short.1
「あ、夏祭り」
隣を歩いていたサクラが手を離して壁に貼ってある貼り紙に近寄る。
それを後ろから覗くと、今度の日曜日に木ノ葉神社で開催されるものだった。
「もうそんな時期なのね・・・去年はいのたちと行ったんだったわ」
サクラはそう言うとチラッとこちらを見てくるので頭を掻く。
去年は一緒に行こうと約束をしていたが、急に指名の任務が入ってしまいドタキャンしたことをサクラはまだ根に持っている。
「今年こそは一緒に行こう、な?」
「そう言ってまた任務が入るんじゃないの」
サクラは頬を膨らませて睨んでくる。
こればかりはオレが決めることじゃないからどうしようもないのだが、またドタキャンなどしたら別れ話になるかもしれない。
そうなったら里の男どもがこぞってサクラを口説きにかかるだろう。
それは絶対阻止せねばならない。
「火影様に言っとくから。もし任務入っても他の人に回してもらうし」
アスマとかガイとかに。
だが難しいときは本当に難しい。
サクラも綱手様の元で働いているため、上忍の人手不足は嫌ってほど知っている。
「分かったわ」
自分の我儘で里に迷惑をかけたくないのか、サクラは諦めた顔で微笑む。
その顔を見て胸が締め付けられる。
サクラぐらいの年頃の女の子なら、好きな人とイベントごとには絶対一緒に行きたいと思うだろう。
なのに一回り以上も離れていて階級も違う。
それに上忍はいつも危険が伴う任務ばかりだ。
任務に出る時、サクラはいつも泣きそうな顔をして見送ってくれる。
サクラを想うなら手放した方がいいのだろうが。
そんなことは絶対無理だ。
「この日、浴衣着てきてくれるだろ?」
少しでもサクラが笑ってくれるように話題を変えるが、何故かまた暗い顔をするサクラ。
「この日はお母さんが里の外のおばあちゃん家に行くらしくて。私1人じゃ浴衣着れないのよ」
「ならオレが着せてあげるよ」
「え?」
サクラは驚いた顔をして見上げてくるので、オレはにっこり笑う。
「浴衣持ってオレの部屋おいで」
****
夏祭り当日。
なんとか休みを勝ち取ることができた。
サクラが浴衣を持って部屋を訪れ、ソファーをどかして着付け始める。
「まさか先生が浴衣着付けれるとは思わなかったわ」
「そう?」
裾の丈を揃えてサクラの腰に腕を回して腰紐を結ぶ。
何も見ずに着々と着付けるものだから、サクラの女の感が働いたらしい。
「・・・他の人に着付けたことがあるのね」
ピタ
一瞬止まったのをサクラは見逃さなかった。
「やっぱり。元カノ?それともオトモダチかしら。それも1人じゃないわよね?まぁ、別にどうでもいいけど!」
「・・・サクラぁ」
頭の上でサクラのご機嫌斜めの雰囲気を感じて顔を上げると、頬を膨らましてそっぽを向いている。
せっかくのお祭りなのに帰るなんて言われては大変だ。
オレの妄想を実現させるにはサクラの機嫌を直さなくていけない。
「違うって。オレが着付け出来るってどこから聞きつけたのか紅とアンコに無理やりさせられたんだよ。オレが着付けたいって思ったのはサクラが初めて」
「・・・本当かしら」
まだサクラはむくれているが、先ほどより機嫌は良くなったのを感じる。
オレはサクラの機嫌を直しながら着付けていき、帯をキュッと締める。
「本当。ほら、出来たよ」
後ろからサクラの肩を叩く。
赤地に白の桜模様が描かれ、白の帯と大人っぽい格好に仕上がった。
サクラはクローゼットに備え付けられている姿見まで歩き、前と後ろを確認する。
「どう?今年は先生もお祭り行けるって言うから新調したの」
「うん、すごく可愛い。サクラは赤と桜が似合うね」
微笑むと、サクラは嬉しそうに笑う。
「じゃあお祭り行きましょう。早く行かないといい所で花火見れなくなっちゃう」
サクラはオレの腕を引っ張って玄関に向かおうとするが、オレは逆に引っ張る。
「え?」
サクラを後ろ向きにベッドに倒す。
「え、え?」
未だに状況が分かっていないサクラに覆い被さり、にっこりと笑いかけて顔を近づけた。
****
祭りのフィナーレを飾る盛大な花火の音が開かれた窓の外から聞こえてくる。
「──信じられない」
サクラは遠くから聞こえてくる歓声にシーツを震える手で握りしめる。
オレは上半身裸でベッドに腰掛け、ベッドに俯す裸のサクラの頭を撫でる。
「ごめーんね?去年出来なかった浴衣のサクラとえっちが出来ると思ったら歯止めが効かなくて」
スッキリした顔で笑いながら謝ると、サクラはキッと睨んでくる。
あれから本当に歯止めが効かず、何回したのかも分からないほどサクラを抱いた。
その証拠に床にはゴムの残骸が散らかっている。
その結果、サクラは腰が立たなくなった。
オレは水が入ったコップをサクラに差し出す。
何時間も喘いだサクラは一気に飲み干す。
コップをオレに返してまたベッドに俯すサクラの背中に何回もキスをする。
「来年こそは一緒に行こうね」
「絶対先生とは行かない・・・」
