short.1
「カカシ先生ってカッコ良いと思わない?」
お昼時の甘栗甘の店内。
珍しく任務が休みだったり早く終わったりで、みんなで集まって女子会を開いた。
各々好きなものを頼み、任務や班員の愚痴を溢している時にテンテンが急にそう言い出したのだ。
私はその人物の名に無意識にピクリと揺れる。
「急にどうしたんですか、テンテンさん」
「この間、前にお世話になった中忍のくノ一に会ったのよ。そこで私の後輩の班の上忍師がカカシ先生って話をしたら盛り上がっちゃってさー」
テンテンさんはあんみつをスプーンでかき混ぜる。
「あんた達の班の先生って人気あるわよね。カカシ先生もだけど、アスマ先生もワイルドだし、紅先生は綺麗で強くてくノ一の憧れだし!うちのガイ先生は話にも上がらなかったわ」
頬杖をついてため息を吐くテンテンさん。
いのは「あのゴリラが・・・?」と首を傾げ、ヒナタは自分の師を褒められて嬉しそうにしている。
「あーん!私も人気のある先生が良かったよー!」
とうとうテンテンさんは机に突っ伏し泣き出す。
私たちは何て言ったらいいのか分からず戸惑っていると、急に顔を上げて。
「で、サクラ。カカシ先生のアレってどうなの?」
「あ、アレ・・・?」
いきなり目を輝かせて顔を近づけるくるので、私は体を後ろに引く。
「アレって言ったら決まってるじゃない。夜のことよ」
口元に手を当ててグフフ、と下品なな笑い方をしてくる。
「あ、私も知りた〜い」と、いのも話にも加わってくる。
ヒナタは顔を真っ赤にしてお茶をずっと飲んでいる。
「こんなとこで話す内容じゃないでしょ!?」
「いいじゃない。この中で恋人がいるのはサクラだけだし、しかもカカシ先生ときた!」
「私たちの後学の為に色々教えなさいよ」
2人はニヤニヤと笑いながら私を見てくる。
この2人に捕まったら逃げれないことを知っている私は諦めてため息を吐く。
「で、カカシ先生って上手いの?」
「そ、そんなの分からないわよ・・・私はカカシ先生が初めてなんだし」
カカシ先生が初めての相手だから他の人と比べることは出来ないけど、たぶん先生は上手い方だ。
毎日毎夜、舌だったり指だったり、先生自身だったりで何回もイカされて、最後は身体中汗だくで、手足をまともに動かすことも出来ない。
先生はいつも平然としているけど。
そのことを思い出して顔が熱くなる。
2人はニヤニヤ見てくるし。
「さすが木ノ葉一の技師と呼ばれた男ね。中忍以上のくノ一のほとんどがカカシ先生としてるって噂よ」
「え!それ本当ですか!」
いのがテンテンさんの方に身を乗り出す。
私はというと、首を垂れて落ち込む。
そりゃ先生と私じゃ年齢差があるんだから、私と付き合う前に色んな女の人とヤッてきてるとは思ってた。
だって先生カッコいいし。
一緒に歩いている時ですら女の人が先生を見て頬を染めてるし。
デートの時の先生の自然なエスコートに恋愛経験の差を思い知らされる。
2人は落ち込む私を見て慌ててフォローを入れる。
「ま、まぁ!噂だから!本当かも分からないし!」
「そうよ!それにその先生がサクラにはベタ惚れなんだから。サクラとカカシ先生と付き合ってるって知ったくノ一が何人嘆いたことか・・・」
男達もだけどね、といのは笑う。
カカシによってどんどん綺麗になっていくサクラを見て指を咥えている男を何人見たことやら。
「私は・・・」
今まで傍観していたヒナタがこっちを見て微笑む。
「サクラさんとカカシ先生、すごくお似合いのカップルだと思う。だから噂なんて気にしなくていいと思うな」
「ヒナタ・・・」
可愛く微笑むヒナタが天使に見えてきて、もうヒナタと付き合いたくなる。
そんなこと、あの嫉妬深いあの男が許すわけないんだけど。
