short.1
先生と付き合うようになってから知ったことがある。
任務に出る前に慰霊碑とある人のお墓に行くことを。
下忍時代はただの寝坊だと思っていたけど、ここで時間が過ぎてもいたのだと。
知っていたらあんなに怒らなかったのに、先生は本当のことを言ってくれないから。
その日も先生はお墓の前で佇む先生の後ろから近づいて声をかける。
「先生の大事な人?」
「そう。オレの仲間だった子」
墓を見つめる先生の瞳は暗い。
「・・・好きだったの?」
そう聞くと先生の目をまん丸になって失笑する。
「さぁ、どうだったかなぁ」
すっとぼけて笑う先生だけど、私には分かる。
だってお墓を見つめる瞳が愛おしい者を見るようで。
でもそのことを言う勇気は私にはない。
「サクラに初めて会った時、その子の生まれ変わりかと思ったよ。それぐらいソックリで」
「そう」
「うん」
素気なく返事をしてお互いお墓を見る。
「だから私のこと好きになったの?」
「違うよ。最初は似てるから気になったけど、だんだんサクラという女の子が気になって好きになった。それに性格は間反対だしね」
ケラケラ笑うカカシ先生。
どうせ私は我儘で短気よ、と頬を膨らませる。
先生はおかしそうに笑って私の腰に腕を回して引き寄せ、髪にキスをする。
「心配しなくてオレが愛してるのはサクラだ」
「うん・・・」
先生の胸によりかかる。
私の知らないカカシ先生を知る人。
時々暗い顔をするのはこの人と何かがあったのだろう。
自分を責めるように辛い顔をする先生を見ると私も辛くなる。
私たちと出会って良かった、幸せだと言われたことがある。
なら昔の先生も助けて、過去の先生にも幸せだと言ってもらいたい。
「ねぇ。今度、先生の昔話聞かせてよ」
「えー?そんなに楽しいものじゃないよ?」
「いいの!先生のことは全部知りたいの!」
「嬉しいこと言ってくれちゃって。これ以上惚れさせてどうする気?」
「先生がおじいちゃんになるまで惚れさせまくるから覚悟しといてよね!」
そう言うと、先生は嬉しそうに頷いて、指を絡めて強く握った。
死が二人を別つまで離れないように──
任務に出る前に慰霊碑とある人のお墓に行くことを。
下忍時代はただの寝坊だと思っていたけど、ここで時間が過ぎてもいたのだと。
知っていたらあんなに怒らなかったのに、先生は本当のことを言ってくれないから。
その日も先生はお墓の前で佇む先生の後ろから近づいて声をかける。
「先生の大事な人?」
「そう。オレの仲間だった子」
墓を見つめる先生の瞳は暗い。
「・・・好きだったの?」
そう聞くと先生の目をまん丸になって失笑する。
「さぁ、どうだったかなぁ」
すっとぼけて笑う先生だけど、私には分かる。
だってお墓を見つめる瞳が愛おしい者を見るようで。
でもそのことを言う勇気は私にはない。
「サクラに初めて会った時、その子の生まれ変わりかと思ったよ。それぐらいソックリで」
「そう」
「うん」
素気なく返事をしてお互いお墓を見る。
「だから私のこと好きになったの?」
「違うよ。最初は似てるから気になったけど、だんだんサクラという女の子が気になって好きになった。それに性格は間反対だしね」
ケラケラ笑うカカシ先生。
どうせ私は我儘で短気よ、と頬を膨らませる。
先生はおかしそうに笑って私の腰に腕を回して引き寄せ、髪にキスをする。
「心配しなくてオレが愛してるのはサクラだ」
「うん・・・」
先生の胸によりかかる。
私の知らないカカシ先生を知る人。
時々暗い顔をするのはこの人と何かがあったのだろう。
自分を責めるように辛い顔をする先生を見ると私も辛くなる。
私たちと出会って良かった、幸せだと言われたことがある。
なら昔の先生も助けて、過去の先生にも幸せだと言ってもらいたい。
「ねぇ。今度、先生の昔話聞かせてよ」
「えー?そんなに楽しいものじゃないよ?」
「いいの!先生のことは全部知りたいの!」
「嬉しいこと言ってくれちゃって。これ以上惚れさせてどうする気?」
「先生がおじいちゃんになるまで惚れさせまくるから覚悟しといてよね!」
そう言うと、先生は嬉しそうに頷いて、指を絡めて強く握った。
死が二人を別つまで離れないように──
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