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short.2

「サクラが好きなんだ。オレと付き合ってほしい」

唐突のカカシの告白が始まって1ヶ月。
ほぼ毎日の猛アピールにとうとうサクラが折れて、カカシとサクラは恋人になった。
しかしせっかく恋人になれたのにカカシはここ最近思い悩んでいた。
それはもちろんサクラのことで。
カカシは付き合ってからも周りが恥ずかしくなるぐらい好きアピールをしているのだが、サクラは全くしてくれず、冷たくあしらうこともしばしば。

それが最近、サクラの様子がどこか余所余所しくなるようになった。
何か隠し事をしているような、そんなふうに顔を逸らすことが多くなった。
それに隣を歩いている時も少し距離を取るようになって。
嫌われたのかと思って様子を見ていると、目が合うと照れたようにはにかんでくれる。
そんなサクラを見ていると、少し余所余所しくても側にいてくれていればそれで満足だった。



「サークラ。今日家に遊びにおいでよ」
「あー・・・えっと、今日はちょっと・・・ごめんなさい」

綱手の手伝いをしているサクラを捕まえてお誘いをしたのだが、サクラは目を合わせてくれず、そそくさと去っていった。
ここ数日、こうやって誘っては断られサクラに避けられている。
いや、別に話しかければ普通に話しはするが、家に誘うとこうやって逃げられている。
この間まで普通に遊びにきていたのに。
何か不快なことをしてしまっただろうか。
カカシは頭の後ろを掻きながらため息を吐いた。


そんなことが1週間、2週間と続けばカカシもだんだんと焦ってくる。
任務終わり、綱手のところによるとサクラはもう帰ったと言われ、この春から一人暮らしを始めたサクラの部屋に連絡もせず訪れた。

「え、カカシ先生?」

突然現れたカカシにサクラは目を丸くして嬉しそうに笑うから本当に可愛い。
この子が自分の恋人だということが未だに信じられない。

「ちょっと近くに来たからさ。・・・上がってもいい?」

伺うように聞くと、先ほどまで嬉しそうにしていたサクラの表情が落ち込む。

「あ、その、部屋の片付けしてて、足の踏み場がなくて・・・」

また目線を逸らしながら断るサクラに肩を落とす。

「・・・そっか。急に来て悪かったな。帰るよ」
「うん・・・ごめんね、先生」
「いいよ。おやすみ」

別れの挨拶をして帰ろうと踵を返したとき、サクラからの安心したように息を吐く音を聞き逃さなかった。
閉まろうと玄関のドアを手を入れて止めるとサクラは目を見開く。

「せ、せんせ?」
「・・・やっぱり入るよ」
「ちょ、ちょっと!」

無理やり部屋の中に入ろうとするのを押し留められて訝しむ。

「お前さ、なんか隠してるだろ」
「か、隠してなんかないわよ!いいから帰ってよ!」

玄関で追い出そうとするサクラにカカシの中の何かが切れて、サクラを壁に押し付けて無理やりキスをする。
そしてサクラの触れてこなかった胸に触ろうしたその時。


「ダメーーーー!!!」


ダイレクトにサクラの叫ぶ声が耳に響き頭がキーンとする。
サクラは涙目でカカシを睨む。

「何でダメなんだよ!オレのこと嫌いになったのか!?」
「ち、違う!まだダメなの!」
「まだって何が!」
「・・・が・・・ならなくて」
「え、何?」
「胸がまだ大きくなってないから!!」

顔を真っ赤にして胸を隠すサクラに、カカシはこれでもかというほどに目を見開いた。

「・・・何でそうなった?」
「だって、いつも先生の近くにいる女の人たち胸が大きいから。小さいままだと先生に見限られそうで・・・」

涙目でそう言うサクラにカカシの頬は緩まないはずがなかった。
いつも自分ばかりだと思っていたのにサクラもちゃんと好きでいてくれたんだと分かってこんな嬉しいことはない。
まさか胸のことで避けられるとは思ってはいなかったが。
それもカカシへを好いているからこその行動だ。
カカシはサクラを抱き抱えて、荷物が片付けられた綺麗な部屋に入りサクラをベッドに優しく降ろす。

「今のままでいいよ」
「・・・何で?小さいのが好きだから?」
「違うって。サクラが大好きだから」

不安そうにするサクラにカカシは優しく微笑んで唇を塞ぎ、チャックをゆっくりと下ろした。


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