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◯連れて行かないで

「五代目様!血が止まらず脈がだんだん弱くなっています!」
「私がする!サクラどけ!」

綱手に体を押される。
震える手を見ると、先生の血で染まっていた。
先生は私のせいで致命的な傷をおおい、瀕死の状態で木ノ葉に担ぎ込まれた。
未だに意識が戻らず、どんどん血の気が引いていく先生。
私はどうすることもできず、昔のように泣くことしか出来ない。
私は血がついた両手を握りしめる。

(オビトさん、リンさん、四代目・・・!まだカカシ先生を連れて行かないで・・・!!)






◯作戦成功

いつものようにカカシ先生の部屋を訪れる。
キッチンでお茶を注いで、2つのコップを持ってベッドの上でイチャパラを読んでいる先生の元へ。

「はい」
「お、サンキュー」

先生は起き上がってコップを受け取る。
私は先生の横に腰掛ける。

「先生」
「んー?」

「好き」
「ぶっ!!」

お茶を盛大に吹き出し背中を丸めて咳き込む先生の背中をさする。

「大丈夫?」

覗き込むと、初めて見る顔を真っ赤にして涙を滲ませている先生の顔に私は満足する。
何故なら私たちは付き合っていない。






◯女の子の日

今日のサクラは何かおかしい。
どこか身体を庇っている動きをしているし、いつもより疲れてる顔もしている。
それに、微かに漂ってくる血の匂い。

「サクラ、どこか怪我してるのか?」
「な、何で」

サクラの体が不自然に強張るのが分かり、顔を顰める。

「血の匂いがするから。見せてみろ」

サクラの手を掴むと、サクラは一気に顔が真っ赤になり、掴まれてない手でオレの顔を思い切りグーパンしてきた。
そして大声で叫びながら走り去っていった。
サクラの反応で、血の匂いがどこから来てるのかが分かり頬が熱くなる。

「女の子・・・だもんな」

今まで子供だと思っていたのに、急に女の顔を出すとは。
明日からどんな顔をすればいいんだろうか。






◯落とし物

明日からサクラは医療の発展の為、1ヶ月砂隠れの里に出張に行く。
荷物をまとめ立ち上がったときに、リュックからペンが落ちる。

「サクラ、落ちたよ」
「あ、ありがとう」

腰を曲げて拾いサクラに差し出す。
サクラは微笑んで受け取ろうとした時に、ペンを持っている腕を渡す前に高く上げる。
サクラは一緒ポカンとしたけど、オレの顔を見て頬を膨らませる。
サクラは一生懸命ジャンプをするが、元からの身長差とオレが腕を高く上げているから、どれだけ頑張っても届かない。
負けず嫌いのサクラの瞳がどんどん潤み、唸り出す。
そんな可愛いサクラの表情にほくそ笑み、可愛い唇にキスをした。






◯誰も予想出来なかった

最近出来たお洒落な喫茶店。
イルカは休みの日に1人でお店に入ると、そこにはサクラとカカシがいた。
せっかくだからと同席することに。
サクラとイルカが向かい合って世間話をしていると、サクラの隣に座るカカシが何かとちょっかいをかけてサクラに怒られるというのを何回も繰り返す。
憧れの上忍と教え子がイチャつくのを目の前で見せられ、イルカは気まずそうに視線が泳ぐ。
トイレでカカシ立ったときにイルカは息を思い切り吐いた。
サクラは申し訳なさそうに苦笑する。

「まさか2人が付き合うなんて思わなかったよ」
「私もです」

サクラの手元にあるアイスコーヒーの氷がカランと音を立てた。


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