「おっそい･･･」

サクラは待ち合わせの公園にある時計を見てはイラつきから何回も右足で地面を踏み鳴らす。
今日はカカシ先生と付き合って初めてのデート。
昨日の夜から何を着ようかと遅くまで考えて寝不足の状態で待ち合わせ時間より先に着いたってのに。
普段から遅刻癖があるのは知っていたけど、まさかデートにまで遅刻してくるなんて。
もう別れてやる、と不穏なことを考えていると、背中の方から呼ぶ声が聞こえた。

「悪い悪い。遅くなった」
「おっそいカカシ先生！今何時だと──」

眉間に皺を寄せて振り向いて、
私は唖然とした。
だって、先生が、どうせ任務服で来ると思っていたのに･･･。
いつもと同じように口布を付けていたけど、灰色のセーターにジーンズのズボン、緑のチェックマフラー、そして緑のロングコートで、まさに大人の男の人だった。
それにいつもより若く見える。
口をあんぐりと開いたまま固まっていると、先生は恥ずかしそうに頭を掻く。

「本当はいつもの格好で行こうと思ったんだけど、紅にデートがバレて、アンコと2人で色々着せ替えさせられてさ･･･早く来るつもりだったんだけど。ごめんな？」

申し訳なさそうに顔を覗き込んでくるカカシ先生。
いつもと違う先生に変に胸がドキドキして顔を逸らすと、また顔を覗き込まれる。

「なーんで顔逸らすの？まだ怒ってる？」
「わ、分かってるでしょ！次からはいつもの服にして！」
「んー、サクラの反応可愛いからまた紅たちに頼もうかな」
「〜〜！先生の馬鹿！！」

ポカポカ先生を叩くと、先生は嬉しそうに私を抱きしめた。