湯煙忍法帖
「ナルトー、この書類急ぎだから今すぐハンコちょうだい」
「うん、はーい、じゃあねー」
数枚の書類を手に執務室に入ると、電話していたナルトが受話器を置いた。
「あ、ごめん。電話中だった?」
「大丈夫大丈夫、カカシ先生からだったから」
「・・・カカシ先生?」
久しぶりに聞く恋人の名に無意識に反応する。
「ちょっと確認したいことあったから、旅館に電話して話してんだってば」
「ふーん・・・先生何か言ってた?私のこと、とか」
「いや、別に?」
「・・・そう」
ナルトの返事に思わず手元の書類をグシャリと握りしめてシワを作ってしまった。
サクラの静かな怒りに何かを感じ取ったナルトは慌て出す。
「ど、どうせカカシ先生のことだからしょっちゅうサクラちゃんに手紙飛ばしてるんじゃないねーの?」
「1回も手紙来たことありませんけど?」
サクラは笑顔を作って書類を火影机に叩きつける。
その時にちょっとヒビが入ってナルトが小さく悲鳴を上げる。
「カカシ先生ってまめって感じじゃねーもんな・・・」
「ミライちゃんから時々近況報告はあるんだけどね。まぁ別にいいけど。早くハンコ押しなさいよ」
「は、はい・・・」
部屋に入ってきた時より格段に機嫌が悪くなっているサクラ。
ナルトは内容を確認して承認のハンコを押してサクラに返す。
「じゃあね」
サクラは背を向けたまま執務室を出て行った。
緊迫した雰囲気が消え去り、ナルトは大きくため息を吐く。
「・・・相変わらず素直じゃねえなぁ、サクラちゃん」
建物を出たサクラが空を見上げると空気が澄んでいてたくさんの星が見えた。
里を出てから連絡をよこさない恋人もこの空を見ているだろうか、と息を吐く。
「・・・連絡よこしなさいよ、バカ」
「うん、はーい、じゃあねー」
数枚の書類を手に執務室に入ると、電話していたナルトが受話器を置いた。
「あ、ごめん。電話中だった?」
「大丈夫大丈夫、カカシ先生からだったから」
「・・・カカシ先生?」
久しぶりに聞く恋人の名に無意識に反応する。
「ちょっと確認したいことあったから、旅館に電話して話してんだってば」
「ふーん・・・先生何か言ってた?私のこと、とか」
「いや、別に?」
「・・・そう」
ナルトの返事に思わず手元の書類をグシャリと握りしめてシワを作ってしまった。
サクラの静かな怒りに何かを感じ取ったナルトは慌て出す。
「ど、どうせカカシ先生のことだからしょっちゅうサクラちゃんに手紙飛ばしてるんじゃないねーの?」
「1回も手紙来たことありませんけど?」
サクラは笑顔を作って書類を火影机に叩きつける。
その時にちょっとヒビが入ってナルトが小さく悲鳴を上げる。
「カカシ先生ってまめって感じじゃねーもんな・・・」
「ミライちゃんから時々近況報告はあるんだけどね。まぁ別にいいけど。早くハンコ押しなさいよ」
「は、はい・・・」
部屋に入ってきた時より格段に機嫌が悪くなっているサクラ。
ナルトは内容を確認して承認のハンコを押してサクラに返す。
「じゃあね」
サクラは背を向けたまま執務室を出て行った。
緊迫した雰囲気が消え去り、ナルトは大きくため息を吐く。
「・・・相変わらず素直じゃねえなぁ、サクラちゃん」
建物を出たサクラが空を見上げると空気が澄んでいてたくさんの星が見えた。
里を出てから連絡をよこさない恋人もこの空を見ているだろうか、と息を吐く。
「・・・連絡よこしなさいよ、バカ」