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short.1

最近のオレの悩みといったら、


「先生、好き」


これだ。
最近、サクラの恋のターゲットがサスケから何故かオレになった。
特段何もしていない、はずだが。

「ねぇ、先生聞いてる?」

サクラは前から抱きついてきて、頬を膨らませて口を尖らせる。

「あー、聞いてるよ」
「じゃあ先生は好き?」
「うんうん、好き好き」

サクラの頭をポンポン撫でると、サクラは満足そうに笑って家へと帰る。
オレはサクラを見送ってため息を吐く。
何でこうなったのか。
任務や演習で毎日会い、毎日のように告白をしてくるサクラ。
今すごいサスケの気持ちが分かる。
すごい精神を持っていかれる。
疲れた顔をしていると、サスケが皮肉な笑みを向けてくるようになった。

「はぁ・・・」

オレは暫くそこから動けなかった。



****



次の日も暇さえあればサクラはオレにくっつく。
こんなに近くにこられたらイチャパラが読めない。
更にストレスが溜まる。
サスケの時はこんな感じではなかったのに、オレの時の距離感はどうなっているのか。

「なぁ・・・サクラ」
「なに?」
「何でオレに好きって言ってくるんだ?」
「だって好きなんだもん」

それが何か?、といった感じのサクラに頭を悩ませる。

「・・・ナルトのことは?」
「好きだけど」
「サスケは?」
「好き」
「オレは?」
「好きよ」

なるほど。
好き好き言っているが、2人と変わらない仲間としての好きらしい。
ほっとするのと、モヤっとしたのが心の中で混ざり合っていることに気づき首を傾げる。


「でもね」

「ナルトとサスケくんのはLikeだけど、先生はLoveだから」

目を見開く。
微笑むサクラの顔はもう幼い少女には見えなくて。
いや、だいぶ前から見えていなかったのに、気づかないふりをしていた。
それを見透かしていたサクラはオレの唇を口布越しに触る。


「いつか、ちゃんとこの口で言ってね?」


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