「よし。じゃあ解散」

いつも通りの任務を終えて、カカシ先生の合図でサスケくんをデートに誘う。
そしてやっぱり断られて肩を落として落ち込んでいるとナルトにデートに誘われてもちろん振ってやった。
今度はナルトが肩を落とす後ろで先生が「お疲れ」と私たちに声をかけて去っていく。
それが私たち第七班の日常だった。

家に帰ってご飯を食べてお風呂に入って。
ベッドに入って、毛布を肩までかける。
今日も色んなことがあったなぁと目を瞑り、1日あったことを思い出そうとすると、何故か一番最初に思い浮かんだのはカカシ先生の笑顔だった。
パチリと目を見開き体を起こす。
いつもなら真っ先にサスケくんを思い出すのに。
なのに今日は先生で。
そりゃ先生の笑顔は好きだけど、好きだけど･･･

「･･･なんで？」



＊＊＊＊



「･･･サクラちゃん」
「なに？」
「何か先生にご用事？」
「ないけど」
「なら何でそんなに見てくるわけ？」
「別に」

そう言ってまたサクラはカカシの背中を穴が開きそうなほど凝視する。
朝待ち合わせ場所に来た時から何故かサクラはずっとカカシを見ていた。
任務の間もずっとサクラはカカシを見ていて、視線に敏感なカカシはその視線に落ち着かなかった。


カカシにとって簡単なはずの任務の苦行の時間は終わりを迎える。
いつものように今日の反省点を告げて解散の合図を出す。
結局サクラは何だったんだ？、と重々しくため息を吐くカカシは、後ろに気配を感じて振り返るといつから居たのかサクラが後ろに立っていた。
不覚にも動揺してしまい、上忍として恥ずかしい。

「ねぇ先生」
「な、何？」
「先生のこと好きって言ったらどうする？」

時が止まった。
冗談ではなく、本当に。

サクラをデートに誘おうとしていたナルト、1人帰ろうとしていたサスケ、そして告白をされたカカシは同じように目を丸くして固まっていた。
そんなことを気にしないサクラはじっとカカシの返事を待っている。

「･･･ビックリする」
「そうよね」

何とか口を開いたカカシの言葉にサクラは何でもないみたいに頷くのでまたカカシは驚かされる。
サクラは「そうよねぇ」と顎に手を当ててぶつぶつ呟きながら1人去っていった。
そんなサクラの背中を3人は呆然と見送り、

「･･･えぇー」

カカシの言葉がサクラの耳に入ることはなかった。