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◯チョコと一緒に

いのと歩いていると、突然黄色い声が聞こえる。
何事かと思ったら、数人の女の人に囲まれて歩くカカシ先生を見つけた。
今日はバレンタイン。
里の妙齢の女性達が先生にチョコを渡そうと躍起になっているんだ。

「あんたも行くんでしょ?」

いのが意地悪気に笑うのを私は決意した顔で頷く。
鞄の中にある、綺麗にラッピングされたチョコを取り出す。
このチョコを渡す時、私は先生に告白をする。
ずっと秘めていたこの気持ちをぶつける。
受け入れられるなんて思わないけど。
他の人に取られる前に言いたいから。

「言ってくる!」
「頑張れ!」

いのが拳を突き出すので、私も同じように拳を突き出して。

「カカシ先生!」

女の人に囲まれている先生を大声で呼ぶと、先生は私を見つけて微笑む。
その顔だけで顔に熱が集まる。
私は深呼吸をして、大きく息を吸って。






◯秘密の手形

「サクラちょっと」

恒例となっている民家の草むしりの任務中。
木の根元で座っている先生が草を抜いている私を呼んで手招きする。

「なに?」
「いいから、おいで」

こいこい、と呼ぶ先生に腰を上げて近寄る。
それでも尚手招きするので、身を屈めると腕を強く掴まれる。
気づいた時には、いつの間にか素顔を晒していたカカシ先生に唇を奪われていた。
私のファーストキスも。

「な、な、な・・・!!」
「キスしちゃった」

驚く私を他所に、口布を戻していた先生は悪戯が成功した子供のように笑っていて、

「しちゃったじゃない!この変態上忍ーー!!」


カカシ先生の顔には赤々と手形が残された。






◯カカシの武器(R18)

カカシ先生は自分の武器をよく分かってる。
私が怒って邪険に扱った時、母性に付け込むような、甘えてくる子犬のように眉を下げてこっちを見てくる目。
年上なのに可愛いと思っていつも許してしまうのだ。

そしてえっちしてる時。

「サクラ・・・」
「や、やぁっ!しゃべん、ないでぇ・・・!」

体を揺さぶりながら先生は私の耳に口を寄せて喋る。
耳にかかる吐息、掠れた声。
ただでさえ正常でいられないのに、弱い耳にそんな甘い声を聞かされたら頭がおかしくなる。

「んー・・・?何でダメなの・・・?」

はぁ、と色っぽく吐かれる息に感じて、思わず先生のを締め上げる。
苦しそうに眉間に皺を寄せるも、それでも私の耳から顔を離さない。
先生が喋るたびに締まるのを知っているから、いくら止めてと言っても止めてくれない。

先生は周りに私に尻に敷かれていると言い回っているけど。
きっとカカシ先生には一生勝てない。






◯小さくたって

任務で赴いた街で、愛読書を読んでいたカカシがある方向を見ながら「おぉ」と小さく歓声を上げるので、同じ方を見ると、そこには豊満な胸の女性がカカシに向かって手を振っていた。
カカシも鼻の下を伸ばしてデレデレと手を振り返しているのを思い切り睨む。
視線に気づいたカカシの目がサクラの顔から下に下がったのが分かった。

「・・・相変わらず」

ポツリ、と呟かれた言葉。
何がとは言われなかったが、サクラの中の何かがプツリと切れた。


「・・・サクラ」
「なに?」
「あの、当たってる」

サクラはカカシの後ろからピッタリくっ付いて、背中に胸を押し付けている。
背中に当たる、小さいながらも2つの柔らかい感触に動揺しているカカシにサクラはほくそ笑む。
更に押し付けるとカカシの背中が強張る。

「あら、小さいんだから当たるわけないでしょ」
「ごめんなさい、勘弁して・・・」






◯カカシのポーチ

カカシ先生のポーチはなんでも出てくる。
何か欲しいと言えばすぐに出てくる。
だから私は言ったの。
愛が欲しいって。

「この中にはそれは入ってないな」

先生は眉を下げて小さく笑うから、私は真っ直ぐ先生の顔が見れなくて俯いていると、手が頬に添えられて上を向かされる。
その時、先生の顔に違和感があった。
唇が見えるから。

「でもサクラのお願いは叶えないとね」

どうやって、
その言葉は先生の口の中に吸い込まれた。



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