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short.2

カカシ先生と付き合うことになったけどキス止まり。
日中人目も憚らず18禁本を読んでいるあの先生が!?なんていのには驚かれ。
あの来るもの拒まずのアイツが!?なんて先生を知る人たちから言われて、もしかしたら私に魅力がないのかなって1人落ち込んだりしていたけど。
私を愛しているから大事にしたいのだと甘く囁かれたらそんな悩みなど吹き飛んでしまった。


そんなある日、カカシ先生が仲間たちと飲んで帰ってきた。
今日は来なくてもいいよ、と言われたけどやっぱり顔が見たいから鍵を借りて遊びにきている。
ご飯を食べて先生の蔵書を読んでいると、ガチャっとドアが開く音が聞こえた。

「カカシ先生!おかえりなさい!」

玄関まで出迎えに行くと、とろんとした表情の先生がへらって笑って私を抱きしめた。

「え、ちょっと先生!?」

身動きが出来ないほど強く抱きしめられ、その時漂ってきたお酒の匂い。
これは間違いなくかなり酔っ払ってる。

「ん〜・・・サクラぁ」
「せ、先生・・・!はなし・・・っ!」

手を差し込み胸を押して離れようとした時、いきなり唇を塞がれた。
しかもいつもの優しいのではなく、激しめの。

「ん、ふぁ、あっ」

激しく動くその舌に息が上手く吸えなくて苦しい。
体から力が抜け、気づいたら床に押し倒されていた。

「サクラ・・・」

首筋に顔を近づけて強く吸われる。
両手は頭の上に纏められて押さえつけられて、もう片方の手が服の中に入れられて体が跳ねる。

──怖い。

目の前にはカカシ先生なのに知らない男の人のように感じて恐怖心が芽生える。
いつの間にか服がはだけていて舌が胸を這う。
怖い、怖い、怖い・・・!

「いやぁ・・・!止めて、先生!!」

ピタッと身体を舐めていた先生が止まる。
そしてようやくこちらを見た先生はボロボロと泣く私を見て一気に青ざめて上から退く。
胸元を服で隠しながら体を起こすと先生は頭を抱えてこちらを見てくれない。
そして、

「・・・・・・ごめん」

それだけ言ってフラっと部屋を出て行った。
結局その日は先生が帰ってこなくて、それから先生に会えていない。
いくら探しても見つからない。
いつもなら気づいたら側にいてくれるのに。
これは確実に避けられている。
今はヤマト隊長が代わりに班に入っているから任務でも会えない。
こうなったら探すしかない。

任務終わりにヤマト隊長を捕まえて先生の居場所を聞き出すと今日は自分の執務室に缶詰になっているらしい。
日頃から書類を溜めている罰が当たったのだろう、と笑うヤマト隊長にお礼を言って教えてもらった場所を目指す。
"はたけカカシ"と書かれたネームプレートを確認してドアを3回ノックする。
しかし反応はなく、もう一度ノックするもやはり応答はない。
どうしたものか、と何となくドアノブを捻るとそれは簡単に開いた。

「先生・・・?」

ドアの隙間から顔を覗かせると、そこには先生が机に俯して動かない。

「カカシ先生!!」

私は慌てて部屋の中に入り、先生の額に手を当てると明らかに発熱をしていた。

「大変・・・!」

私は廊下に出て近くにいた人に頼んで救護室に運んだ。

 

「ん・・・」

救護室に運ばれて半刻経った頃、先生は目を覚ました。
先生は虚な目を動かして私を捉える。
高熱ではあったが疲れからきているものだろうと当直の医師から診断をされた。
恐らく倒れるまで疲れさせてしまったのは私のせいだ。

「サクラ・・・どうして泣いてるんだ・・・」

頬に手を伸ばされて、そこで自分が泣いていることにようやく気づいた。
私はグッとスカートを握りしめる。

「どうして・・・?熱で動けなくなってるの見たらこうなるわよ!」

涙を溢しながら怒鳴ると先生は申し訳なさそうに眉を下げる。

「悪かった・・・この間も」
「先生は、私とそういうことしたいの?」
「うん。したい」
「我慢、してたの・・・?」
「サクラは初めてだし、無理させたくなかったから。もう少し大人になったらって思ってたんだけど。ごめんな、怖がらせて」

体を起こして謝る先生に首をブンブンと横に振る。

「確かに怖かったわ。先生が知らない男の人のようにも見えた」
「・・・・・・」

俯く先生の手を握ると今までにないぐらいの情けない顔をしていて。
そんな顔すらも愛おしくてしょうがなくて私は微笑む。

「でも先生は先生だもの。勝手に離れていこうとするなんて許さない。絶対にこの手は離してあげないんだから」
「サクラ・・・」

ギュッと熱い手を握るとようやく先生も微笑する。
確かにあの夜は怖かったけど、それよりも・・・。

「それに、あんな先生見たら私も、その・・・」

あの夜のことを思い出して私も体が熱くなる。
モジモジとしていると、先生は閃いた顔をしていつもの意地悪い顔をして笑う。

「もしかしてサクラもオレとしたくなった?」

揶揄う声に思わず先生の頭を叩きたくなったが羞恥心よりも欲望が強く、素直に頷くと先生の顔が赤くなる。

「・・・やばい、熱上がりそう」
「え!ちゃんと休んで治してよ!」

パタリと後ろに倒れる先生に慌てて毛布をかける。
風邪が悪化したら大変。

「先生寝る前にお水飲む?汗かいてるだろうから」
「サクラ」

テーブルに置いてある水を取ろうとするとその手を掴まれる。
そしてそのまま先生は自分の口に誘導して指先にキスをされる。

「熱下がって元気になったらさ、ちゃんとさせて」

先生が何を言いたいのか分かり、また顔を熱くなる。
狼狽える私を他所に安心したように先生は寝息を立て始めた。

──言いたいことだけ言って寝るなんて、本当自分勝手なんだから・・・

1人取り残された私は寝ているのを良いことにこっそりとおやすみのキスを贈った。


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