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◯君

腰に抱きついてきた君の髪を撫でると嬉しそうに笑う君。
まさか恋人になるなんて誰が予想出来ただろうか。

もし、サスケが君に告白をしたら。
オレは君の手を離すことが出来るだろうか。






◯しょうがない

「なぁなぁ、サクラちゃん」
「・・・げほ、なに」
「なんか歩き方おかしくね?」
「べづに」
「それに声も変だってばよ」
「ゔっさい!さっざどいぐわよ!」

サクラがナルトの頭をいい音をたてて殴る。
「いってー!!」と頭を抱えて蹲るナルトを置き去りに、腰に手を当ててよろよろと歩いていくサクラをカカシはニヤニヤしながら付いていった。

****

任務が終わってカカシから逃げようとするサクラを捕まえて、報告書も出さずに部屋に連れ込みベッドに押し倒し、素早くサクラの服を脱がしていく。

「ちょ、ちょっと!昨日いっぱいしたでしょ!!またナルトに何言われるか・・・」
「言わせとけばいいよ。サクラが可愛いのが悪い」
「なにそ・・・っ!」

文句を言おうとするサクラの唇を塞ぐ。
サクラが可愛いくて愛おしいからしょうがないのだ。






◯お揃いのシャンプー

サクラは落ち込んでいた。
最近発売したお気に入りのシャンプーがまさかのパックンとお揃いだなんて。
犬と一緒、いぬと一緒、いぬといっしょ・・・。

「サクラ」

肩を落としていると先生に後ろから話しかけられる。

「なに・・・」
「そんなにパックンと一緒が嫌ならオレとならどう?」

ゆっくりと振り返ると、先生が自分の髪を指差している。

「なーんて、ってうわ!」

はは、と笑う先生の襟首を掴んで引き寄せ、額当てで逆立っている髪に鼻を埋める。
クンクンと嗅ぐと良い匂いがした。
シャンプーの匂いの中に先生の匂いなのか、木のような安心する匂い。
シャンプーも好きだけどこっちの方が好きかもしれない。
ずっと嗅いでいたい──

「さ、サクラ?そろそろ・・・」
「もうちょっと・・・」

この匂いをまだ嗅いでたい。
中腰の先生の肩を押して膝をつかせて嗅ぎやすくする。

「サクラ〜・・・」


それから30分、シクシクと泣いている先生の匂いを嗅いだのだった。






◯ベストの匂い

演習後のお昼休み。
すぐにご飯を食べ終わったナルトとサスケくんがカカシ先生に稽古をつけろと言い出した。
駄々を捏ねるナルトに先生はため息を吐いて、ベストを脱いで横に座っていた私に投げる。

「持ってて」

そう言って2人の元に向かっていた。
今日は日差しが強くて暑い。
こんな分厚いベストを着なきゃいけない先生は更に暑かっただろう。
3人に背を向けてベストに鼻を埋めると、汗を掻いたからなのかいつもより先生の匂いが濃い。
お父さんは最近加齢臭がしてきたけど、先生はそんな匂いがしなくて、逆に良い匂いがする。
先生が匂いに気を遣ってる感じはしないから体質なのかもしれない。

ふふふ、と先生の匂いを堪能していると背中に視線を感じて振り返ると、先生が私をジーと見下ろしていた。
まさか見られるとは思わなくて、言い訳をしようと涙目になってると先生は両腕を広げる。

「本体の匂いのほうがいいんじゃない?」

そう微笑む先生の胸に思い切り飛び込んだ。






◯最後【死ネタ注意】

「──サクラ」
「いや、いやぁ・・・」

腰に腕を巻き付けるサクラに離れるように促すも、頭を横に振って更に抱きつく。

任務帰り、他里の敵に襲撃を受けた。
明らかに上忍レベルの戦力で人数も倍以上、こちらはオレと下忍3人。
こいつらを守りながら闘える相手ではない。
つまり、オレが取る行動は。

「一緒に帰るって・・・これからも一緒にいるって約束した・・・!」

サクラは胸から顔を上げて、大きな翡翠の瞳は涙で潤んでいた。
その後ろにいるナルトも同じように涙を溜め、サスケも唇を噛んで耐えていた。
少しずつ成長していくこいつらの姿をもう見れないのは悔しい。
だが。

「サスケ、ナルト」

その言葉だけでオレが何を言いたいのか理解したサスケは、サクラの腕を掴んで引き離そうとする。

「や・・・せんせ、カカシ先生っ!」

それでも離れようとしないサクラ。
オレは口布を下げてサクラに顔に近づき、綺麗な額にキスを落とす。
唇にはしない。
次の恋に進めるように。

突然のこと驚いたサクラの腕が緩み、その隙にサスケとナルトがサクラを担いで走る。

「いやぁぁぁぁぁぁ!!」


彼女の瞳に映るオレは最後まで笑顔でいれただろうか。



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