このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

劇場版NARUTO アニマル編

入院生活も5日目になり、体は少しずつ動かせるようにはなったがまだ本調子とはいかずやる事もない。

つまりヒマだ。

サクラたちも見舞いには来たが1日目だけだった。


海と病院が近いこともあり、時折はしゃぐ声が聞こえてきて辛くなる。
なんで俺はもっと水着を置いていくことを強要しなかったんだろうかと。


今はみんなが寝静まった夜。
俺のため息だけが聞こえる。
現実逃避なのか昼夜が逆転して昼間にグッスリ寝てしまい、まったく眠くない。
持ってきたイチャイチャパラダイスもこの入院中に何回も読んで飽きてきた。

ボーとしていると、窓の外の木々が揺れる音がした。
国王争いが終結して平和になったとはいえ油断は出来ないと意識を集中すると、見知った気配を感じ気が緩む。



「先生!」

夜でも分かる薄紅色の髪の少女がヒョコっと窓から顔を出した。


「サクラ・・・そんなところで何やってるの」
「だってお見舞い時間過ぎてて病院に入れなかったんだもん」

今は夜中の1時。消灯時間も過ぎてる。
病院に忍び込めなかったから木をつたってこの病室に来たらしい。


「先生、入っていい?」
「いいよ」

そう言うとサクラは窓枠を乗り越えて部屋に入ってくる。
その姿は忍服ではなく、ジャンバーのチャックを上まで上げ、下は何も穿いていないように見えた。

「・・・なにその格好。そんな格好で宿屋から来たの?」
「違います!そこの海の更衣室で着替えたのよ」

俺の言葉に頬を染めて睨んでくる。
確かにサクラは手提げを持っている。
その中に着てきた服を入れているのだろう。
そんな格好で夜とはいえ街中を歩いてきたのかとヒヤヒヤした。


「なんで着替えたの?」
「先生に見せようと思って」

そう言ってサクラはジャンバーのチャックを下げた。
その下に現れたのは、赤いビキニ。

「見て!可愛いでしょ!」

サクラはジャンバーを脱ぎ捨てて両腕を広げる。
彼女の白い肌に映える赤はとても魅力的だった。

「・・・うん」

それはここ数日俺を悩ませている物で、曖昧に返事をする俺にサクラは頬を膨らませる。

「なによ」
「・・・別に」

サクラの視線に耐えられなくて顔を逸らす。
そんな俺を見てサクラのテンションが下がったのが分かった。


「・・・せっかくカカシ先生に見せるために買ったのに」
「・・・・・・俺のため?」

サクラの呟きに顔を戻すと、サクラは顔を俯かせていた。

「・・・彼氏に水着を見せたいって思うのはおかしい?」

そう言って顔を上げ赤くして睨んでくるサクラに、俺も顔が赤くなった。

いつも俺が好きアピールをするばかりで、サクラはあまりそういうのをするタイプじゃなかった。
逆にいつも冷たくあしらってくる。
俺ばかりって思ってたが、ちゃんとサクラも俺が好きだったんだって実感できてすごい嬉しい。

マスクをつけていて良かった。
電気も消えているお陰で、顔の赤みと緩みはあまり分からないだろう。
俺は膨れっ面のサクラを手招きする。
サクラはその顔のままベッドに上がり、俺の膝の上に座ってくる。


「ごめん・・・ヤキモチ焼いてた。ナルトとリーくんにサクラの水着を見られるのが嫌だった」
「・・・そんなことだと思ったわよ」

膝に乗ったサクラの広いおでこに自分のを合わせて気持ちを伝えると、サクラは呆れたように笑ってきた。
こうしてるとお互いの気持ちが分かるようで居心地がいい。

「サクラ・・・水着、似合ってる」
「当たり前!」

サクラの言葉に二人で吹き出す。
そしてマスクを下げて、サクラの愛らしい唇に自分のを合わせる。

暫くサクラの唇を堪能して離すとサクラは女の顔をしていて、危うく押し倒すところだった。
体が不調で助かった。


「サクラ、もう遅いから泊まっていきな」
「いいの?」
「もちろん。とゆうか、元々そのつもりだったんじゃないの?」

俺がそう言うとサクラはニシシと笑ってジャンバーを着てベッドの中に潜り込んでくる。
そして俺はサクラを抱きしめる。



「・・・本当はね」

昼間は海ではしゃぎ、夜遅くまで起きてるせいかサクラはウトウトし始めた。

「もっと・・・早く先生のところに来るつもりだったんだけど・・・ナルトとリーさんにトランプに付き合わされて・・・」

それでなかなか抜け出せずにいたらこんな時間になったらしい。
今頃2人とも爆睡しているだろう。

「そっか」

疲れてるだろうにそれでも会いにきてくれたサクラが愛おしい。



「ねぇ、サクラ」
「ん・・・?」

サクラは普段の俺のような半分閉じた目で見上げてくる。

「今度、2人で海にいこう。ちゃんと水着着て」

俺がそう言うと、花が咲いたように笑う。

「うん・・・楽しみにしてる」

そういうとサクラは目を閉じて夢の世界へと落ちていった。
俺は微笑んでサクラの額にキスを落とす。

寝てるサクラを見ていると眠気に襲われる。
今日は朝日とともに、腕の中で眠る愛しい人とともに起きれそうだ。

2/2ページ