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short.1

誕生日は先生の家に泊まってもいい?

サクラと付き合い始めて1ヶ月。
この想いを伝えることはないと思っていたらサクラから告白をされた。
嬉しくて、嬉しくて。
大事にしたくてキス止まり。それ以上は手を出していない。
そりゃ触りたくて悶々としてるけど、16歳になったばかりのサクラを見ると大事にしたいって気持ちの方が強くなる。

なのに。なのにさ。
まさかのサクラからお泊まり宣言されてしまった。

「・・・・・・ハァ・・・」

今日は俺の誕生日。そしてサクラが泊まりに来ている。
夕飯はサクラが俺の大好物を作ってくれて、締めのデザートは俺でも食べれる甘さのケーキを作ってくれた。
食べ終わって一緒に片付けをして並んでソファーでくつろいでいたら、先にお風呂に入ってきていいと言われた。
それじゃと脱衣所に向かい全身を洗い湯船に浸かっている。
心休まるはずのお風呂なのに俺の心は休まるどころかこの後のことを考え疲れが増す。
この1ヶ月、サクラを泊めたことはない。
夜も一緒に居たら絶対止まらない。
落ち着かないので風呂から上がりリビングに戻ると、サクラはソファーの上で両膝を抱えるように座り、膝の上に顎を乗せTVを観ていた。

「サクラ。あがったよ」
「んー」

サクラは生返事をしたかと思えばノソっとソファーから立ち上がり、お泊まりバックから着替えなどを持って俺の横を通り抜ける。
俺は冷蔵庫から水を取り出し、サクラが座っていた場所に座る。
浴室のドアが閉まりシャワーの音が聞こえ、水を飲み大きく息を吐く。
心臓が止まるのではないかと思うぐらいドキドキしている自分に苦笑する。
初めてでもあるまいし。
恋人ではない女と何人も付き合っていた過去の自分に笑われそうなぐらい緊張している。
それぐらいサクラが大事で愛している。

暫くボーとしてるとリビングのドアが開いた。
サクラが上がったことにも気づかなかった。

「先生」

リビングのドアのところからサクラに呼びかけられるが顔が上げられない。

「誕生日プレゼントあげる」

その言葉にようやく顔をあげサクラを見ると、何故か先程洗濯籠に入れたはずの俺が着ていたTシャツを着ていた。
大きいからか太腿の半分ぐらいまで隠れており魅入ってしまった。
そしてプレゼントと言いながらサクラは何も持っていないことに気づいた。
俺は眉間に皺を寄せてサクラを見ていると、サクラは無言で俺に近づいて手を取り、綱手譲りの怪力で寝室に引っ張り込んでベッドに投げ捨てられた。

「ちょ!!サクラ!?」

俺はいきなりの行動に上半身を起こすと、サクラは俺に跨り膝立ちをして見下ろしていた。
いつもと違うサクラの雰囲気に喉を鳴らす。
そしてサクラはゆっくりとTシャツをまくしあげ、白い肌に似合うレースがついたピンクの下着だけになる。

「先生・・・」

サクラが潤んだ瞳で俺を覗き込みながら顔を近づけて唇を合わせる。
探るように舌を絡ませてくるサクラに応える。

「ん・・・ふぅ・・・」

この1ヶ月、毎日の様に唇を合わせキスに慣れてきたサクラの口から漏れる吐息に否応にも反応してしまう。
キスをしながら俺の服も脱がそうとするサクラの手に気づき、手を掴む。

「ちょっ、サクラ!待って」
「大人しくしててよ・・・!」

顔を背け逃げようとする俺をサクラは噛み付くように俺の唇を塞ぎ、ズボンも脱がしにかかってくる。

「サクラ、待てって!!」

俺は慌ててサクラの肩を掴み身体を離す。
サクラの肩を掴んでいると震えていることに気づき、サクラの顔を覗き込むと涙が溢れないように唇を噛み締めていた。

「そんなに・・・嫌なの?」

堪えきれず涙がポロポロと溢れる。

「え・・・?」

「そんなに私としたくないの・・・?処女を相手にするのはそんなに嫌・・・?」
「ち、違う!そうじゃなくて・・・」
「だって、先生・・・全然手出してくれないじゃない!!」

ボロボロと泣き出したサクラは、両手で顔を隠して俺の上に座り込む。
俺が大事にしようとすればするほど、サクラはどんどん自分を追い詰めていたのだと分かった。
そして強硬手段に出るほど俺を想ってくれているんだと知って、愛おしくなった。

「サクラ」

呼びかけにサクラの肩がピクッと揺れたが顔から手が離れないので、優しくサクラの手を掴んで手を開かせる。

「サクラ。顔、よく見せて」

エメラルドのような瞳を潤ませて上目遣いで俺を見てくるサクラに顔が緩む。

「ごめん。サクラを大事にしたいと思ってたんだ」

サクラの頬に手を添えて顔を上に向かせる。

「でもそれでサクラが傷つくんなら、もう我慢するの止める」

サクラを強く抱きしめ、身体を反転させ今度は俺がサクラを見下ろす。

「せんせい・・・」

サクラが期待と不安を含んだ瞳で見つめてくる。
安心させるようにニコっと微笑み、サクラの首元に唇を寄せる。

「サクラが嫌って言っても、もう止めないから」
「うん。止めないで」

サクラは腕を伸ばし俺の顔に手を添える。
俺は頬を緩めサクラの唇へと顔を近づけた。








カーテンから覗く太陽の光と、胸らへんでゴソゴソ動く感じに瞼を開く。
お互い何も纏わず互いを抱きしめて寝ていたのだが、先に目が覚めたサクラが俺の胸元に頬を擦り寄せていた。

「・・・・・・おはよう、サクラ」

寝起きでいつもより低い声にサクラは顔を上げ微笑む。

「おはよう、先生」
「なに・・・してるの・・・?」

サクラはふふっと笑い、また胸元に頬を擦り寄せながら

「幸せだなぁって」

そんなサクラを力強く抱きしめると、「苦しいよぉ」と言いながらサクラも抱きしめてくれた。

「・・・身体、大丈夫?」
「・・・うん。優しくしてくれたから・・・」

背中に回している腕が強くなったので、俺もさらに抱きしめる。
お互い何も纏っていない状態で強く抱きしめ合っているから、サクラの小さい胸が押し当てられるのを感じて邪なことを考えてしまう。

「・・・サクラ、今日休みって言ってたよな」
「え?うん」

サクラは少し身体を離して不思議そうに俺の顔を見てくる。

「そっか。・・・じゃあ、身体も大丈夫ってことなので・・・」

サクラの背中に回っていた手が撫でながら下がっていく。

「ちょっ!!先生!?」

手の動きでどういうことか理解したサクラは真っ赤な顔をしている。

「いやぁ〜ずっと我慢してたからさぁ〜。昨日だけじゃ足りなくて、足りなくて」
「ちょ、ちょっと待って先生!お風呂入りたいし、お腹空いたわ!!」
「うんうん。終わったらね」
「待って!!」
「待たない」

抗議しようとするサクラの唇を塞さぎ、結局お昼までベッドの中で過ごすことになった。


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