short.2
私の朝はカカシ先生で始まる。
体が重くて目を覚ますと、目の前には銀髪の成人男性が私を抱きしめて眠っている。
私が動いてもピクリとも動かない。
私はその男を思い切りベッドから蹴り落とした。
ゴンっと落ちる音を聞いて私もベッドから降り、床で倒れている先生の襟首を掴んで引き摺る。
鍵を開けてドアを開き、先生を投げ捨てる。
先生を無視して洗面所に向かい、歯を磨いて顔を洗う。
ふぅ、と息を吐いて部屋に戻ると、まだ寝そべっているカカシ先生。
先生の体を踏んで部屋に入ると足の下から「んべっ」と変な声が聞こえた。
鍵を閉めてクローゼットを開け、変わり映えのしない任務服を着て身支度を整えていると、部屋の外からノックと共に好きな人の声でご飯だぞ、と声をかけられる。
返事をすると罵倒する声と引きずる音が聞こえ、ドアを開けると先生は居なかった。
リビングに向かうとすでに3人は椅子に座り各々朝食を食べていた。
「おっはよーサクラちゃん!」
「おはよう。ナルト、髪ボサボサよ。ちゃんととかしなさいよ」
「へーい!」
ナルトの隣に座ると、斜め目前に座るカカシ先生がこちらを見て微笑む。
「おはよう、サクラ」
「・・・おはようございます」
爽やかな笑顔を向けられるもその顔を真っ直ぐ見たら怒りが湧いてきそうで、素っ気なく返事をする。
今日の朝食は味噌汁と目玉焼きとソーセージ。
味噌汁は毎日飲みたいと言うカカシ先生と、ラーメン以外なら洋食がいいと言うナルトの要望をサスケくんは文句を言いながら叶えているのだ。
綺麗に切られた豆腐の味噌汁はちょうど良い塩梅ですごく美味しい。
「サスケくん、今日もお味噌汁美味しわ」
「・・・そうか」
褒めるとそっぽを向くサスケくん。
髪から覗く耳が赤く染まってて可愛いと思ってしまった。
朝から夜までずっとそばにいるのが当たり前になってて、大好きな時間。
ずっとこの時間が続くと思っていた──
「え、終わり?」
夜、いつものように任務を終えてみんなで家に帰り、夕食を食べている時だった。
一瞬で食べ終えた先生は大事な話があると言って切り出したのは、この同居生活が今週で終わりという話だった。
「あぁ。元々1ヶ月の話だったろ?で、今週の週末がその期日だからそれまでに3人とも荷物片付けとくように」
へーい、と返事をするナルト。
その隣で私は放心状態だった。
ずっと続くわけなかったのだ。
最初から分かっていたのに、あまりの居心地の良さここが我が家のように思えてしまって。
別に来週からだってみんなといつものように会えるというのに。
胸の奥がギュッとした。
****
こん、こん
夜、皆が寝静まった時間に次の任務を確認しているとゆっくりと部屋がノックされた。
「どうぞー」
3人のうち誰かなのだから確認する必要もなく返事をすると、ドアが開かれる。
そこには枕を抱き抱えて立つサクラの姿があった。
「サクラ?どうかしたのか?」
書類を置いて体を起こしベッドに腰掛けも、サクラは枕を抱えたまま目線を落とし、部屋に入ってこようとしない。
これは何かあったのだろう。
おいで、と呼ぶとゆっくりとサクラは足を動かして目の前まで歩いてくる。
「どうした?眠れないのか?」
聞くとサクラは枕に顔を埋めたまま頷く。
普段は大人ぶっているのにこうしていると年相応の子供のようだ。
「せんせ・・・」
「ん?」
「一緒に、寝てもいい?」
上目遣いでこちらを伺うサクラに目を瞬かせる。
不安そうに眉を下げているサクラに微笑んで毛布を上げる。
「いいよ。おいで」
サクラは小さく笑って毛布の下に滑り込み、自分の枕をカカシの枕の横に置く。
カカシも毛布を被りサクラの隣に横になる。
「で、どーしたのかな?この子は」
「・・・この生活が終わると思ったら」
「寂しくなった?」
こくん、と頷くサクラの頭を撫でるとサクラは胸に抱きついてくる。
今日のサクラは甘えん坊らしい。
なら今日は存分に甘やかしてやろうじゃないか。
「せんせ、子供っぽいって呆れた?」
「しないよ。先生も少し寂しく思ってたからね」
「・・・そうなの?」
「うん。ほら、明日も早いんだから早く寝なさい」
「うん・・・おやすみなさい」
「おやすみ」
素直に目を瞑ってから数分後には規則正しい寝息が聞こえてくる。
寝てる間も離さないというようにカカシの背中に腕を回して眠るサクラに、可愛いという気持ちと不純な気持ちが頭の中で荒ぶっている。
今日は寝れないな、とカカシはサクラの広い額に口布を下げてキスをした。
****
バタバタバタバタ、ゴン!バタバタ!
