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「サークラ」
「もう、カカシ先生!離れてよ!」

ヤマト隊長率いる第七班で任務に向かう為、橋の上で待ち合わせをしていたらヤマト隊長と一緒に先生が現れていきなり抱きついてきた。

「任務気をつけろよ?無理して怪我するんじゃないぞ」
「分かったから離れて!」

先生はみんなの目を気にすることなくギューと抱きついてくるから、私は恥ずかしくなる。

「だめ。サクラを補充しないと」

そう言って先生は耳元にチュッとキスをしてくるので、体が固まる。
3人を見たら、気を遣ったように背中を向けていた。
ナルトはこちらをチラチラ見てくるけど。

「オレも別の任務だからさ。オレが帰ってくる日、部屋に来てよ。サクラを抱きたい」
「!!」

耳元で囁くようにそんなこと言うものだから、顔を真っ赤にして先生を睨むと、にんまりと笑ってくる。
余裕顔が悔しくて、バシっと先生の腕を叩き3人の元に向かう。

「サクラちゃん、先生と話終わった?」
「うん、まぁ」
「いつもカカシ先生にサクラちゃん取られるから、今日はサクラちゃんを独り占め出来るってばよ」
「馬鹿」

ナルトは昔と変わらない好意を向けてくれるのが嬉しいような恥ずかしいような。
私は照れ隠しにナルトの腕を叩いた。


隊長から任務の詳細を聞いているとき。
後ろから話している声が聞こえて振り返ると、カカシ先生がナルトとサイの肩に腕を置いて内緒話をしているようだった。
隊長と首を傾げていると、こちらを向くナルトと目があって。
顔を真っ赤にして何故かあそこを押さえ始めた。
サイは同情したような目で私を見てくる。


すごく嫌な予感がした。
私は先生に詰め寄って胸ぐらを掴む。

「先生!2人に何か言ったでしょ!」
「えー?」
「言いなさい!」
「いやね、サクラがえっちしてる時にどんだけ可愛いかをね」
「は!?」
「だってオレがいない間にあいつらがサクラに手を出そうって考えたら困るし」

悪びれもなく笑う男に私は全身を震え上がらせる。

「いつもはツンケンとしてるけど、『先生、先生』って可愛く喘ぎながら頬を真っ赤に染めて首に腕を回してきて、離れたくないみたいにオレのを締め上げ──」

私はそれ以上言わせないと、思い切り先生の鳩尾にチャクラを練り込んだ拳をねじ込んだ。

「げほ・・・」

先生はお腹を押さえて咳き込みながら倒れる。
私は真っ赤な顔でそれを見下ろす。

「先生の馬鹿!!」

私は踵を返して、呆れたように見ていたヤマト隊長の腕を組んで任務へと促す。

「こら、ヤマトから離れなさい」

鳩尾を押さえながら先生は立ち上がり指を指してくる。
私はそんな先生に舌を出して、胸が当たって動揺している隊長を引っ張って任務へと向かった。



****



その日は簡単な任務だったのに、チームワークがてんでダメで予定よりだいぶ遅くに里に帰還した。
主に私とナルトのせいなんだけど。
ナルトは先生のあの会話で私に対して挙動不審だし、私も精神が安定しなくて。

