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「暑い・・・」
「暑い・・・」

ジリジリと日陰のないところで太陽を浴びて汗が全身から溢れ出す。
今日は民家の草むしり。
すっかり伸びきった草を3人で手分けして汗をかきながら夕方には抜き取ることが出来た。
カカシ先生が完了報告をしている間、少し離れたところで3人は疲弊した顔で待っている。
この間まで夕方は涼しかったのに、ムシムシとして気持ちが悪い。
私とナルトが文句をブツブツ言い、サスケくんは何も言わなかったが明らかに機嫌が悪そうに腕で額を拭う。
かっこいいと思ってしまうのは惚れた弱みだろう。

「よー、お待たせー」

カカシ先生が報告を済ませて戻ってくると、その手にはさっきまで持ってなかった紙がある。

「何それ?」
「お前たちが綺麗に掃除してくれたからって、依頼人がこの近くにあるかき氷屋の無料券をくれた」
「「かき氷!?」」

私とナルトが目を輝かせると、先生はにこりと笑って。

「こんな炎天下で頑張ったご褒美だ。かき氷食いに行くぞ」



****



さっきまで暑かったのが嘘のように私たちは走ってお店に向い、各々好きな味のかき氷を頼んだ。
私はいちご、ナルトはブルーハワイ、サスケくんは宇治金時。
お互いの舌の色に笑い合っていると、向かいに座るカカシ先生は何も頼んでいないことに気づいた。

「先生は食べないの?」
「ん?オレはいいよ。券は3枚しかないしね」

気にしないで食べなさい、と言ってはくれるが、目の前で食べるのは気が引けるのでかき氷をすくって先生に差し出す。

「はい」
「いいって。サクラ食べなさい」
「いいから!はい、あーん!」

私の気迫に先生は眉を下げて、チラッとナルトとサスケくんを見る。
2人はどちらが先にかき氷を食べ終えるか競争をしてて、お互い頭がキーンとなったのか叩いていた。
先生は諦めてマスクを下げる。
その時、これが初めて見る先生の素顔だと気づいた。
整った鼻、薄い唇、その横にあるホクロ。
それに見惚れていると先生はスプーンを咥えてる。

「美味いな」
「え!?あ、でしょ!」
「うん。もう一口ちょうだい」

先生はまた口を開けて待っている。
私は慌ててかき氷をすくって口に運ぶ。

「ん、ありがとう」
「うん・・・」

先生は笑ってマスクを戻す。
私は気恥ずかしくて先生の顔が見れず、かき氷を自分の口に運ぶと。

「あ、間接キス」
「は!?」

先生はニヤニヤしながら指差してくるので、変な声が出てしまった。
近くにいた店員が一部始終見ていたようで。

「仲がよろしいですね」
「やっぱりそう見えますか?」
「ち、違います!先生、変なこと言わないでよ!」

明らかに2人して私を弄って笑ってくるので、赤い顔を冷ますために急いでかき氷を食べると頭がキーンとした。
ポカポカ頭を叩いていると、先生は温かいお茶を渡してくる。

「ほら、急いで食べるから」

先生はナルトとサスケくんにもお茶を渡して、小さく笑ってくる。
先生のせいなのに、と口を尖らせる。

私たちはお茶を飲んで、ほっと息を吐いた。


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