隣を歩いていたサクラが手を離して壁に貼ってある貼り紙に近寄る。
それを後ろから覗くと、今度の日曜日に木ノ葉神社で開催されるものだった。
「もうそんな時期なのね・・・去年はいのたちと行ったんだったわ」
サクラはそう言うとチラッとこちらを見てくるので頭を掻く。
去年は一緒に行こうと約束をしていたが、急に指名の任務が入ってしまいドタキャンしたことをサクラはまだ根に持っている。
「今年こそは一緒に行こう、な?」
「そう言ってまた任務が入るんじゃないの」
サクラは頬を膨らませて睨んでくる。
こればかりはオレが決めることじゃないからどうしようもないのだが、またドタキャンなどしたら別れ話になるかもしれない。
そうなったら里の男どもがこぞってサクラを口説きにかかるだろう。
それは絶対阻止せねばならない。
「火影様に言っとくから。もし任務入っても他の人に回してもらうし」
アスマとかガイとかに。
だが難しいときは本当に難しい。
サクラも綱手様の元で働いているため、上忍の人手不足は嫌ってほど知っている。
「分かったわ」
自分の我儘で里に迷惑をかけたくないのか、サクラは諦めた顔で微笑む。
その顔を見て胸が締め付けられる。
サクラぐらいの年頃の女の子なら、好きな人とイベントごとには絶対一緒に行きたいと思うだろう。
なのに一回り以上も離れていて階級も違う。
それに上忍はいつも危険が伴う任務ばかりだ。
任務に出る時、サクラはいつも泣きそうな顔をして見送ってくれる。
サクラを想うなら手放した方がいいのだろうが。
そんなことは絶対無理だ。
「この日、浴衣着てきてくれるだろ?」
少しでもサクラが笑ってくれるように話題を変えるが、何故かまた暗い顔をするサクラ。
「この日はお母さんが里の外のおばあちゃん家に行くらしくて。私1人じゃ浴衣着れないのよ」
「ならオレが着せてあげるよ」
「え?」
サクラは驚いた顔をして見上げてくるので、オレはにっこり笑う。
「浴衣持ってオレの部屋おいで」
****
夏祭り当日。
なんとか休みを勝ち取ることができた。
サクラが浴衣を持って部屋を訪れ、ソファーをどかして着付け始める。
「まさか先生が浴衣着付けれるとは思わなかったわ」
「そう?」
裾の丈を揃えてサクラの腰に腕を回して腰紐を結ぶ。
何も見ずに着々と着付けるものだから、サクラの女の感が働いたらしい。
「・・・他の人に着付けたことがあるのね」
ピタ
一瞬止まったのをサクラは見逃さなかった。
「やっぱり。元カノ?それともオトモダチかしら。それも1人じゃないわよね?まぁ、別にどうでもいいけど!」
「・・・サクラぁ」
頭の上でサクラのご機嫌斜めの雰囲気を感じて顔を上げると、頬を膨らましてそっぽを向いている。
せっかくのお祭りなのに帰るなんて言われては大変だ。
オレの妄想を実現させるにはサクラの機嫌を直さなくていけない。
「違うって。オレが着付け出来るってどこから聞きつけたのか紅とアンコに無理やりさせられたんだよ。オレが着付けたいって思ったのはサクラが初めて」
「・・・本当かしら」
まだサクラはむくれているが、先ほどより機嫌は良くなったのを感じる。
オレはサクラの機嫌を直しながら着付けていき、帯をキュッと締める。
「本当。ほら、出来たよ」
後ろからサクラの肩を叩く。
赤地に白の桜模様が描かれ、白の帯と大人っぽい格好に仕上がった。
サクラはクローゼットに備え付けられている姿見まで歩き、前と後ろを確認する。
「どう?今年は先生もお祭り行けるって言うから新調したの」
「うん、すごく可愛い。サクラは赤と桜が似合うね」
微笑むと、サクラは嬉しそうに笑う。
「じゃあお祭り行きましょう。早く行かないといい所で花火見れなくなっちゃう」
サクラはオレの腕を引っ張って玄関に向かおうとするが、オレは逆に引っ張る。
「え?」
サクラを後ろ向きにベッドに倒す。
「え、え?」
未だに状況が分かっていないサクラに覆い被さり、にっこりと笑いかけて顔を近づけた。
****
祭りのフィナーレを飾る盛大な花火の音が開かれた窓の外から聞こえてくる。
「──信じられない」
サクラは遠くから聞こえてくる歓声にシーツを震える手で握りしめる。
オレは上半身裸でベッドに腰掛け、ベッドに俯す裸のサクラの頭を撫でる。
「ごめーんね?去年出来なかった浴衣のサクラとえっちが出来ると思ったら歯止めが効かなくて」
スッキリした顔で笑いながら謝ると、サクラはキッと睨んでくる。
あれから本当に歯止めが効かず、何回したのかも分からないほどサクラを抱いた。
その証拠に床にはゴムの残骸が散らかっている。
その結果、サクラは腰が立たなくなった。
オレは水が入ったコップをサクラに差し出す。
何時間も喘いだサクラは一気に飲み干す。
コップをオレに返してまたベッドに俯すサクラの背中に何回もキスをする。
「来年こそは一緒に行こうね」
「絶対先生とは行かない・・・」
88/179ページ