short.1
カカシ先生に告白されて付き合うことになった次の日、先生はすぐに私の両親に挨拶に来てくれた。
そして親公認となり、毎日のように先生の家に泊まりに行っていて。
今日も任務が終わって報告書の提出につきあって、一緒にスーパーに行って、一緒にご飯を作って、一緒に食べて、一緒にお風呂に入りたがる先生を引き剥がして1人で入って。
そして寝るまでダラダラと過ごす。
今日の任務はなかなかにハードで、すぐに眠気に襲われて目を擦る。
その時、玄関を小さく3回叩く音がして、ビックリして目が冴えた。
先生は驚く様子もなく玄関にむかい、少しドアを開いて誰かと話している様子だった。
その様子を見ていると、先生は面倒臭そうに頭を掻きながら戻ってくる。
「ごめん。任務が入った。これから行ってくるよ」
先生が申し訳なさそうに笑って頭を撫でてくれるので、私は笑う。
「大丈夫よ。気をつけて行ってきてね」
「あぁ。でも、サクラを1人にするのは不安だな・・・。家に送る時間もないし」
「もう、私だって忍よ?」
「いいや。心配だ。あいつら呼ぶか」
先生はそう言うと指を齧り床に手をついて、部屋の中が煙でいっぱいになる。
目を瞑り、少しして開くと・・・。
「なんだ。小娘も一緒か」
私を取り囲むように現れたのはカカシ先生の八忍犬。
パックンは私の頭の上に乗ってるし。
「グルコ、ブル。お前らはサクラとここで留守番。他はオレと任務」
「分かった!」
グルコと呼ばれた忍犬は元気よく返事をして、ブルも「ワフ」と小さく返事をする。
「せんせ、別に1人で大丈夫だってば」
「だーめ。1人で置いてったら、心配で心配で任務で怪我をするかもしれない」
「う・・・」
そんなこと言われたら断れない。
先生のためにもここは大人しく2匹と留守番するしかない。
唇を尖らせて頷くと、先生はおかしそうに笑う。
「早く終わらせて帰ってくるから」
「・・・うん」
先生は私の額に軽くキスをして部屋を出ていった。
こんな時間に呼び出されたということは、それだけ危険な任務なのかもしれない。
さっきまで楽しかった気持ちがどんどん沈んでいく。
心配と寂しさからため息を吐くと、隣に座っていたグルコもため息を吐きながら伏せる。
さっきまで元気そうだったのに。
「どうしたの?」
「聞いてくれる?」
頷くと、立ち上がって私の体に寄り添ってくるので頭を撫でてあげる。
「明日、カカシに痛いことされるんだ」
「え!?」
まさかの発言にビックリして撫でる手が止まってしまった。
愛犬家のカカシ先生が自分の犬を傷つけるなんて信じられない。
「詳しく聞かせてくれる?」
「いいよ。あのね・・・」
****
「疲れた・・・」
カカシはパックンを肩に乗せて人が少ない早朝の里を歩く。
すぐ終わらせるはずが順調にはいかず、こんな時間までかかってしまった。
早く帰ってサクラを抱きしめて眠りたい。
可愛いサクラが家にいると思ったら知らぬ間に早歩きになり、自分の家に帰り着く。
まだサクラ寝てるかなと思いながらも、「ただーいま」と声をかけながら部屋に入ると、中から声が聞こえて物音がする。
しかし幾ら待っても出迎えには現れず、パックンと顔を見合わせながら廊下を進み、リビングのドアを開けると。
サクラがグルコとブルを抱きしめてこちらを睨んでいた。
「カカシ先生のバカ!!」
「へ?」
いきなりそんなことを言われる理由が分からない。
今にも噛みつきそうな顔をしているサクラにたじろいでいると、カカシの肩から降りたパックンが代わりにサクラに話しかける。
「どうした小娘」
「どうしたもこうしたもない!みんなのこと可愛がっていながら痛めつけるなんて!」
「・・・痛めつける?」
本当に心当たりがない。
腕を組んで首を傾げていると、サクラはキッとカカシを睨んで指をさす。
「とぼけたって無駄よ!これから忍犬のみんなに痛い思いさせるんでしょ!嫌がるのを無理やり押さえつけて!」
「いや、サクラ・・・本当に何のこと言ってんだ?」
「先生のバカバカバカー!!」
完全に頭に血が昇っているサクラはカカシの言葉に耳を貸さない。
パックンはサクラに抱きしめられているグルコを見ると、すぐに目を逸らす。
「グルコ。何を言ったんじゃ」
「べ、別に・・・」
「正直に言わぬと、カカシにおやつ抜きにさせるぞ」
「それはずるいぞ!」
「なら早よ言わんか」
「うー・・・分かったよぉ・・・」
「予防接種?」
サクラは目をパチクリとさせる。
白状したグルコによると、今日、これから狂犬病の予防接種に連れて行かれるらしく。
注射が大の苦手のグルコは、カカシはサクラに弱いことを知っていたのでサクラに説得させれば予防接種から逃げれると考えた。
そして「カカシが無理やり押さえつけて痛いことをしてくる」と詳しく話さなかったばかりにサクラは激怒してしまったのだ。
まさかサクラがここまで怒ると思わなかったグルコは大人しくサクラに抱かれていた、というわけらしい。
サクラは顔を真っ赤にしてプルプルと震える。
自分の子供っぽい行動が恥ずかしい。
パックンはやれやれと首を振り、カカシも苦笑する。
サクラはキッとグルコを睨み。
「さっさと行ってきなさーーーい!!」
「ごめんなさーーーい!!!」
