short.1
よく晴れた日曜日。
そんな日に第七班の4人はある一室にいた。
「じゃあそれぞれの荷物を今日中に片付けるように」
「おっす!」
「はーい!」
黄色とピンク色の子供は元気に返事をし、黒色の少年は黙々と作業を始める。
そして唯一大人の見た目が怪しい男も段ボールを持って自室へと向かう。
ことの発端はこうだった。
九尾のナルトとうちはの生き残りのサスケの監視役として上忍師となったカカシだったが、両親のいない2人の食生活が気になるから暫く面倒を見てやってくれと、三代目火影からの直々の話だった。
サスケはともかく、ナルトの食生活には頭を悩ませていたこともあり、1ヶ月ほど3人で暮らすということになった。
もちろん里の経費で。
仲の悪い2人はもちろん断固拒否したが、火影命令とチームワークのためだと無理やり納得させた。
そう。
最初は3人で暮らすつもりだった。
任務終わり、2人を引き留めて引っ越しの話をしているのをサクラに聞かれ、「ずるい。私も一緒に住む!」と言い出したのだ。
年頃の女の子を屋根の下、男と一緒に住まわせるわけにはいかないと色んな理由でダメだというが頑固なサクラは言うことを聞かず。
それなら親に説得してもらおうとしたが、あの両親だ。
二言で了承し、あれやこれやと気づいたら4人で暮らすことになった。
期間限定だからいいかと諦め、任務が休みの今日、引っ越し費用を抑えるためにそれぞれで荷物を運ぶ。
3つの個室をカカシ、サクラ、ナルトとサスケで分けた。
もちろん男たちから文句は出たが、チームワークを使い大人しくさせる。
サクラは女の子なのでもちろん別室で。
それから日が暮れる頃にはそれぞれ荷物を片付け、今日はカカシの奢りで寿司を頼んだ。
育ち盛りの3人は大皿をペロリと平らげ、カカシの財布は軽くなった。
次の日からは子供たちで家事を回すことにした。
最初は当番制で食事や家事をすることにしていたらしいが、ナルトの食生活の酷さから外され、サクラも料理はからっきしで結局サスケが料理当番になり、2人は他の家事をすることにしたらしい。
そしてサクラにはもう1つ、役割が与えられた。
****
「カカシ先生、起きて」
「ん〜・・・」
朝、サクラはいつまで経っても起きない師に声をかける。
何故サクラが起こしているのかというと、サクラの面倒見の良さと、カカシのお願いから。
やはり男より女の子の方が目覚めがいいからで。
「もう、先生!起きてったら!!」
生返事をするだけで起きる気配のないカカシにサクラは思い切り肩を揺さぶる。
するとカカシの目がだんだんと開き、虚な瞳がサクラを見て。
サクラの腕を引っ張りベッドに引き摺り込む。
「きゃ!ちょ、ちょっと先生!?」
「んー・・・サクラは暖かいねぇ・・・」
カカシはサクラの胸元に頬を擦り寄せる。
「ぎゃーーーー!!」
サクラの叫びにサスケが慌てて部屋に入ると、ベッドの上でカカシに抱きつかれているサクラが目に入る。
サスケは寝ぼけるカカシの頭をお玉で思い切り叩く。
「いい加減起きろ!」
「いたぁ・・・ちょっとサスケ、もう少し優しく起こせないわけ?」
「そうして欲しいならちゃんとしろ」
鼻を鳴らして部屋を出たサスケは自分の部屋に入って「お前もいい加減起きろ!」とまたお玉のいい音とナルトの悲鳴が聞こえた。
上半身を起こして周りを見れば、サクラが胸元を押さえてこちらを睨んでいた。
「どうした?サクラ」
「別に!」
ふん!と怒って部屋を出て行くサクラにカカシはおかしそうに笑う。
****
それからカカシは起こしにくるサクラを寝ぼけて引き摺り込むようになり、怒ったサスケによってサクラは解任され、ナルトが代わりにするようになった。
ナルトになってからカカシが寝ぼけることがなくなり、ナルトとサクラは首を傾げていたがサスケだけがその理由が分かっていた。
ある日の朝。
いつもなら早く起きてくるサクラが起きてこず、カカシを起こしに行かせたナルトからカカシがいないと戻ってくる。
サスケは嫌な予感がしたその時。
「キャーーーー!!」
サクラの悲鳴がまた聞こえてきて、サスケとナルトは急いでサクラの部屋を向い開ける。
そこにはベッドの上で毛布で胸元を押さえるサクラと、その横で気持ちよさそうに寝ているカカシ。
「2人とも・・・」
2人に気づいたサクラがこっちに来ようとした時、サクラの格好に気づいたサスケがナルトの目を叩き、自身も明後日の方向を見る。
