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short.1

師走に入り年末に向けていつもより忙しくなる今日この頃。
先程仮眠を終えて火影の机で終わらない仕事を黙々と作業をしていた時。
ドスドスと聞こえてきそうな雰囲気を感じがして思わず手を止めてシカマルと目を合わせる。


コンコンコン


「どうぞ〜」

さっきの気迫が嘘のような優しいノックに気の抜けた返事になってしまった。
ドアが開くと、薄紅色の頭がヒョコと覗いた。



「サクラ」

よく知った顔を見て頬が緩む。
徹夜明けの頭に癒しが投入される。

しかし、まったく喋らずニコニコと笑うサクラの顔に嫌な予感がした。
何故なら、顔は笑っているのに目が笑っていないから。


「六代目?」

いつもは『カカシ先生』と昔からの呼び方をするが、公私混同はしない真面目な元教え子は、ナルトと違ってちゃんと使い分ける。
だから何も疑問に感じなかった。

「なぁに?」

仕事が忙しくてここ数日会えていなかった愛しい恋人に気が緩む。



「何で身体検査に来ないのかしら?」

先程感じた禍々しい雰囲気が一気に放たれて、顔がひくついた。

(やばい・・・忘れてた・・・)

背中に冷や汗をかいてサクラの顔を真っ直ぐ見れなくなる。

「シカマルはちゃんと来ましたよ?」

その言葉に、何で教えなかった、とシカマルを睨むとこちらを伺っていた優秀な部下は目が合った瞬間に逸らしやがった。


チラっとサクラを伺うと、にこやかに笑っているが怖い。

「里の長たる者、皆のお手本にならないといけないと思うんですよ、火影様」
「はい・・・」

だんだん他人行儀になる言葉に肩身が狭くなる。



「今から検査、しましょう」

そう言ってサクラはドアを開けて待っている。
オレは逃げられないと悟り、渋々椅子から立ち上がりドアへと向かった。



****


「本当に、火影ならちゃんと身体に気を使って欲しいんだけど」

医務室に通され2人きりになるとサクラの言葉使いが一気に砕ける。

「いやぁ〜、ごめんね。仕事が忙しくて頭から抜けてたよ」

オレの言葉にジトっとした目で睨んでくるサクラに笑って誤魔化す。



「とりあえず座って上脱いで」

言われた通り背中を掴んで脱いで待っていると、視線を感じ振り返れば何故かこちらを見て止まっているサクラがいた。

「サクラ?」

何かあったのだろうかと声をかけると、ハッとした顔をしてまた準備に取り掛かっていた。
ガチャガチャとサクラらしからぬ音に見ていると、何故か髪の隙間から見える耳元が真っ赤に染まっていた。


ーーなるほど。



オレはニヤリと笑い、静かにサクラに近づく。
近づくことに気づかないサクラは、振り返ると至近距離にオレがいてビックリしたのか目をまん丸くしていた。

「ちょっと・・・カカシ先生どうしたのよ」

ジリジリと近づくオレから離れようとするもサクラの後ろは机。
すぐに距離は縮まりサクラの腰に腕を回すと、サクラの頬が染まるのを見て口角が上がる。



「せ、先生!何するの!」

オレを離そうとするが、上半身裸の体に触れないのか手が宙を彷徨う。
何回も触れ合ってきてるのに、いつまで経っても初々しいサクラの反応に意地悪したくなるのはしょうがないことだ。


「ねぇ、サクラ」

顔を耳元に近づけて囁くように名前を呼ぶとサクラの体が跳ねる。

「さっきオレの裸見た時、何考えてたの?」

サクラの頭に穴が開いていたらそこから湯気が出るんじゃないかと思うぐらいに真っ赤になっている。
そんなサクラにオレはニヤリと意地悪く笑う。


「あー、エロいこと考えてたのか」
「ち、違う!」

首が取れそうなぐらいブンブンと振っている。
そこまですると肯定したのと同じだろうと、ほくそ笑む。

「じゃあ何考えてたの?」
「う・・・」

そういうとサクラの目が左右に動いて、チラっとオレを見るとまた左右に動き出す。
本当可愛い。
そう思いながら頬に舌を這わせると「ひゃあ!!」と素っ頓狂な声をあげるから、クックッと笑う。


悪戯好きなオレの手が服の裾から忍び込み、背中を下から上から撫で上げるとサクラの口から甘い吐息が漏れる。
それに良くしたオレの手は背中から胸へと這わせ、下着の上から揉み始める。



「ん・・・ちょっと・・・っ」

オレの拘束から逃れようとするが、こちらとて譲る気はない。
次いつ帰れるか、ましてや逢えるかも分からないのだ。
そしてここには診察で使うベッドがある。


オレの手から与えられる行為に抵抗力が無くなってきたのを確認し、サクラの唇へと顔を近づける。
キスされると思ったサクラは目を閉じる。


しかし期待する感触は訪れない。
サクラは目を開けると、ほんの少しで合わさる位置で止まっている。

ニヤニヤと見るオレにサクラの顔は真っ赤になってブルブルと震えている。



「あれ、検査しなくていいの?」
「す、するに決まってるでしょ!離してよ!!」

真っ赤になって腕に力を入れて体を離そうとするのを更に抱きしめ、さっきしてあげなかったキスをする。

「ま、後でもいいんじゃない?」
「後でって・・・!」

サクラの体を抱き上げてベッドへと移動して降ろす。



「仕事忙しいんじゃなかったの!?遅くなったらシカマルが変に思うじゃない!」

覆い被さるオレから逃げようとうつ伏せになり這うサクラの体を羽交い締める。

「大丈夫、大丈夫。シカマル優秀だから。遅くなっても察してくれるよ」

そのまま首筋にキスをして舌を這わせればサクラの力が無くなる。
ひっくり返せば目を潤ませるサクラに睨まれる。
だがその潤みは嫌がっているのでなく、期待したものだということはすぐに分かる。


唇を合わせ舌を差し込めば応えてくれる。
存分に味わいながら上着のチャックを下げてすんなりと脱がし床に落とす。

嫌々言いながらもオレを受け入れてくれるから本当可愛くて仕方ない。
年末年始は一緒に過ごせるように積み上がっていく仕事頑張りますかぁ。


そう腕の中で咲く花を見ながら思ったのだった。
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