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short.2

キスをしたあと、サクラは思い出したようにお泊まりの大きなカバンから白い箱を取り出す。

「はいこれ。誕生日ケーキ」
「別に良かったのに」
「ダメよ!先生でも食べれる甘さ控えめのにしたんだからちゃんと食べてよね!」

睨んでくるサクラに「はいはい」、と返事をしてケーキが入った箱を開ける。
中にはチョコケーキが入っていたのだが、何となく違和感が。

「もしかして、手作りか?」
「・・・何で気づくかな」

オレの質問にサクラは恥ずかしそうに頬を染めている。
そういえばさっき「食べれるのを買った」ではなく「食べれるのにした」と言っていた。

「お店のでも良かったんだけど、30って記念の日だから、どうせなら自分で作ってみようかなーって思っただけ」

それだけよ、とサクラは顔を背けてこちらから見えないようにする。
しかし髪から覗く小さな耳が髪より赤く染まっていて、あまりの可愛さに思わず抱きしめてしまった。

「わ、ちょっと、先生!」
「ありがとな〜、サクラ。大事にいただくよ」
「分かった!分かったから離してったら!恥ずかしいでしょ!」
「別に家の中だから誰も見てないじゃない。それにもっと恥ずかしいこといっぱいしてるんだけど?」

耳元で囁くと更にサクラの耳が赤くなり、俯くから赤いうなじまでが目の前に晒される。
数えきれないほどに身体を重ねているのにいつまで経ってもサクラは初々しくて可愛い。
それに白い肌に赤はとても映えて、今すぐ齧り付きたいほどに美味しそうで。
我慢出来ずにうなじにキスをするとサクラの体が大きく跳ねる。

「ちょ、や、やだ!ケーキがあるんだってば!」
「んー・・・ケーキもいいんだけど、先にサクラちゃんを食べたいなーってね」
「・・・今すぐケーキ持って帰るわよ」
「・・・ごめんなさい」

身長差からどうしても下から睨みつけてくるサクラ。
その目は本気で、これはガチでお怒り3秒前だ。
オレはすぐにサクラから手を離す。
これは将来尻に敷かれるなー、と頬を膨らませてケーキの準備をするサクラを見てそう思ってしまった。

「カカシ先生、そんなところに突っ立ってないで座ってケーキ食べましょうよ」
「うん、そうだね」

さっきまで不機嫌だったのにケーキが早く食べたいからかウキウキとしているサクラに頬を緩ませ、向かい合わせに座って手を合わせてケーキを口に入れる。

「ん、美味しい」
「本当?」
「うん。また作ってよ」
「任せて!他にも作りたいのがあるから今度作ってくるね」
「楽しみにしてる」

褒め言葉にサクラは嬉しそうにケーキを頬張らせる。
イチャイチャするのも楽しいけどこんなふうに好きな人と同じものを食べ合う時間も愛おしいな、と最高の誕生日になった。


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