突然のサスケの行動にサクラはビックリして止まる。
「ど、どうしたのサスケくん・・・」
「・・・服、ボタン外れてる」
「ボタン?」
サクラは首から下を見て、顔を真っ赤にしてしゃがみ込む。
サクラのパジャマのボタンが全部外れていて、寝る時は下着を付けないので開かれた隙間から白い肌が見えていた。
ちゃんと寝る時には1番上まで締めていたのに。
サクラは好きな人に肌を見られたことにショックを受けていると、ベッドから呑気な声が聞こえてきた。
「ふぁ〜・・・なに、みんなで起こしにきてくれたの・・・?」
カカシが上半身を起こしたとき、サスケに目を塞がれているナルト以外の2人がギョッとする。
「何で裸なんだ」
カカシはサスケの言う通り裸だった。
かろうじてパンツは履いていたが。
父親以外の裸を見たことがないサクラは慌てて顔を背けて目を隠す。
「オレ、寝る時は裸じゃないと寝れないんだよね」
「今まで普通に着てただろうが」
「あれー、そうだっけ?」
「それに何でサクラの部屋で寝ている」
「あー、夜中にトイレで起きた時に間違えたみたい」
あはは、と笑うカカシに怒りを覚えるサスケ。
絶対わざとだ。
「何でちゃんと鍵かけてないんだ!」
「ちゃ、ちゃんとかけてたのよ!」
サクラは泣きそうな顔で怒るサスケに言う。
引っ越してきた日、サクラの部屋にだけ鍵が付けられた。
カカシによって。
「あ〜、任務でピッキングしすぎて癖でもついてんのかねぇ。夢遊病ってのは怖いよねぇ」
全然悪びれもなく言うカカシにサスケの堪忍袋が切れ、サスケが怒鳴り始める。
カカシはというとヘラヘラ笑い、ベッドに横になりだすから更にサスケの怒りを燃え上がらせる。
サスケはエプロンを付け、カカシは裸という異様な光景で。
サクラはサスケの火種が飛んでこないように胸元を隠しながらナルトの元へと逃げる。
今まで目を隠されていたナルトは何故サスケが怒っているのか分からず首を傾げ、ふと、普段より開かれたサクラの首元にあるものに気づく。
「サクラちゃん虫に刺された?赤くなってるってばよ」
「え?」
そんな日に第七班の4人はある一室にいた。
「じゃあそれぞれの荷物を今日中に片付けるように」
「おっす!」
「はーい!」
黄色とピンク色の子供は元気に返事をし、黒色の少年は黙々と作業を始める。
そして唯一大人の見た目が怪しい男も段ボールを持って自室へと向かう。
ことの発端はこうだった。
九尾のナルトとうちはの生き残りのサスケの監視役として上忍師となったカカシだったが、両親のいない2人の食生活が気になるから暫く面倒を見てやってくれと、三代目火影からの直々の話だった。
サスケはともかく、ナルトの食生活には頭を悩ませていたこともあり、1ヶ月ほど3人で暮らすということになった。
もちろん里の経費で。
仲の悪い2人はもちろん断固拒否したが、火影命令とチームワークのためだと無理やり納得させた。
そう。
最初は3人で暮らすつもりだった。
任務終わり、2人を引き留めて引っ越しの話をしているのをサクラに聞かれ、「ずるい。私も一緒に住む!」と言い出したのだ。
年頃の女の子を屋根の下、男と一緒に住まわせるわけにはいかないと色んな理由でダメだというが頑固なサクラは言うことを聞かず。
それなら親に説得してもらおうとしたが、あの両親だ。
二言で了承し、あれやこれやと気づいたら4人で暮らすことになった。
期間限定だからいいかと諦め、任務が休みの今日、引っ越し費用を抑えるためにそれぞれで荷物を運ぶ。
3つの個室をカカシ、サクラ、ナルトとサスケで分けた。
もちろん男たちから文句は出たが、チームワークを使い大人しくさせる。
サクラは女の子なのでもちろん別室で。
それから日が暮れる頃にはそれぞれ荷物を片付け、今日はカカシの奢りで寿司を頼んだ。
育ち盛りの3人は大皿をペロリと平らげ、カカシの財布は軽くなった。
次の日からは子供たちで家事を回すことにした。
最初は当番制で食事や家事をすることにしていたらしいが、ナルトの食生活の酷さから外され、サクラも料理はからっきしで結局サスケが料理当番になり、2人は他の家事をすることにしたらしい。
そしてサクラにはもう1つ、役割が与えられた。
****
「カカシ先生、起きて」
「ん〜・・・」
朝、サクラはいつまで経っても起きない師に声をかける。
