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「師匠ー、頼まれてた資料持ってき・・・」

師匠に頼まれた大量の資料を両手に抱えて執務室のドアを肩で押しながら入り、目の前に広がる光景に自分の目を疑った。

「あ、サクラちゃん!」
「ご苦労だったなサクラ」

そこには、空のような着物に白いマフラーを巻いたナルト、猪鹿蝶を思わせる綺麗な羽織を着ていつもは頭の上で結ぶ髪の毛を下で結び、帽子を被っているシカマル、そして──。

「サクラ、お疲れさん」

にこり、と微笑む我が師。
その格好は2人と全然違った。
白いズボンに白いジャケットを肩で羽織っていて。
どことなく、昔絵本で見た異国の王子様のようで・・・。
いや、それよりも。
いつもと違う先生の格好に見惚れていた頭を心の中で振る。

カカシ先生の、口布が外されている。

頑なに見せてくれなかった素顔を普通に晒していて拍子抜けしてしまった。
先生の顔を凝視していると先生は困ったように笑い、隣でナルトがニシシと笑う。

「ビックリしただろ?これからオレたち3人で任務に出るんだけど、依頼人の希望でこの衣装になったんだ。で、この衣装に口布はおかしいから外せって綱手のバーちゃんに言われて渋々外したんだってばよ」
「そ、そう・・・」

綱手様、ナイスです!
私は心の中でグッと手を握る。

「ま、そういうわけだから。それじゃあ行ってきます、五代目」
「ああ、気をつけて行ってこい」

3人はゾロゾロと部屋を出ていくのを眺めていると、私とすれ違う時にカカシ先生が私の肩に手を置いて。

「見惚れちゃうほどカッコよくてごめんね?」

耳元に囁くその声にバッと耳を押さえて先生から離れる。
先生は面白そうに笑いながら部屋を出ていく。
私は悔しくて、手に持っていた書類を気づかずうちに握りしめていたら師匠に怒られしまった。


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