このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

劇場版NARUTO アニマル編

「先生、どう?」
「うん、可愛いよ」

そう言って俺の目の前でクルリと回って見せるサクラに笑って頷く。
ああ、本当可愛い。
恋人になる前から心の中で思っていたことを堂々と言える喜び。
褒められて満開に咲いた花のように笑うサクラを見て、食べたくなるほどの愛しさを感じる。


でも。


「でもさサクラちゃん・・・可愛いんだけど、ちょっと露出し過ぎじゃないかな?」


そう言って俺が注目したのは、サクラのお腹。
いつも晒されている二の腕は隠されているが、それに反して晒されているのがお腹と太もも。

次に行く月の国のみかづき島は常夏の島だ。
いつもの忍服でも暑さに耐えれそうにないので、同じチームのナルト、リー、俺も夏服を新調した。
紅一点のサクラも新調して、サクラがお披露目会してくれるというので楽しみにしていたんだが。
いざ着てみたらセパレートタイプになっていてお腹が全開に、スカートの裾がいつもより短くなっているではないか。

これはダメだ。
思春期、しかもサクラに好意を抱く2人の男には目の毒だ。


「そう?こんなもんじゃない?」

サクラはどこがおかしいのが分からないのか首を傾げる。
この無自覚の小悪魔め!

「いやいやいや!!お腹!お腹出てるから!!」
「・・・先生、どこ見てるのよ」

思わず大声になってしまい、頬を赤く染めるサクラに睨まれる。
睨まれてもこれは譲れない。

「そりゃ見るでしょうよ。恋人のお腹が出てたら」

恋人発言にサクラが嬉しそうに頬を緩ませていたので抱きつきたくなったが、今はそれどころではない。


「ねぇ・・・本当にその格好で行くの?変な男が寄ってきたらどうするの」

俺は眉を下げてサクラに懇願するが、気が強いサクラは絶対譲らない。
デザインも気に入っているらしいし。

「何言ってるの、先生。任務は明日からなんだからもう間に合わないわ。それに、変な男が寄ってきても先生が守ってくれるでしょ?」
「そりゃ守るけども!」

可愛いサクラのお願いにもっと眉毛が下がる。別の意味で。

隣で俺がうーうー唸ってても気にせず、サクラは着々と明日の準備を済ませている。



「ねぇ、先生。先生はどんな水着持っていくの?」
「は?水着?」

突拍子もないことを聞かれて、間抜け面で聞き返す。
なんで水着?

「え、だって常夏なんでしょ?」
「そうだけど」
「海入るでしょ?」
「そんな予定ないけど」

サクラは大きい目をさらに大きく見開く。

「なんで!?何で海入らないのよ!!バカンスなのに!!!」

横にいる俺の耳元にサクラが思い切り大声で叫んでくるから少しキーンとした。

「バカンスじゃなくて任務。終わったらすぐ帰るよ」

耳を押さながら言うと、サクラは「えー」と肩を落としていた。


「せっかく新しく水着買ったのに・・・」

サクラの呟きにピクッとなった。
・・・嫌な予感がする。

「・・・サクラ、水着ってどんなの」
「初ビキニ!いのと選んだんだ!」

そう言って嬉しそうにサクラが鞄から取り出したのは、赤いビキニ。





俺は頭を抱えた。

「先生、どうしたの?」

俺が急に項垂れたから水着を持ったまま覗き込んでくる。

「・・・サクラ、それは置いていきなさい」
「何でよ!もしかしたら海に入るかもしれないじゃない!」

そんなこと許せるわけない。
ナルトなんて絶対鼻血を出して喜ぶに決まってる!

持っていく気満々のサクラをどう説得するか悩ませて出た言葉は。


「サクラの胸じゃ絶対水着流される」





思い切り俺を蹴飛ばしたサクラは「絶対持って行くから!!」と部屋を出て行った。

俺は起き上がり、思い切りため息をついた。
・・・まぁ、着る機会なんてないだろう。





そんな俺の願いは叶うことはなく、チャクラ切れを起こした俺は2週間島に滞在することになった。
それを知ったサクラの第一声は「バカンス満喫ね!!」だった。

そしてナルトとリーはサクラの水着姿を堪能し、俺はベッドの上で思い切り後悔することとなった。

1/2ページ