このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

short.1

「カカシ先生」
「ん?」

カカシ先生と付き合うようになって1年。
そろそろ一緒に暮らさない?、という唐突な提案から暮らすことになり。
それから先に帰った方がご飯を作って一緒に食べて一緒に寝て。
そんな幸せな日々を過ごしていた時。
一緒にご飯を食べて先生に先にお風呂に入ってもらって、私も入って部屋に戻ってきたら先生がいなくて。
探していると、ベランダに通じる窓のカーテンが風ではためいていた。
カーテンをめくると、ベランダで酒を片手に空を見ている先生がいた。

「何してるの?」
「ほら、月が」
「わ!満月じゃない!」

私もサンダルを履いて先生の隣に立って空を見上げる。

「てことで月見酒。サクラもどう?」
「じゃあ貰おうかな」

先生は空のおちょこを渡してきて注いでくれる。

「それじゃあ、月とサクラに乾杯」
「何それ」

おかしくて笑いながらおちょこを鳴らす。

「月見ながらお酒飲むのってなんか大人って感じがするわ」
「もう大人でしょ?」
「そうなんだけど。先生といると子供に戻っちゃうのよ」

私は先生の肩にこつんと頭を乗せる。

「甘えたくなっちゃった?」
「うん」

顔を上げると、先生の顔が近づいてきて目を閉じる。
そっと、軽く唇が合わさって離れる。
そしていきなり持ち上げられた。

「わっ」
「なら、とことん甘やかしてやろう」

下から覗き込む先生の瞳は熱を持っていた。
お酒を飲んだからだけじゃないだろう。
それは私も・・・。


先生に持ち上げられたまま部屋に戻り、ベッドに寝かされたときにカーテンの隙間から見えた大きな月。

「カカシ先生・・・」
「・・・ん?」

胸元で動いていた頭がこちらを向く。

「月が・・・綺麗ね」

微笑むと先生は目を丸くして小さく笑う。

「サクラらしいな」

そう呟いて先生は優しく唇を塞いだ。


78/179ページ