short.1
「本当失礼しちゃう!!」
サクラはオレの部屋に突然やって来たと思ったらこの有様。
来た時点で酔っ払っていたが、勝手に冷蔵庫からオレの酒を取り出して愚痴を喋り出す。
「想像と違ったってなによ!か弱い子かと思った、白衣の天使じゃなくて悪魔だよって!勝手に想像して理想押し付けてくるんじゃないわよー!!」
サクラは缶を机に叩きつける。
その時に酒が机に飛んだので黙って拭く。
すっかり悪酔いしてるな。
「何したの」
「・・・2人で歩いてたら、女の子がナンパされて困ってたの。それでナンパ男の顔を叩いて・・・それでも引かなかったら、こう、地面を・・・」
地面を割ったと。
少しだけよ?、と指をモジモジしているサクラを呆れたように笑う。
「サクラは男を見る目がないね。これで何人目?」
「もう数えてないわよ・・・」
これが初めてではない。
見た目に騙されて近寄り、綱手の弟子と知らずその怪力を目の当たりにして振る。
そして振られるたびにオレの部屋にきて飲んで酔い潰れて人のベッドで朝まで爆睡。
それの繰り返し。
「もうサスケ待ったら?」
机に俯すサクラにそう言うと、その身体がピクリと揺れて拳を机にドンっと叩き込む。
「あの人はもう良いのよ。またな、とか言いながら連れていこうともしないし!そんな人を待ってたらおばあちゃんになっちゃうわよ!」
サクラの怒りが男からサスケに移る。
サスケは時々報告で里に帰ってくる。
そしてまた1人旅に出るのだ。
それの繰り返しでサクラも待つのに疲れたらしい。
「サクラ何歳になったんだっけ?」
「22ですけど!?」
「もうそんなんかー。あれ、てことは、オレたちもう10年経った?」
「そうですよ。先生はおじさんだから時間の流れが早く感じるんだろうけど」
「言うねぇ」
サクラが22でオレは36。
サクラの言う通りすっかりおじさんになって下腹も気になるお年頃になってしまった。
「あーあ。私結婚できる気がしないわ」
「そんなことないでしょ」
「あるわよ。私のこと分かってくれる人なんて・・・」
サクラは頬杖をついて残り少ない缶の中身を揺らす。
サクラは性格は強気だが面倒見もよく、人当たりのいい彼女を好む男は結構いる。
なのに少し理想と違うからと離れていく男ばかりを引き寄せるのは何なんだろうか。
「ほんと、サクラは男を見る目がないよね」
「2回も言わなくても分かって──」
ムッとしたサクラが缶からオレを見た瞬間に唇を奪う。
「こんなにお前を想ってる男が側にいることに全く気づかないんだから」
突然のキスに目をパチクリさせているサクラに苦笑する。
ただの先生と思っていたようだが。
オレだって男で、好きな女の子が目の前にいたら喰いたくなるんだよ。
ようやく状況を理解出来たのか、サクラの頬が真っ赤に染まり出す。
オレはそんなサクラににこり、と笑いかける。
「今日も泊まってくだろ?」
無防備に飛んできた蝶を逃すつもりはない。
サクラはオレの部屋に突然やって来たと思ったらこの有様。
来た時点で酔っ払っていたが、勝手に冷蔵庫からオレの酒を取り出して愚痴を喋り出す。
「想像と違ったってなによ!か弱い子かと思った、白衣の天使じゃなくて悪魔だよって!勝手に想像して理想押し付けてくるんじゃないわよー!!」
サクラは缶を机に叩きつける。
その時に酒が机に飛んだので黙って拭く。
すっかり悪酔いしてるな。
「何したの」
「・・・2人で歩いてたら、女の子がナンパされて困ってたの。それでナンパ男の顔を叩いて・・・それでも引かなかったら、こう、地面を・・・」
地面を割ったと。
少しだけよ?、と指をモジモジしているサクラを呆れたように笑う。
「サクラは男を見る目がないね。これで何人目?」
「もう数えてないわよ・・・」
これが初めてではない。
見た目に騙されて近寄り、綱手の弟子と知らずその怪力を目の当たりにして振る。
そして振られるたびにオレの部屋にきて飲んで酔い潰れて人のベッドで朝まで爆睡。
それの繰り返し。
「もうサスケ待ったら?」
机に俯すサクラにそう言うと、その身体がピクリと揺れて拳を机にドンっと叩き込む。
「あの人はもう良いのよ。またな、とか言いながら連れていこうともしないし!そんな人を待ってたらおばあちゃんになっちゃうわよ!」
サクラの怒りが男からサスケに移る。
サスケは時々報告で里に帰ってくる。
そしてまた1人旅に出るのだ。
それの繰り返しでサクラも待つのに疲れたらしい。
「サクラ何歳になったんだっけ?」
「22ですけど!?」
「もうそんなんかー。あれ、てことは、オレたちもう10年経った?」
「そうですよ。先生はおじさんだから時間の流れが早く感じるんだろうけど」
「言うねぇ」
サクラが22でオレは36。
サクラの言う通りすっかりおじさんになって下腹も気になるお年頃になってしまった。
「あーあ。私結婚できる気がしないわ」
「そんなことないでしょ」
「あるわよ。私のこと分かってくれる人なんて・・・」
サクラは頬杖をついて残り少ない缶の中身を揺らす。
サクラは性格は強気だが面倒見もよく、人当たりのいい彼女を好む男は結構いる。
なのに少し理想と違うからと離れていく男ばかりを引き寄せるのは何なんだろうか。
「ほんと、サクラは男を見る目がないよね」
「2回も言わなくても分かって──」
ムッとしたサクラが缶からオレを見た瞬間に唇を奪う。
「こんなにお前を想ってる男が側にいることに全く気づかないんだから」
突然のキスに目をパチクリさせているサクラに苦笑する。
ただの先生と思っていたようだが。
オレだって男で、好きな女の子が目の前にいたら喰いたくなるんだよ。
ようやく状況を理解出来たのか、サクラの頬が真っ赤に染まり出す。
オレはそんなサクラににこり、と笑いかける。
「今日も泊まってくだろ?」
無防備に飛んできた蝶を逃すつもりはない。
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