「で、話は戻すんだけど」
私が元に戻って、またテンテンさんが身を乗り出す。
「──カカシ先生のアソコって大きいの?」
「んぐっ!!」
お茶を飲んでいたところ油断してしまい、思わず吹き出してしまいそうになるところを飲みんで器官にお茶が入って咳き込む。
ヒナタが自分のお茶を渡してくれて、それを飲んでやっと落ち着く。
「あ、それ私も気になるのよね。くノ一達を魅力した男のアレが小さいわけないし」
「で?で?どうなわけサクラ!」
「い、言えるわけないでしょー!!」
私は顔を真っ赤にして机を叩きながら立ち上がると。
「んー、確かにここでオレのを話されるのはちょっと恥ずかしいかな」
私の後ろから呑気な声が聞こえてきて、慌てて振り返るとそこには噂のネタにされている恋人が立っていた。
「か、カカシ先生、なんでここに」
「店の前通ったらサクラの声が聞こえてね」
「声って・・・ここ店の奥だし、他にお客さんたくさんいるのに」
「ま、愛のなせる技かな?」
にこり、と笑う先生にテンテンさんといのが「キャー!」と嬉しそうに喜ぶ。
私はというと、その笑顔に冷や汗をかく。
だって笑っていないもの。
「ところで女子会してるところ悪いんだけど、サクラ借りてもいいかな?返すのは明日になるけど」
「へ」
突然の申し出にいの達はポカンとしていると、先生がポケットから財布を取り出し。
「ここはオレの奢りね。お釣りで美味しいもの食べて」
机の上に置かれたお札の束にギョッとする。
お釣りだけでどれだけ食べれると思ってるんだ。
「「ご馳走様でーす!」」
それを見た2人は目を光らせ、にこやかな笑顔で手を振って見送りだした。
私は状況に付いていけないまま先生に手を引っ張られて店を出る。
そのまま手を繋いで先生の後を付いていく。
全然喋らないからチラチラと先生を伺っていると、路地裏に入った辺りでようやく先生の口が開く。
「あの子たち、オレのアレが気になってたみたいだから、平均より大きいのかサクラに確かめて貰おうと思って」
「・・・なにそれ。他の人に抱かれてこいってこと?」
「そんなことオレが許すと思う?」
「・・・だよね」
先生の怒気が伝わってきて身を震わせる。
ならどうやって確認するというのだ、この嫉妬深い男は。
「この間、そういう店を見つけてね。今までオレで気持ち良くなって欲しかったからオモチャなんて使おうと思わなかったけど。どうせならサクラが気になったのを使ってみようよ」
「え?」
先生の言っていることが分からないでいると、先生は徐にとある店の前で止まる。
店を見れば、いかにも怪しい雰囲気の店構え。
先生が構わずドアを開けて、そこから見えたいかがわしい物のディスプレイに、私は足を踏ん張って入るのを拒否する。
先生はこちらを振り返るも、その目は怪しい雰囲気を漂わせていて冷や汗が止まらない。
「せ、せんせ」
「なに?」
「こういうのは、嫌」
「でもこれ以外に確かめる方法ないし。大丈夫。ちゃんと気持ちよくしてあげるから」
にこり、と笑いかける顔は先程と一緒で。
背筋がゾクリとする。
「やだ!!」
私は先生の手を振り払い、屋根の上に飛んで先生から逃げる。
が、中忍のひよっこが十数年上忍をしている男に勝てるはずもなくすぐに捕まり担がれる。
「やれやれ、サクラは我儘だな。またテンテン達に聞かれたら困るでしょ。大丈夫、たぶんMサイズはオレのより簡単に入るから。ついでに色々買って試そうか」
「やだ、やだやだやだ!!」
なんとか逃れようと手足をバタつかせるも意味がない。
先生は鼻歌を歌いながら楽しそうにあのお店のドアを開ける。
「やだーーーー!!」
私の悲鳴は虚しくも閉まるドアで消えたのだった。
お昼時の甘栗甘の店内。