何故サクラが起こしているのかというと、サクラの面倒見の良さと、カカシのお願いから。
やはり男より女の子の方が目覚めがいいからで。
「もう、先生!起きてったら!!」
生返事をするだけで起きる気配のないカカシにサクラは思い切り肩を揺さぶる。
するとカカシの目がだんだんと開き、虚な瞳がサクラを見て。
サクラの腕を引っ張りベッドに引き摺り込む。
「きゃ!ちょ、ちょっと先生!?」
「んー・・・サクラは暖かいねぇ・・・」
カカシはサクラの胸元に頬を擦り寄せる。
「ぎゃーーーー!!」
サクラの叫びにサスケが慌てて部屋に入ると、ベッドの上でカカシに抱きつかれているサクラが目に入る。
サスケは寝ぼけるカカシの頭をお玉で思い切り叩く。
「いい加減起きろ!」
「いたぁ・・・ちょっとサスケ、もう少し優しく起こせないわけ?」
「そうして欲しいならちゃんとしろ」
鼻を鳴らして部屋を出たサスケは自分の部屋に入って「お前もいい加減起きろ!」とまたお玉のいい音とナルトの悲鳴が聞こえた。
上半身を起こして周りを見れば、サクラが胸元を押さえてこちらを睨んでいた。
「どうした?サクラ」
「別に!」
ふん!と怒って部屋を出て行くサクラにカカシはおかしそうに笑う。
****
それからカカシは起こしにくるサクラを寝ぼけて引き摺り込むようになり、怒ったサスケによってサクラは解任され、ナルトが代わりにするようになった。
ナルトになってからカカシが寝ぼけることがなくなり、ナルトとサクラは首を傾げていたがサスケだけがその理由が分かっていた。
ある日の朝。
いつもなら早く起きてくるサクラが起きてこず、カカシを起こしに行かせたナルトからカカシがいないと戻ってくる。
サスケは嫌な予感がしたその時。
「キャーーーー!!」
サクラの悲鳴がまた聞こえてきて、サスケとナルトは急いでサクラの部屋を向い開ける。
そこにはベッドの上で毛布で胸元を押さえるサクラと、その横で気持ちよさそうに寝ているカカシ。
「2人とも・・・」
2人に気づいたサクラがこっちに来ようとした時、サクラの格好に気づいたサスケがナルトの目を叩き、自身も明後日の方向を見る。
突然のサスケの行動にサクラはビックリして止まる。
「ど、どうしたのサスケくん・・・」
「・・・服、ボタン外れてる」
「ボタン?」
サクラは首から下を見て、顔を真っ赤にしてしゃがみ込む。
サクラのパジャマのボタンが全部外れていて、寝る時は下着を付けないので開かれた隙間から白い肌が見えていた。
ちゃんと寝る時には1番上まで締めていたのに。
サクラは好きな人に肌を見られたことにショックを受けていると、ベッドから呑気な声が聞こえてきた。
「ふぁ〜・・・なに、みんなで起こしにきてくれたの・・・?」
カカシが上半身を起こしたとき、サスケに目を塞がれているナルト以外の2人がギョッとする。
「何で裸なんだ」
カカシはサスケの言う通り裸だった。
かろうじてパンツは履いていたが。
父親以外の裸を見たことがないサクラは慌てて顔を背けて目を隠す。
「オレ、寝る時は裸じゃないと寝れないんだよね」
「今まで普通に着てただろうが」
「あれー、そうだっけ?」
「それに何でサクラの部屋で寝ている」
「あー、夜中にトイレで起きた時に間違えたみたい」
あはは、と笑うカカシに怒りを覚えるサスケ。
絶対わざとだ。
「何でちゃんと鍵かけてないんだ!」
「ちゃ、ちゃんとかけてたのよ!」
サクラは泣きそうな顔で怒るサスケに言う。
引っ越してきた日、サクラの部屋にだけ鍵が付けられた。
カカシによって。
「あ〜、任務でピッキングしすぎて癖でもついてんのかねぇ。夢遊病ってのは怖いよねぇ」
全然悪びれもなく言うカカシにサスケの堪忍袋が切れ、サスケが怒鳴り始める。
カカシはというとヘラヘラ笑い、ベッドに横になりだすから更にサスケの怒りを燃え上がらせる。
サスケはエプロンを付け、カカシは裸という異様な光景で。
サクラはサスケの火種が飛んでこないように胸元を隠しながらナルトの元へと逃げる。
今まで目を隠されていたナルトは何故サスケが怒っているのか分からず首を傾げ、ふと、普段より開かれたサクラの首元にあるものに気づく。
「サクラちゃん虫に刺された?赤くなってるってばよ」
「え?」
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