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湯煙忍法帖

「湯の国?」
「そ」

カカシ先生の部屋に遊びにきたらリュックに服やら何やらを詰め込んでいた。

「ふーん・・・」

せっかく遊びに来たのに相手にしてもらえないし、里から居なくてなると聞いてつまんない。

「お土産よろしく」
「あのね、一応任務だからね?」
「任務?誰かと行くの?」
「ガイと、アスマと紅の」
「ミライちゃん?」
「うん」

母親譲りの癖のある髪の毛の少女を思い出して苦笑する。

「あの子かぁ。良い子なんだけど、一直線で突っ走っちゃうのがね」

下忍時代、毎日のように怪我をして医務室に来ていた頃が懐かしい。

「ま、それも任務こなして学んでいくしかないよね」

荷物を纏め終わったのか、一息つく先生の背中に飛び掛かる。

「なに、どうしたの」
「別にー?カカシ先生は本当ガイ先生と仲良いなって思っただけ」
「ヤキモチ?」
「うん」

素直に頷くと、先生は後ろに体重をかけてくる。
そのまま後ろ向きに床に倒れると、気づいたら先生に押し倒されていた。

「本当、いくつになっても可愛いねお前は」
「いくつもは余計よ」
「そう?オレからしたらサクラはずっと可愛い女の子だから」
「女の子って・・・私もう30過ぎてるんですけど」
「30なんて若い若い」
「あら、もう50だと言うことが違うわね」
「まだ46ですぅ」

40過ぎのおじさんがその語尾はどうなんだ。
しかし40を過ぎても出会った頃と全く容姿が変わらないのは何なんだろうか。
しかも性欲も衰えないのか、その先に進もうと手がイヤらしく動く。
明日から任務のくせに。どうせ疲れないんだろうけど。
まぁいいか、と諦めて先生の首に腕を回す。

「気をつけて帰ってきてね」


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