そして親公認となり、毎日のように先生の家に泊まりに行っていて。
今日も任務が終わって報告書の提出につきあって、一緒にスーパーに行って、一緒にご飯を作って、一緒に食べて、一緒にお風呂に入りたがる先生を引き剥がして1人で入って。
そして寝るまでダラダラと過ごす。
今日の任務はなかなかにハードで、すぐに眠気に襲われて目を擦る。
その時、玄関を小さく3回叩く音がして、ビックリして目が冴えた。
先生は驚く様子もなく玄関にむかい、少しドアを開いて誰かと話している様子だった。
その様子を見ていると、先生は面倒臭そうに頭を掻きながら戻ってくる。
「ごめん。任務が入った。これから行ってくるよ」
先生が申し訳なさそうに笑って頭を撫でてくれるので、私は笑う。
「大丈夫よ。気をつけて行ってきてね」
「あぁ。でも、サクラを1人にするのは不安だな・・・。家に送る時間もないし」
「もう、私だって忍よ?」
「いいや。心配だ。あいつら呼ぶか」
先生はそう言うと指を齧り床に手をついて、部屋の中が煙でいっぱいになる。
目を瞑り、少しして開くと・・・。
「なんだ。小娘も一緒か」
私を取り囲むように現れたのはカカシ先生の八忍犬。
パックンは私の頭の上に乗ってるし。
「グルコ、ブル。お前らはサクラとここで留守番。他はオレと任務」
「分かった!」
グルコと呼ばれた忍犬は元気よく返事をして、ブルも「ワフ」と小さく返事をする。
「せんせ、別に1人で大丈夫だってば」
「だーめ。1人で置いてったら、心配で心配で任務で怪我をするかもしれない」
「う・・・」
そんなこと言われたら断れない。
先生のためにもここは大人しく2匹と留守番するしかない。
唇を尖らせて頷くと、先生はおかしそうに笑う。
「早く終わらせて帰ってくるから」
「・・・うん」
先生は私の額に軽くキスをして部屋を出ていった。
こんな時間に呼び出されたということは、それだけ危険な任務なのかもしれない。
さっきまで楽しかった気持ちがどんどん沈んでいく。
心配と寂しさからため息を吐くと、隣に座っていたグルコもため息を吐きながら伏せる。
さっきまで元気そうだったのに。
「どうしたの?」
「聞いてくれる?」
頷くと、立ち上がって私の体に寄り添ってくるので頭を撫でてあげる。
「明日、カカシに痛いことされるんだ」
「え!?」
まさかの発言にビックリして撫でる手が止まってしまった。
愛犬家のカカシ先生が自分の犬を傷つけるなんて信じられない。
「詳しく聞かせてくれる?」
「いいよ。あのね・・・」
****
「疲れた・・・」
カカシはパックンを肩に乗せて人が少ない早朝の里を歩く。
すぐ終わらせるはずが順調にはいかず、こんな時間までかかってしまった。
早く帰ってサクラを抱きしめて眠りたい。
可愛いサクラが家にいると思ったら知らぬ間に早歩きになり、自分の家に帰り着く。
まだサクラ寝てるかなと思いながらも、「ただーいま」と声をかけながら部屋に入ると、中から声が聞こえて物音がする。
しかし幾ら待っても出迎えには現れず、パックンと顔を見合わせながら廊下を進み、リビングのドアを開けると。
サクラがグルコとブルを抱きしめてこちらを睨んでいた。
「カカシ先生のバカ!!」
「へ?」
いきなりそんなことを言われる理由が分からない。
今にも噛みつきそうな顔をしているサクラにたじろいでいると、カカシの肩から降りたパックンが代わりにサクラに話しかける。
「どうした小娘」
「どうしたもこうしたもない!みんなのこと可愛がっていながら痛めつけるなんて!」
「・・・痛めつける?」
本当に心当たりがない。
腕を組んで首を傾げていると、サクラはキッとカカシを睨んで指をさす。
「とぼけたって無駄よ!これから忍犬のみんなに痛い思いさせるんでしょ!嫌がるのを無理やり押さえつけて!」
「いや、サクラ・・・本当に何のこと言ってんだ?」
「先生のバカバカバカー!!」
完全に頭に血が昇っているサクラはカカシの言葉に耳を貸さない。
パックンはサクラに抱きしめられているグルコを見ると、すぐに目を逸らす。
「グルコ。何を言ったんじゃ」
「べ、別に・・・」
「正直に言わぬと、カカシにおやつ抜きにさせるぞ」
「それはずるいぞ!」
「なら早よ言わんか」
「うー・・・分かったよぉ・・・」
「予防接種?」
サクラは目をパチクリとさせる。
白状したグルコによると、今日、これから狂犬病の予防接種に連れて行かれるらしく。
注射が大の苦手のグルコは、カカシはサクラに弱いことを知っていたのでサクラに説得させれば予防接種から逃げれると考えた。
そして「カカシが無理やり押さえつけて痛いことをしてくる」と詳しく話さなかったばかりにサクラは激怒してしまったのだ。
まさかサクラがここまで怒ると思わなかったグルコは大人しくサクラに抱かれていた、というわけらしい。
サクラは顔を真っ赤にしてプルプルと震える。
自分の子供っぽい行動が恥ずかしい。
パックンはやれやれと首を振り、カカシも苦笑する。
サクラはキッとグルコを睨み。
「さっさと行ってきなさーーーい!!」
「ごめんなさーーーい!!!」
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