short.1
休暇の今日、家の中でゆっくりしていると夕方から突然雨が降り出して一気に豪雨になった。
外に出なくて良かったなー、とカーテンを捲って外を見ていると、呼び鈴が部屋の中に響く。
こんな時に?と不思議に思って訪問者はドアを強く叩いてくる。
「カカシせんせー」
外から聞こえてきた声に慌ててドアを開けると、そこにはずぶ濡れのサクラが体を縮こませて立っていた。
「サクラ!何やってんの」
肩に手を置くと冷え切っていて眉間に皺を寄せる。
部屋に招き入れてタオルを渡すとそれで髪を拭きだす。
「修行から帰ってたら急に雨に降られたのよ。ここからだったらカカシ先生の家近いなーって思って」
「オレがいなかったらって思わなかったのかね」
「師匠から今日先生休みって聞いてたから、絶対家にいると思ってたの。正解だったわね」
ニシシ、と笑う教え子に苦笑するしかない。
とりあえず・・・
「お風呂入っておいで」
****
「お風呂ありがとー」
キッチンにいると体から湯気を出しながらサクラが現れる。
「何作ってるの?」
「オムライス。食べるだろ?」
「うん!」
サクラは嬉しそうに笑いながらオムライスが出来るのを横で見ている。
「あ、明日の朝まで雨ひどいらしいから、サクラは泊まらせますってご両親に連絡しといたよ」
「やった!楽しみ!」
「楽しみって、何もないけど」
「いいの!先生が寝てる隙にマスクを・・・あっ!」
サクラは慌てて口を押さえて目が泳ぐ。
もうそこまで言ったらバレてるだろうに。
まだ素顔を見るのを諦めていないらしい。
カカシはそれに気づかないフリをして、フワフワの卵をケチャップライスの上に乗せる。
「ほら、ご飯食べるよ。スプーンそこ入ってるから持ってきて」
「はーい!」
空腹に負けたのかさっきの失言はもう忘れて鼻歌を歌いながら付いてくるサクラに失笑した。
それから2人でご飯を食べて、他に寝るところもないので狭いベッドで2人で寝る。
「変なことしないでよね!」とサクラは言って寝付きがいいのかすぐに眠って。
そして。
カカシは今、サクラに抱きつかれていた。
最初は横に並んで寝ていたのに、寝返りを打ったサクラがカカシに腕と足を身体に巻き付けてきた。
外そうにも綱手直伝の怪力で全く外れず。
チラッとサクラの顔を見ると、気持ちよさそうに眠っているから起こす気にもなれず。
諦めてその寝顔を見ていると悪戯心が湧き、「このぐらいはいいか」とカカシは口布を下げて額にキスをする。
それでも起きないサクラにカカシは声を殺して笑い。
「おやすみサクラ。良い夢を」
カカシも目を閉じた。
****
良い匂いがする。安心するような。
サクラは幸せな気持ちで重たい眼を開ける。
目を開けたはずなのに、目の前は暗く、触ると柔らかい。
そのまま顔を上げていくと、
目を瞑り眠っているカカシの顔があった。
口布を付けたまま眠っている。
素顔を見る絶好のチャンス。
そんなことは寝ぼけて昨日のことを覚えていないサクラの頭の中にはなくて。
サクラは叫びながら思い切りカカシを蹴り飛ばし、床に落ちても起きないカカシだった。
外に出なくて良かったなー、とカーテンを捲って外を見ていると、呼び鈴が部屋の中に響く。
こんな時に?と不思議に思って訪問者はドアを強く叩いてくる。
「カカシせんせー」
外から聞こえてきた声に慌ててドアを開けると、そこにはずぶ濡れのサクラが体を縮こませて立っていた。
「サクラ!何やってんの」
肩に手を置くと冷え切っていて眉間に皺を寄せる。
部屋に招き入れてタオルを渡すとそれで髪を拭きだす。
「修行から帰ってたら急に雨に降られたのよ。ここからだったらカカシ先生の家近いなーって思って」
「オレがいなかったらって思わなかったのかね」
「師匠から今日先生休みって聞いてたから、絶対家にいると思ってたの。正解だったわね」
ニシシ、と笑う教え子に苦笑するしかない。
とりあえず・・・
「お風呂入っておいで」
****
「お風呂ありがとー」
キッチンにいると体から湯気を出しながらサクラが現れる。
「何作ってるの?」
「オムライス。食べるだろ?」
「うん!」
サクラは嬉しそうに笑いながらオムライスが出来るのを横で見ている。
「あ、明日の朝まで雨ひどいらしいから、サクラは泊まらせますってご両親に連絡しといたよ」
「やった!楽しみ!」
「楽しみって、何もないけど」
「いいの!先生が寝てる隙にマスクを・・・あっ!」
サクラは慌てて口を押さえて目が泳ぐ。
もうそこまで言ったらバレてるだろうに。
まだ素顔を見るのを諦めていないらしい。
カカシはそれに気づかないフリをして、フワフワの卵をケチャップライスの上に乗せる。
「ほら、ご飯食べるよ。スプーンそこ入ってるから持ってきて」
「はーい!」
空腹に負けたのかさっきの失言はもう忘れて鼻歌を歌いながら付いてくるサクラに失笑した。
それから2人でご飯を食べて、他に寝るところもないので狭いベッドで2人で寝る。
「変なことしないでよね!」とサクラは言って寝付きがいいのかすぐに眠って。
そして。
カカシは今、サクラに抱きつかれていた。
最初は横に並んで寝ていたのに、寝返りを打ったサクラがカカシに腕と足を身体に巻き付けてきた。
外そうにも綱手直伝の怪力で全く外れず。
チラッとサクラの顔を見ると、気持ちよさそうに眠っているから起こす気にもなれず。
諦めてその寝顔を見ていると悪戯心が湧き、「このぐらいはいいか」とカカシは口布を下げて額にキスをする。
それでも起きないサクラにカカシは声を殺して笑い。
「おやすみサクラ。良い夢を」
カカシも目を閉じた。
****
良い匂いがする。安心するような。
サクラは幸せな気持ちで重たい眼を開ける。
目を開けたはずなのに、目の前は暗く、触ると柔らかい。
そのまま顔を上げていくと、
目を瞑り眠っているカカシの顔があった。
口布を付けたまま眠っている。
素顔を見る絶好のチャンス。
そんなことは寝ぼけて昨日のことを覚えていないサクラの頭の中にはなくて。
サクラは叫びながら思い切りカカシを蹴り飛ばし、床に落ちても起きないカカシだった。
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