珍しく任務が休みだったり早く終わったりで、みんなで集まって女子会を開いた。
各々好きなものを頼み、任務や班員の愚痴を溢している時にテンテンが急にそう言い出したのだ。
私はその人物の名に無意識にピクリと揺れる。
「急にどうしたんですか、テンテンさん」
「この間、前にお世話になった中忍のくノ一に会ったのよ。そこで私の後輩の班の上忍師がカカシ先生って話をしたら盛り上がっちゃってさー」
テンテンさんはあんみつをスプーンでかき混ぜる。
「あんた達の班の先生って人気あるわよね。カカシ先生もだけど、アスマ先生もワイルドだし、紅先生は綺麗で強くてくノ一の憧れだし!うちのガイ先生は話にも上がらなかったわ」
頬杖をついてため息を吐くテンテンさん。
いのは「あのゴリラが・・・?」と首を傾げ、ヒナタは自分の師を褒められて嬉しそうにしている。
「あーん!私も人気のある先生が良かったよー!」
とうとうテンテンさんは机に突っ伏し泣き出す。
私たちは何て言ったらいいのか分からず戸惑っていると、急に顔を上げて。
「で、サクラ。カカシ先生のアレってどうなの?」
「あ、アレ・・・?」
いきなり目を輝かせて顔を近づけるくるので、私は体を後ろに引く。
「アレって言ったら決まってるじゃない。夜のことよ」
口元に手を当ててグフフ、と下品なな笑い方をしてくる。
「あ、私も知りた〜い」と、いのも話にも加わってくる。
ヒナタは顔を真っ赤にしてお茶をずっと飲んでいる。
「こんなとこで話す内容じゃないでしょ!?」
「いいじゃない。この中で恋人がいるのはサクラだけだし、しかもカカシ先生ときた!」
「私たちの後学の為に色々教えなさいよ」
2人はニヤニヤと笑いながら私を見てくる。
この2人に捕まったら逃げれないことを知っている私は諦めてため息を吐く。
「で、カカシ先生って上手いの?」
「そ、そんなの分からないわよ・・・私はカカシ先生が初めてなんだし」
カカシ先生が初めての相手だから他の人と比べることは出来ないけど、たぶん先生は上手い方だ。
毎日毎夜、舌だったり指だったり、先生自身だったりで何回もイカされて、最後は身体中汗だくで、手足をまともに動かすことも出来ない。
先生はいつも平然としているけど。
そのことを思い出して顔が熱くなる。
2人はニヤニヤ見てくるし。
「さすが木ノ葉一の技師と呼ばれた男ね。中忍以上のくノ一のほとんどがカカシ先生としてるって噂よ」
「え!それ本当ですか!」
いのがテンテンさんの方に身を乗り出す。
私はというと、首を垂れて落ち込む。
そりゃ先生と私じゃ年齢差があるんだから、私と付き合う前に色んな女の人とヤッてきてるとは思ってた。
だって先生カッコいいし。
一緒に歩いている時ですら女の人が先生を見て頬を染めてるし。
デートの時の先生の自然なエスコートに恋愛経験の差を思い知らされる。
2人は落ち込む私を見て慌ててフォローを入れる。
「ま、まぁ!噂だから!本当かも分からないし!」
「そうよ!それにその先生がサクラにはベタ惚れなんだから。サクラとカカシ先生と付き合ってるって知ったくノ一が何人嘆いたことか・・・」
男達もだけどね、といのは笑う。
カカシによってどんどん綺麗になっていくサクラを見て指を咥えている男を何人見たことやら。
「私は・・・」
今まで傍観していたヒナタがこっちを見て微笑む。
「サクラさんとカカシ先生、すごくお似合いのカップルだと思う。だから噂なんて気にしなくていいと思うな」
「ヒナタ・・・」
可愛く微笑むヒナタが天使に見えてきて、もうヒナタと付き合いたくなる。
そんなこと、あの嫉妬深いあの男が許すわけないんだけど。
「で、話は戻すんだけど」
私が元に戻って、またテンテンさんが身を乗り出す。
