short.1
「なぁ、なぁ、カカシ先生」
「ん?」
今日は任務はお休みで体術の演習。
順番でサスケとサクラが演習をし、それを見ていると隣でナルトがベストを引っ張ってくる。
何かあってはいけないので目を逸らさずに返事をする。
「カカシ先生とサクラちゃんって幼馴染みって本当?」
「え?あぁ、そうだよ。親同士が仲良かったからね。サクラが産まれた時から知ってる」
サスケに一生懸命付いていく成長したサクラを見て頬が緩む。
「いいなーいいなー!オレ、アカデミーの頃からのサクラちゃんしか知らないから羨ましいってばよ!」
「いやー、昔のサクラは本当可愛くてね。『おにいちゃん、おにいちゃん』って慕ってくれて、小さい体で付いてくるのがもーねぇ」
「そんなに慕ってくれたのに、サクラちゃんのカカシ先生の扱い冷たくない?」
「あー、親しくしてると他の子たちに示しがつかないからって自分で決めたんだよ。そういう真面目なところも可愛いよねぇ」
顎に手を当てて思い出していると、サスケと演習を終えてボロボロになったサクラが近づいてくる。
「何ニヤニヤしてるんですか、カカシ先生」
「ん?サクラは可愛いよねって話」
「どうでもいいこと考えてないでちゃんと監督してください」
微笑むオレにサクラは怒って離れていく。
そんなサクラをニコニコ見つめるオレに、ナルトは首を傾げていた。
****
「おーい、カカシくん!」
任務が休みの日、里を歩いているとサクラの両親と出くわす。
「あ、こんにちは」
「もうお父さん!カカシくんじゃなくてカカシ先生でしょ!」
「おおそうか!そうだったな!」
ガハハ、と大きく口を開ける父親とおかしそうに笑う母親。
この2人はいつも明るくて元気を貰える。
「どっちでもいいですよ。先生って呼ばれるの恥ずかしいですし」
「サクラは今はカカシ先生って呼んでるものね」
「えぇ、まぁ・・・未だに慣れなくてこそばゆいですが」
オレは頭を掻きながら笑う。
そんなオレを母親は温かい目で笑う。
「あのカカシくんが先生なんて、2人とも誇らしいでしょうね」
「・・・そうですかね。色々後ろ暗いところもありましたが」
「そんなの今がちゃんとしてたら関係ないさ!サクラもいつも褒めてるよ。まぁ、だらしないところは変わらないって怒ってるけどね!」
「それは申し訳ない・・・」
父親はオレの肩を叩きながらまた大きく笑う。
オレがこうやって先生とやってこれたのはこの家族のお陰でもある。
両親を亡くして疎遠になると思っていたのに、事あるごとに話しかけてくれて。
サクラが産まれたときも1番に抱かしてくれた。
腕に収まる小さな命を見てオレは気づかずに涙を溢していた。
オレがこの子を守らないといけないと思ったのだ。
「そういえば、サクラは家にいますか?」
****
「なぁ、なぁ、カカシ先生」
「ん?」
次の日、今日はチャクラコントロールの演習で崖登り。
サスケとサクラが登っているのを見守っていると、また隣に立つナルトがベストを引っ張ってくる。
「今日さ、サクラちゃんと一緒に行こうと思って家に行ったんだ。そしたら友達の家に泊まりに行ってるって言われてさー」
「へー」
「で、いのの所かなーって思って、途中でいのに会ったから聞いたけど違ってさ。そしたらいのが・・・」
「いのちゃんが?」
「彼氏じゃないかって!!」
「きゃっ!」
ナルトの叫び声にサクラがビックリして足を滑らす。
すぐに助けに入ろうとするが、自分の力で立て直してたので息を吐く。
サクラがこっちを見下ろしてナルトを睨み、ナルトは手を合わせて謝るとサクラはまた登り始める。
オレは軽くナルトの頭を小突く。
「で、何で彼氏?」
「え?あ、何で?」
「いのちゃん以外の友達ってこともあるだろ?」
「あー、何でだろ?」
ナルトは首を傾げるのを呆れて笑う。
いのちゃんに言われたことを間に受けてよく考えずにいたらしい。
しかし、いのちゃんはサクラに関しては本当に勘がするどいな。
****
「──てことがあったんだよ」
「あー、ナルトが騒いでたのはそういうことだったのね」
サクラはオレの部屋のベッドに寝転がって寛ぎ、オレはベッドを背もたれに床に座る。
「それにしても、いのには言ってないのに。女の勘かしら?」
「サクラに関しては鋭いだろうね。彼女、サクラのこと好きだから」
「ふふ。私もいの好きよ」
サクラは嬉しそうに笑う。
オレはその表情にムッと嫉妬して、ベッドで寝そべるサクラに覆い被さる。
「オレは?」
「え?」
「オレのことは好き?」
目を丸くしていたサクラは小さく笑って両頬に手を伸ばす。
「好きよ?誰よりもね」
そのまま顔を引き寄せて唇を合わせてくる。
サクラにされるがまま唇を堪能して顔を離す。
「先生は?」
「もちろん誰よりも愛してるよ」
微笑むサクラにオレからも最大の愛を込めてキスをする。
最初は親同士が子供が男と女なら結婚させようという口約束だった。
それをサクラが産まれた時に聞かされて、さすがに14歳も歳の離れた子と結婚は出来ないと思っていたけど。
オレの側でどんどん可愛くなっていくサクラをどこかの馬の骨に取られるのが嫌で、担当上忍もナルトとサスケの面倒を見る代わりの交換条件でオレの側に付けた。
それほど彼女が大事だと気づいて。
そしてサクラに告白をして、正式に婚約者になった。
誰も知らない、秘密の関係──。
