じるたび、サクラの細くて白い腕や慎ましやかな胸に目がいってしまうのを何とか踏みとどまっているのだ。
あと1週間。
オレはいつものカカシ先生でいられるだろうか。
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