「──カカシ先生のアソコって大きいの?」
「んぐっ!!」
お茶を飲んでいたところ油断してしまい、思わず吹き出してしまいそうになるところを飲みんで器官にお茶が入って咳き込む。
ヒナタが自分のお茶を渡してくれて、それを飲んでやっと落ち着く。
「あ、それ私も気になるのよね。くノ一達を魅力した男のアレが小さいわけないし」
「で?で?どうなわけサクラ!」
「い、言えるわけないでしょー!!」
私は顔を真っ赤にして机を叩きながら立ち上がると。
「んー、確かにここでオレのを話されるのはちょっと恥ずかしいかな」
私の後ろから呑気な声が聞こえてきて、慌てて振り返るとそこには噂のネタにされている恋人が立っていた。
「か、カカシ先生、なんでここに」
「店の前通ったらサクラの声が聞こえてね」
「声って・・・ここ店の奥だし、他にお客さんたくさんいるのに」
「ま、愛のなせる技かな?」
にこり、と笑う先生にテンテンさんといのが「キャー!」と嬉しそうに喜ぶ。
私はというと、その笑顔に冷や汗をかく。
だって笑っていないもの。
「ところで女子会してるところ悪いんだけど、サクラ借りてもいいかな?返すのは明日になるけど」
「へ」
突然の申し出にいの達はポカンとしていると、先生がポケットから財布を取り出し。
「ここはオレの奢りね。お釣りで美味しいもの食べて」
机の上に置かれたお札の束にギョッとする。
お釣りだけでどれだけ食べれると思ってるんだ。
「「ご馳走様でーす!」」
それを見た2人は目を光らせ、にこやかな笑顔で手を振って見送りだした。
私は状況に付いていけないまま先生に手を引っ張られて店を出る。
そのまま手を繋いで先生の後を付いていく。
全然喋らないからチラチラと先生を伺っていると、路地裏に入った辺りでようやく先生の口が開く。
「あの子たち、オレのアレが気になってたみたいだから、平均より大きいのかサクラに確かめて貰おうと思って」
「・・・なにそれ。他の人に抱かれてこいってこと?」
「そんなことオレが許すと思う?」
「・・・だよね」
先生の怒気が伝わってきて身を震わせる。
ならどうやって確認するというのだ、この嫉妬深い男は。
「この間、そういう店を見つけてね。今までオレで気持ち良くなって欲しかったからオモチャなんて使おうと思わなかったけど。どうせならサクラが気になったのを使ってみようよ」
「え?」
先生の言っていることが分からないでいると、先生は徐にとある店の前で止まる。
店を見れば、いかにも怪しい雰囲気の店構え。
先生が構わずドアを開けて、そこから見えたいかがわしい物のディスプレイに、私は足を踏ん張って入るのを拒否する。
先生はこちらを振り返るも、その目は怪しい雰囲気を漂わせていて冷や汗が止まらない。
「せ、せんせ」
「なに?」
「こういうのは、嫌」
「でもこれ以外に確かめる方法ないし。大丈夫。ちゃんと気持ちよくしてあげるから」
にこり、と笑いかける顔は先程と一緒で。
背筋がゾクリとする。
「やだ!!」
私は先生の手を振り払い、屋根の上に飛んで先生から逃げる。
が、中忍のひよっこが十数年上忍をしている男に勝てるはずもなくすぐに捕まり担がれる。
「やれやれ、サクラは我儘だな。またテンテン達に聞かれたら困るでしょ。大丈夫、たぶんMサイズはオレのより簡単に入るから。ついでに色々買って試そうか」
「やだ、やだやだやだ!!」
なんとか逃れようと手足をバタつかせるも意味がない。
先生は鼻歌を歌いながら楽しそうにあのお店のドアを開ける。
「やだーーーー!!」
私の悲鳴は虚しくも閉まるドアで消えたのだった。
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