朝、4人分の朝食を作っていると後ろから騒々しい音に眉間に皺を寄せる。
「さ、さささささサスケ!!」
「なんだ、煩いぞウスラトンカチ」
味噌汁を混ぜていたサスケは不機嫌を隠そうとせずに振り返ると、何故か慌てた顔のナルトがサスケの腕を引っ張る。
「おい!」
「い、いいから来いってばよ!!」
馬鹿力で引っ張られ、一体なんなんだとナルトの後を素直に付いていく。
着いた場所は我らが師のカカシの部屋の前だった。
「一体何なんだ」
「・・・いいか、落ち着いて中を見ろってばよ」
「・・・はぁ?」
ナルトが何を言っているのか分からず、ナルトが慎重に開けたドアから部屋を覗き、
瞠目した。
部屋の真ん中にあるシングルベッドの上には、2つの膨らみがあった。
そして毛布の奥に見えるのは、銀髪と薄紅色の髪。
サスケはゆっくりと部屋に進みベッドに近づくと、2人はまだサスケの気配に気づいていないのか抱き合って寝息を立てていた。
同衾現場を目撃したサスケは入る時とは逆に足早に部屋を後にしてドアを閉めた。
2人は顔を見合わせて静かに頷き。
「・・・見なかったことにするぞ」
「・・・分かったってばよ」
このことに触れてはいけないと悟った2人は何もなかったかことを決意する。
そう。
暫くして悲鳴が聞こえても、顔を真っ赤にしてリビングに現れたサクラを見ても口を一文字に結んで。
体が重くて目を覚ますと、目の前には銀髪の成人男性が私を抱きしめて眠っている。
私が動いてもピクリとも動かない。
私はその男を思い切りベッドから蹴り落とした。
ゴンっと落ちる音を聞いて私もベッドから降り、床で倒れている先生の襟首を掴んで引き摺る。
鍵を開けてドアを開き、先生を投げ捨てる。
先生を無視して洗面所に向かい、歯を磨いて顔を洗う。
ふぅ、と息を吐いて部屋に戻ると、まだ寝そべっているカカシ先生。
先生の体を踏んで部屋に入ると足の下から「んべっ」と変な声が聞こえた。
鍵を閉めてクローゼットを開け、変わり映えのしない任務服を着て身支度を整えていると、部屋の外からノックと共に好きな人の声でご飯だぞ、と声をかけられる。
返事をすると罵倒する声と引きずる音が聞こえ、ドアを開けると先生は居なかった。
リビングに向かうとすでに3人は椅子に座り各々朝食を食べていた。
「おっはよーサクラちゃん!」
「おはよう。ナルト、髪ボサボサよ。ちゃんととかしなさいよ」
「へーい!」
ナルトの隣に座ると、斜め目前に座るカカシ先生がこちらを見て微笑む。
「おはよう、サクラ」
「・・・おはようございます」
爽やかな笑顔を向けられるもその顔を真っ直ぐ見たら怒りが湧いてきそうで、素っ気なく返事をする。
今日の朝食は味噌汁と目玉焼きとソーセージ。
味噌汁は毎日飲みたいと言うカカシ先生と、ラーメン以外なら洋食がいいと言うナルトの要望をサスケくんは文句を言いながら叶えているのだ。
綺麗に切られた豆腐の味噌汁はちょうど良い塩梅ですごく美味しい。
「サスケくん、今日もお味噌汁美味しわ」
「・・・そうか」
褒めるとそっぽを向くサスケくん。
髪から覗く耳が赤く染まってて可愛いと思ってしまった。
朝から夜までずっとそばにいるのが当たり前になってて、大好きな時間。
ずっとこの時間が続くと思っていた──
「え、終わり?」
夜、いつものように任務を終えてみんなで家に帰り、夕食を食べている時だった。
一瞬で食べ終えた先生は大事な話があると言って切り出したのは、この同居生活が今週で終わりという話だった。
「あぁ。元々1ヶ月の話だったろ?で、今週の週末がその期日だからそれまでに3人とも荷物片付けとくように」
へーい、と返事をするナルト。
その隣で私は放心状態だった。