「すみませんでした、ヤマト隊長・・・」

サクラは横を歩くヤマト隊長に謝る。
何を謝っているのかすぐに察した隊長は苦笑する。

「遅くなったけど誰も怪我せずに済んだんだから気にしなくていいよ。それに、元は先輩が悪いんだからね」

その優しさが辛くて泣きそうになる。
更に落ちも込んだ私を見て隊長は慌てているのを感じる。

「先輩は今日は帰ってこないんだっけ」
「はい・・・2日間の任務って言ってました」

私はまた落ち込む。
あんな風に別れたけど、やっぱり好きな人に何日も会えないのは辛いから。

「これから一緒に帰ってきたカカシ先輩をぎゃふんと言わせる方法考えようか?」
「なんですか?それ」

隊長は励まそうとしているのは変な話になり、私は小さく笑っていると。


「あれは何なんでしょうか」
「「え?」」

隣を歩くサイを見ると、木ノ葉の門を指差す。
私たちはその方向を見て目を見開いた。

「か、カカシ先生!?」

そこには任務に出ているカカシ先生が仁王立ちで立っているではないか。

「カカシ先輩、任務はどうしたんですか!?」
「終わらせてきたに決まってるだろ」

先生は隊長を冷たく睨む。
その眼差しは暗部時代を思い出させ、背筋が凍る。
しかし、終わらせたとは。
ヤマト率いる七班の任務は遅くなったとはいえ日帰りの簡単な任務。
対してカカシのはAランク任務。
2日はかかると予想されていたのをたった数時間で終えられるはずはないと思うのだが、カカシのボロボロの身なりを見れば納得するしかないのかもしれない。


カカシはゆっくりこちらに近づいてくるのでサクラの体が強張る。

「サクラ」

サクラを呼ぶその声は朝の甘さなどなく、怒気を少し含んだ低い声。
朝のヤマトに密着したことを怒っているのだろう。
しかし、サクラだってナルトたちに話した内容のことを怒っている。
サクラは隣に立つヤマトの腕をまた掴み背中に隠れる。
その時、カカシの眉がピクリと動いたのをヤマトはしっかり確認していて冷や汗をかく。
慌てて離れようとするがサクラがそれを許さない。

「さ、サクラ!?」
「これから2人でみっちり色々教えてくれるって言ったじゃないですか」
「え!?いや、確かに言ったけど、なんかニュアンスが違う気がすんだが!」

サクラに気を取られていたヤマトの肩を一瞬で近づいたカカシに捕まれる。
ギギギ、と油が切れた人形のようにヤマトはカカシを見る。
カカシはニッコリと笑って。

「ゆっくり話をしようか、テンゾウ」

細められている目が開き、冷たく光る。
ヤマトはこの後の己の身に起こることを想像して目尻に涙を滲ませた。
サクラは2人が話してる間にヤマトの背に隠れてこの場から離れようとすると。


「でもその前に」

カカシは後ろから勢いよくサクラの手を引いて、バランスを崩したサクラを軽々担ぐ。

「きゃ!は、離してよ先生!」

サクラはジタバタと踠くが、カカシがそれを許すはずもなく、無言でサクラを担いだまま屋根へと飛んだ。



****



先生の家に着くなりベッドの上に投げ出され、先生が覆いかぶさってくる。

「ど、どいて!」

抜け出そうとするも、先生の腕が頑なに動こうとしない。

「オレ言ったよな。帰ってきたら抱くって」

その言葉に顔がかぁ、と熱くなる。
何度も先生とそういう行為をしてきても慣れないものは慣れない。

「本当は優しく、いつもみたいに抱くつもりだったんだけどさ。あんなの見せられたらそういう訳にもいかないよねぇ」

喋り方と声色がいつもより低く冷たい雰囲気を感じ、恐る恐る先生を見ると、感情を見せない、恋人になって初めて見る顔に冷や汗が流れる。

「せ、せんせ・・・」
「サクラはあんなことして、オレが何とも思わないと思ったんだよね?だから何度もテンゾウにくっ付いた。オレの目の前で」

いつもはヤマトと言うのに、昔の呼び方になるということは本気で怒っているということ。

「ご、ごめんなさい」

私は身の危険を感じ、遅い謝罪をするも。
先生はにこりと笑う。
怒っているのに。

「オレがどれだけお前を愛してやまないか、その身にたくさん教えてやるよ」
「ひっ!や、やだ・・・!」

私は何とかベッドから這い出ようとするも、後ろから先生の手が私の身体を這って下着の下の2つの柔らかいものの頂にあるのをギュッと摘む。

「あっ!」

それだけで身体全身が痺れ、抵抗する力を奪う。
ベッドに俯す私を先生は冷ややかに笑い。


「愛してるよサクラ。だからオレの愛を全部受け止めて」


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