「ん?」
今日は任務はお休みで体術の演習。
順番でサスケとサクラが演習をし、それを見ていると隣でナルトがベストを引っ張ってくる。
何かあってはいけないので目を逸らさずに返事をする。
「カカシ先生とサクラちゃんって幼馴染みって本当?」
「え?あぁ、そうだよ。親同士が仲良かったからね。サクラが産まれた時から知ってる」
サスケに一生懸命付いていく成長したサクラを見て頬が緩む。
「いいなーいいなー!オレ、アカデミーの頃からのサクラちゃんしか知らないから羨ましいってばよ!」
「いやー、昔のサクラは本当可愛くてね。『おにいちゃん、おにいちゃん』って慕ってくれて、小さい体で付いてくるのがもーねぇ」
「そんなに慕ってくれたのに、サクラちゃんのカカシ先生の扱い冷たくない?」
「あー、親しくしてると他の子たちに示しがつかないからって自分で決めたんだよ。そういう真面目なところも可愛いよねぇ」
顎に手を当てて思い出していると、サスケと演習を終えてボロボロになったサクラが近づいてくる。
「何ニヤニヤしてるんですか、カカシ先生」
「ん?サクラは可愛いよねって話」
「どうでもいいこと考えてないでちゃんと監督してください」
微笑むオレにサクラは怒って離れていく。
そんなサクラをニコニコ見つめるオレに、ナルトは首を傾げていた。
****
「おーい、カカシくん!」
任務が休みの日、里を歩いているとサクラの両親と出くわす。
「あ、こんにちは」
「もうお父さん!カカシくんじゃなくてカカシ先生でしょ!」
「おおそうか!そうだったな!」
ガハハ、と大きく口を開ける父親とおかしそうに笑う母親。
この2人はいつも明るくて元気を貰える。
「どっちでもいいですよ。先生って呼ばれるの恥ずかしいですし」
「サクラは今はカカシ先生って呼んでるものね」
「えぇ、まぁ・・・未だに慣れなくてこそばゆいですが」
オレは頭を掻きながら笑う。
そんなオレを母親は温かい目で笑う。
「あのカカシくんが先生なんて、2人とも誇らしいでしょうね」
「・・・そうですかね。色々後ろ暗いところもありましたが」
「そんなの今がちゃんとしてたら関係ないさ!サクラもいつも褒めてるよ。まぁ、だらしないところは変わらないって怒ってるけどね!」
「それは申し訳ない・・・」
父親はオレの肩を叩きながらまた大きく笑う。
オレがこうやって先生とやってこれたのはこの家族のお陰でもある。
両親を亡くして疎遠になると思っていたのに、事あるごとに話しかけてくれて。
サクラが産まれたときも1番に抱かしてくれた。
腕に収まる小さな命を見てオレは気づかずに涙を溢していた。
オレがこの子を守らないといけないと思ったのだ。
「そういえば、サクラは家にいますか?」
****
「なぁ、なぁ、カカシ先生」
「ん?」
次の日、今日はチャクラコントロールの演習で崖登り。
サスケとサクラが登っているのを見守っていると、また隣に立つナルトがベストを引っ張ってくる。
「今日さ、サクラちゃんと一緒に行こうと思って家に行ったんだ。そしたら友達の家に泊まりに行ってるって言われてさー」
「へー」
「で、いのの所かなーって思って、途中でいのに会ったから聞いたけど違ってさ。そしたらいのが・・・」
「いのちゃんが?」
「彼氏じゃないかって!!」
「きゃっ!」
ナルトの叫び声にサクラがビックリして足を滑らす。
すぐに助けに入ろうとするが、自分の力で立て直してたので息を吐く。
サクラがこっちを見下ろしてナルトを睨み、ナルトは手を合わせて謝るとサクラはまた登り始める。
オレは軽くナルトの頭を小突く。
「で、何で彼氏?」
「え?あ、何で?」
「いのちゃん以外の友達ってこともあるだろ?」
「あー、何でだろ?」
ナルトは首を傾げるのを呆れて笑う。
いのちゃんに言われたことを間に受けてよく考えずにいたらしい。
しかし、いのちゃんはサクラに関しては本当に勘がするどいな。
****
「──てことがあったんだよ」
「あー、ナルトが騒いでたのはそういうことだったのね」
サクラはオレの部屋のベッドに寝転がって寛ぎ、オレはベッドを背もたれに床に座る。
「それにしても、いのには言ってないのに。女の勘かしら?」
「サクラに関しては鋭いだろうね。彼女、サクラのこと好きだから」
「ふふ。私もいの好きよ」
サクラは嬉しそうに笑う。
オレはその表情にムッと嫉妬して、ベッドで寝そべるサクラに覆い被さる。
「オレは?」
「え?」
「オレのことは好き?」
目を丸くしていたサクラは小さく笑って両頬に手を伸ばす。
「好きよ?誰よりもね」
そのまま顔を引き寄せて唇を合わせてくる。
サクラにされるがまま唇を堪能して顔を離す。
「先生は?」
「もちろん誰よりも愛してるよ」
微笑むサクラにオレからも最大の愛を込めてキスをする。
最初は親同士が子供が男と女なら結婚させようという口約束だった。
それをサクラが産まれた時に聞かされて、さすがに14歳も歳の離れた子と結婚は出来ないと思っていたけど。
オレの側でどんどん可愛くなっていくサクラをどこかの馬の骨に取られるのが嫌で、担当上忍もナルトとサスケの面倒を見る代わりの交換条件でオレの側に付けた。
それほど彼女が大事だと気づいて。
そしてサクラに告白をして、正式に婚約者になった。
誰も知らない、秘密の関係──。
68/179ページ