short.1
「うーん・・・」
はたけカカシは悩んでいた。
来週くるホワイトデーのプレゼントを。
先月のバレンタインはサクラの初めてがプレゼントで。
もちろん美味しくいただいた。
そんな大切なものを貰ったのだからこちらも良いものをあげたい。
だが、今まで貰うことはあっても異性にプレゼントをしたことがない。
特定の相手を作ってこなかったが為に、相手が何を貰ったら嬉しいのか、というのが分からないのだ。
それにサクラは微妙なお年頃。
ぬいぐるみや可愛いものをあげても喜ぶか分からないし、だと言って大人っぽい口紅やネックレスを上げてもまだ似合わないからと使ってくれそうにない。
まぁ、今すぐにでもあげたい物はサクラの初めてを貰った時から決まってるんだけどね?
左手の薬指にはめる、サクラはもうオレのものだという証を。
でもまだ付き合って数ヶ月であげるのは早すぎるかなぁ、って。
自分では埒が明かないので顔見知りのくノ一達に相談してみたんだが。
「私はブランドバッグかな」「高級アクセサリー!」「やっぱりお金よね」
「・・・・・・」
夢もなんもなかった。
やっぱり自分で考えよう、と部屋を出たところで紅に引き止められる。
「あんたがそんなに悩むなんて面白いわね」
「真剣に悩んでるのを面白がらないでくれる?」
「ふふ。ならお姉さんから悩める友に教えてあげるわ。私たちはあなたの大切な子じゃないんだから、私たちが欲しいものがその子も欲しいとは限らないのよ」
じゃあね、と紅は言いたいことだけ言ってドアを閉めた。
オレは首の後ろに手を当てて小さく息を吐いた。
****
「サクラ。ホワイトデーのプレゼント何が欲しい?」
3月14日、ホワイトデー当日。
何が良いのか分からず迷走しすぎて結局何も買えなかった。
こうなったら紅の助言通り、もう本人に聞こうと思って家に来たサクラに聞く。
前触れもない質問にサクラは目をパチクリさせた後、何故か頬を染めてモジモジし出す。
理由は分からないがすごく可愛い。
「・・・欲しいものは、あるんだけど」
「何?お金はあるから心配しなくていいよ」
「お金じゃ買えなくて・・・」
お金で買えないものって何だ?と訝しんでいると、サクラはチラッとこちらを見て。
「先生の、名字が欲しいの」
「──え」
かぁ、と更に顔が赤くなるサクラ。
オレも釣られて頬が赤くなるのを感じる。
「い、今すぐじゃなくていいのよ?私もまだ子供だし。でも、いつかはって・・・」
俯きながら指をモジモジさせるサクラに、オレは緩む頬を隠すように手を顔を当てる。
「・・・ちょっと出かけてくる」
「え?ど、どこに」
「役所に婚姻届貰いに」
「え!今!?」
「善は急げって言うでしょ」
「で、でも・・・」
「オレもサクラと同じ名字になりたいから」
「先生・・・」
サクラは嬉しそうに破顔させて抱きついてきた。
オレもサクラの背中に腕を回して髪を撫でる。
それから一緒に行くと言うサクラと手を繋いで役所へと歩く。
「あぁ、指輪も買わなきゃな」
「指輪って指に付けてたら邪魔になるのよね。任務に出るたびに外してたら無くしそうだし」
「確かにそうだな。ならネックレスにするか」
「うん!」
嬉しそうに腕に抱きついてきて「どんなのにしようかなー」と話すサクラに相槌を打ちながら、今度紅にお礼と報告しに行かなきゃなーと考えながらゆっくりと歩いた。
はたけカカシは悩んでいた。
来週くるホワイトデーのプレゼントを。
先月のバレンタインはサクラの初めてがプレゼントで。
もちろん美味しくいただいた。
そんな大切なものを貰ったのだからこちらも良いものをあげたい。
だが、今まで貰うことはあっても異性にプレゼントをしたことがない。
特定の相手を作ってこなかったが為に、相手が何を貰ったら嬉しいのか、というのが分からないのだ。
それにサクラは微妙なお年頃。
ぬいぐるみや可愛いものをあげても喜ぶか分からないし、だと言って大人っぽい口紅やネックレスを上げてもまだ似合わないからと使ってくれそうにない。
まぁ、今すぐにでもあげたい物はサクラの初めてを貰った時から決まってるんだけどね?
左手の薬指にはめる、サクラはもうオレのものだという証を。
でもまだ付き合って数ヶ月であげるのは早すぎるかなぁ、って。
自分では埒が明かないので顔見知りのくノ一達に相談してみたんだが。
「私はブランドバッグかな」「高級アクセサリー!」「やっぱりお金よね」
「・・・・・・」
夢もなんもなかった。
やっぱり自分で考えよう、と部屋を出たところで紅に引き止められる。
「あんたがそんなに悩むなんて面白いわね」
「真剣に悩んでるのを面白がらないでくれる?」
「ふふ。ならお姉さんから悩める友に教えてあげるわ。私たちはあなたの大切な子じゃないんだから、私たちが欲しいものがその子も欲しいとは限らないのよ」
じゃあね、と紅は言いたいことだけ言ってドアを閉めた。
オレは首の後ろに手を当てて小さく息を吐いた。
****
「サクラ。ホワイトデーのプレゼント何が欲しい?」
3月14日、ホワイトデー当日。
何が良いのか分からず迷走しすぎて結局何も買えなかった。
こうなったら紅の助言通り、もう本人に聞こうと思って家に来たサクラに聞く。
前触れもない質問にサクラは目をパチクリさせた後、何故か頬を染めてモジモジし出す。
理由は分からないがすごく可愛い。
「・・・欲しいものは、あるんだけど」
「何?お金はあるから心配しなくていいよ」
「お金じゃ買えなくて・・・」
お金で買えないものって何だ?と訝しんでいると、サクラはチラッとこちらを見て。
「先生の、名字が欲しいの」
「──え」
かぁ、と更に顔が赤くなるサクラ。
オレも釣られて頬が赤くなるのを感じる。
「い、今すぐじゃなくていいのよ?私もまだ子供だし。でも、いつかはって・・・」
俯きながら指をモジモジさせるサクラに、オレは緩む頬を隠すように手を顔を当てる。
「・・・ちょっと出かけてくる」
「え?ど、どこに」
「役所に婚姻届貰いに」
「え!今!?」
「善は急げって言うでしょ」
「で、でも・・・」
「オレもサクラと同じ名字になりたいから」
「先生・・・」
サクラは嬉しそうに破顔させて抱きついてきた。
オレもサクラの背中に腕を回して髪を撫でる。
それから一緒に行くと言うサクラと手を繋いで役所へと歩く。
「あぁ、指輪も買わなきゃな」
「指輪って指に付けてたら邪魔になるのよね。任務に出るたびに外してたら無くしそうだし」
「確かにそうだな。ならネックレスにするか」
「うん!」
嬉しそうに腕に抱きついてきて「どんなのにしようかなー」と話すサクラに相槌を打ちながら、今度紅にお礼と報告しに行かなきゃなーと考えながらゆっくりと歩いた。
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