short.2
ピンポーン
「はいはい」
部屋の呼び鈴が鳴り、本を置いて立ち上がる。
ドアを開けるも、そこにはいるはずの人物がいない。
「あれ・・・」
彼女が来たのだと思っていたのに。
頭を掻いていると、開かれた扉の向こうからクスクスと小さく笑う声が聞こえてそちらを見る。
「ちょっと。隠しきれてないよ、お嬢さん」
「あはは、ざんねーん!」
ドアに隠れていたサクラは笑いながら、背中に隠していた色とりどりの花束をオレに差し出してくる。
「30歳の誕生日おめでとう!カカシ先生!」
「ありがとう・・・って素直に受け取りたくないなぁ」
「ふふ!先生ももう三十路なのね」
「そうだよー、もうおじさんだよ?だから少しは敬ってほしいんだけど」
「敬ってほしかったらもうちょっとしっかりしてほしいんですけど?」
上目遣いで首を傾げる可愛い恋人。
教え子から恋人になり、任務外の普段のオレのだらしなさも知り尽くされているから何とも言えず、オレはサクラを部屋に招き入れる。
「でも私たちが出会って4年経つのね。時間って早い」
「大人になったらもっと早く感じるよー」
「年寄りっぽくってイヤー」
「としよ・・・」
オレはガクッと項垂れる。
14も年下から見たらオレなんておじさんだろうけど年寄りは堪える。
これからオレはサクラより先に歳を取る。
若いサクラの隣でオレだけ歳を取っていくのは、自分で選んだとはいえ辛いものだ。
そんなオレを気にすることもなく鼻歌を歌いながら花瓶に花を差しているサクラを壁にもたれたまま見る。
最初に出会った頃はオレの胸辺りに頭がくるぐらい小さかった少女はすっかり大人の女性に成長し、そして恋人になっていることに感慨深く思っていると、視線に気づいたサクラがこちらに顔を向けた。
「なぁに?」
「ん?サクラ達が30になった時は盛大にお祝いしなくちゃなと思ってね」
「あら、それじゃあ先生もその時まで生きてなきゃいけないのよ?」
「なんか先生のこと殺そうとしてない?」
「だって初めて会った頃、仲間を大事にするのに自分はいつ死んでもいいみたいな感じ出してたじゃない?」
「・・・・・・・・・」
本当女の子はちゃんと見てるな、と苦笑する。
木ノ葉の次の世代を育てるためならこの身がどうなろうとどうだっていいと思っていたことを見抜かれていたらしい。
だがそれもナルト達3人に出会って変わったんだ。
こいつらが大人になって変わっていく木ノ葉をこの目で見たいと。
そしてこんなオレを好きになってくれたこの子といるためなら長生きしてみせると考えるようになった。
そんなことを思っているとサクラはオレの胸元に抱きついてきて可愛く見上げてくる。
「ちゃんと生きてよ?」
「・・・うん。ずっとお祝いしあおう」
60になったら赤いちゃんちゃんこ着てね?と可愛くおねだりするサクラに失笑しながら甘く唇を重ねた。
「はいはい」
部屋の呼び鈴が鳴り、本を置いて立ち上がる。
ドアを開けるも、そこにはいるはずの人物がいない。
「あれ・・・」
彼女が来たのだと思っていたのに。
頭を掻いていると、開かれた扉の向こうからクスクスと小さく笑う声が聞こえてそちらを見る。
「ちょっと。隠しきれてないよ、お嬢さん」
「あはは、ざんねーん!」
ドアに隠れていたサクラは笑いながら、背中に隠していた色とりどりの花束をオレに差し出してくる。
「30歳の誕生日おめでとう!カカシ先生!」
「ありがとう・・・って素直に受け取りたくないなぁ」
「ふふ!先生ももう三十路なのね」
「そうだよー、もうおじさんだよ?だから少しは敬ってほしいんだけど」
「敬ってほしかったらもうちょっとしっかりしてほしいんですけど?」
上目遣いで首を傾げる可愛い恋人。
教え子から恋人になり、任務外の普段のオレのだらしなさも知り尽くされているから何とも言えず、オレはサクラを部屋に招き入れる。
「でも私たちが出会って4年経つのね。時間って早い」
「大人になったらもっと早く感じるよー」
「年寄りっぽくってイヤー」
「としよ・・・」
オレはガクッと項垂れる。
14も年下から見たらオレなんておじさんだろうけど年寄りは堪える。
これからオレはサクラより先に歳を取る。
若いサクラの隣でオレだけ歳を取っていくのは、自分で選んだとはいえ辛いものだ。
そんなオレを気にすることもなく鼻歌を歌いながら花瓶に花を差しているサクラを壁にもたれたまま見る。
最初に出会った頃はオレの胸辺りに頭がくるぐらい小さかった少女はすっかり大人の女性に成長し、そして恋人になっていることに感慨深く思っていると、視線に気づいたサクラがこちらに顔を向けた。
「なぁに?」
「ん?サクラ達が30になった時は盛大にお祝いしなくちゃなと思ってね」
「あら、それじゃあ先生もその時まで生きてなきゃいけないのよ?」
「なんか先生のこと殺そうとしてない?」
「だって初めて会った頃、仲間を大事にするのに自分はいつ死んでもいいみたいな感じ出してたじゃない?」
「・・・・・・・・・」
本当女の子はちゃんと見てるな、と苦笑する。
木ノ葉の次の世代を育てるためならこの身がどうなろうとどうだっていいと思っていたことを見抜かれていたらしい。
だがそれもナルト達3人に出会って変わったんだ。
こいつらが大人になって変わっていく木ノ葉をこの目で見たいと。
そしてこんなオレを好きになってくれたこの子といるためなら長生きしてみせると考えるようになった。
そんなことを思っているとサクラはオレの胸元に抱きついてきて可愛く見上げてくる。
「ちゃんと生きてよ?」
「・・・うん。ずっとお祝いしあおう」
60になったら赤いちゃんちゃんこ着てね?と可愛くおねだりするサクラに失笑しながら甘く唇を重ねた。
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