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short.1

◯例え弟子でも

オレの大事な教え子達。
ナルト、サスケ。
そして大事で愛おしいサクラ。
14も年が離れていて、上忍であるオレはいつ死ぬかも分からない任務に駆り出され、サクラを不安な気持ちにさせてしまう。
サクラのことを思うなら2人のどっちかに譲って見守るべきなんだろうが。
もうサクラを知った今、もう手放すことは出来ない。






◯構ってほしくて

「サクラぁ〜・・・」

カカシがソファで本を読んでいるサクラの腰に腕を回してくっつく。
そんなカカシを無視して本を読むサクラ。
その間も腰に頭を擦り付けてくるカカシを鬱陶しく思うが、今日中にこの本を読み終わらないといけない。
それに構ったらこの男が図に乗るので無視を徹底してサクラは本に集中した。

それからどれぐらい時間が経っただろう。
気づいたら静かになっていた。
未だに腰にしがみつくカカシを見ると、規則正しく寝息を立てていた。
いつも気を張っているこの男がこんなに気を緩ませるのは私の側だけ。
それが何よりも嬉しくて幸せで。
けど、そのことを伝えたら絶対付け上がるからこれからもこのまま。






◯眠いんだよね

カカシ先生はどこでも寝る。
いつも眠そうにして、木の上やら影でいつも眠っている。

「カカシ先生、起きて!」

足を伸ばして木にもたれかかっている先生に跨って肩を揺さぶる。
閉じていた瞳がゆっくりと開き、灰青が翠緑が合うとにっこりと笑い。
またゆっくりと閉じた。

「起きてったらー!!」






◯吊橋効果

今日もガッツリ綱手様に絞られて、その上簡単なことで失敗してしまって久しぶりにすごい怒られた。
そのことをずっと考えてしまい、トボトボと歩いていると、ボロボロの身なりでカカシ先生が手を上げて歩いてくる。
心配かけまいと無理に笑うも、それもすぐに先生に見破られてしまって。
いい所がある、といきなり担ぎ上げられて屋根の上に飛んだのだ。
悲鳴を上げる私を無視してどんどん高い屋根に登り、里で1番大きい木の天辺に降ろされた。

「ほら、いい景色だろ?」

そう笑いかけてくる先生は不安定な足場で落ちないように腰に腕を回してくる。
こんなに先生と密着したことがないから、景色なんて全然入ってこない。
そんなことを思っていると、頭の上から小さく笑う声が聞こえた。

「サクラの心臓、すごいドキドキしてる」

心臓が鳴るのはどっちのせい?






◯「愛してる」を胸に

カカシ先生は任務に出るといつも手紙を送ってくれる。
いつも最後には「愛してる」の言葉を付けて。
私はその手紙が届くのをいつも楽しみにしていた。
だってそれが届く限り先生は無事だってことだから。

ある日、手紙が届いた。
その手紙が届いてから先生からの手紙が届かなくなり、先生ももう帰ってこない。

もう貴方から「愛してる」が届かない。



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