ずっと続くわけなかったのだ。
最初から分かっていたのに、あまりの居心地の良さここが我が家のように思えてしまって。
別に来週からだってみんなといつものように会えるというのに。
胸の奥がギュッとした。
****
こん、こん
夜、皆が寝静まった時間に次の任務を確認しているとゆっくりと部屋がノックされた。
「どうぞー」
3人のうち誰かなのだから確認する必要もなく返事をすると、ドアが開かれる。
そこには枕を抱き抱えて立つサクラの姿があった。
「サクラ?どうかしたのか?」
書類を置いて体を起こしベッドに腰掛けも、サクラは枕を抱えたまま目線を落とし、部屋に入ってこようとしない。
これは何かあったのだろう。
おいで、と呼ぶとゆっくりとサクラは足を動かして目の前まで歩いてくる。
「どうした?眠れないのか?」
聞くとサクラは枕に顔を埋めたまま頷く。
普段は大人ぶっているのにこうしていると年相応の子供のようだ。
「せんせ・・・」
「ん?」
「一緒に、寝てもいい?」
上目遣いでこちらを伺うサクラに目を瞬かせる。
不安そうに眉を下げているサクラに微笑んで毛布を上げる。
「いいよ。おいで」
サクラは小さく笑って毛布の下に滑り込み、自分の枕をカカシの枕の横に置く。
カカシも毛布を被りサクラの隣に横になる。
「で、どーしたのかな?この子は」
「・・・この生活が終わると思ったら」
「寂しくなった?」
こくん、と頷くサクラの頭を撫でるとサクラは胸に抱きついてくる。
今日のサクラは甘えん坊らしい。
なら今日は存分に甘やかしてやろうじゃないか。
「せんせ、子供っぽいって呆れた?」
「しないよ。先生も少し寂しく思ってたからね」
「・・・そうなの?」
「うん。ほら、明日も早いんだから早く寝なさい」
「うん・・・おやすみなさい」
「おやすみ」
素直に目を瞑ってから数分後には規則正しい寝息が聞こえてくる。
寝てる間も離さないというようにカカシの背中に腕を回して眠るサクラに、可愛いという気持ちと不純な気持ちが頭の中で荒ぶっている。
今日は寝れないな、とカカシはサクラの広い額に口布を下げてキスをした。
****
バタバタバタバタ、ゴン!バタバタ!
朝、4人分の朝食を作っていると後ろから騒々しい音に眉間に皺を寄せる。
「さ、さささささサスケ!!」
「なんだ、煩いぞウスラトンカチ」
味噌汁を混ぜていたサスケは不機嫌を隠そうとせずに振り返ると、何故か慌てた顔のナルトがサスケの腕を引っ張る。
「おい!」
「い、いいから来いってばよ!!」
馬鹿力で引っ張られ、一体なんなんだとナルトの後を素直に付いていく。
着いた場所は我らが師のカカシの部屋の前だった。
「一体何なんだ」
「・・・いいか、落ち着いて中を見ろってばよ」
「・・・はぁ?」
ナルトが何を言っているのか分からず、ナルトが慎重に開けたドアから部屋を覗き、
瞠目した。
部屋の真ん中にあるシングルベッドの上には、2つの膨らみがあった。
そして毛布の奥に見えるのは、銀髪と薄紅色の髪。
サスケはゆっくりと部屋に進みベッドに近づくと、2人はまだサスケの気配に気づいていないのか抱き合って寝息を立てていた。
同衾現場を目撃したサスケは入る時とは逆に足早に部屋を後にしてドアを閉めた。
2人は顔を見合わせて静かに頷き。
「・・・見なかったことにするぞ」
「・・・分かったってばよ」
このことに触れてはいけないと悟った2人は何もなかったかことを決意する。
そう。
暫くして悲鳴が聞こえても、顔を真っ赤にしてリビングに現れたサクラを見ても口を一文字に結んで。
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