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short.1

「ひっく!」
「・・・で、次の任務なんだけど」
「ひっ、ひっく!」

次の任務についての作戦会議中、ヤマトの声に被って可愛らしいしゃっくりの声が。

「・・・大丈夫か、サクラ」
「ご、ごめんなさい・・・ひっく」

サクラは恥ずかしそうに謝るも、それでもしゃっくりは止まらない。

「止まらねーな、しゃっくり。1時間は出てるんじゃね?」
「うん・・・ひっ。色々試したんだけど、ひっく」

続けてください、とヤマトに言うが、その間もしゃっくりが止まらず、邪魔しないように口に手を当てて押さえているサクラが可愛くて全員会議の内容が入ってこない。
しかしこれでは任務に支障をきたしてしまう。
カカシが腕を組んで背もたれに体重をかけるとギシッと音が鳴る。

「うーん、困ったね。定番の驚かすのはした?」
「あ、いえ、ひっく。ナルトに頼んだら下手すぎて驚けなくて」
「だってオレってば、そういうの苦手なんだもん」
「ならサクラ、ちゃんと見ててよ」

何をするのかと思えば、カカシは口布に指を差し込んで、徐に下げたのだ。
あれだけ頑なに見せなかったカカシの素顔。
たらこ唇でも出っ歯でもない、端正な顔立ちに口元の黒子が現れる。
いきなりのことにナルトとサクラはあんぐりと口を開けて固まる。

「どう?止まった?」
「・・・え?あ、はい!・・・ひっく」
「止まってないみたいだね」

ヤマトが失笑する。

「うーん、これでもダメなると・・・サクラ、ちょっとこっちにおいで」
「え?」

カカシが手招きしてサクラが近寄ると、その肩を抱いて部屋の外へと出ようとする。

「か、カカシ先生、どこに・・・」
「いいから、いいから」

カカシは微笑んでそのまま部屋を出て行った。
その笑顔が怪しい笑みだったことをヤマトしか気づかなかった。





それから10分後。
2人が戻らないと会議が進まないので各々暇つぶしをしていると部屋のドアが開く。
そこにはサクラの肩を抱いて満足そうに微笑むカカシと、顔を真っ赤にして俯くサクラ。

「オレたち付き合うことになったから」

椅子を浮かして揺らしていたナルトは驚いてそのまま後ろに椅子ごとひっくり返った。
サイも墨で絵を描いていたのだが、ビックリしてそのまま机にまで付いてしまっている。
ヤマトはというと、頭を抱えて重く息を吐き。

「・・・僕たちを驚かせてどうするんですか・・・」



サクラのしゃっくりは止まっていた。


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