short.2
くノ一の中で稀に起きる病気がある。
それは体のどこかに花の痣が現れ、それはどんどん体に広がっていく。
そしてそれが一定量を超えると死に至るという奇病だ。
治療方法は未だに見つかっておらず、唯一助かる方法は、
──異性とのキス
キスをするとその痣は相手に移り、生涯の伴侶としなければならない。
この病気を知るものはくノ一と、ごく一部の忍のみ。
サクラの手の甲に桜の痣が現れたのは七班が実質解散状態になって暫くした頃。
朝起きた時に見たのは、昨日までなかった花の痣。
医療に携わる者として最初に覚える奇病だ。
すぐに綱手に見てもらい、苦虫を噛み潰したような顔で正式に診断された。
病気はゆっくりと、それでもじっくりと広がり、最初は短い手袋で隠れたが包帯、肘まである手袋、長袖で隠すしかなかった。
時折サクラの様子を見に来ていたカカシはその様子を訝しんでいた。
修行の休憩中、サクラは人が寄りつかないところにあるベンチに1人座り袖をまくる。
甲にあった痣は二の腕まで広がり、病気じゃなければ綺麗だと思える桜の花を咲かせていた。
サクラに咲いた桜。
こんな皮肉みたいなことがあるのかとサクラは失笑する。
恐らくもう時間がない。
唯一治せる方法があるが頼める相手などいるはずもない。
もうこのまま諦めて桜のように散る時を待つしかないのか。
サクラの瞳が涙で滲み、視界が歪んだその時、徐に腕を掴み上げられる。
驚いて目を見開くと、そこには怖い顔をして痣が広がっている腕を見るカカシが立っていた。
──見られた。
里一の忍と謳われているカカシがこの病気を知らないわけがない。
それに目の前に現れたのに全く気づかなかった。
そりゃ上忍が完全に気配を消したら下忍が気づけるはずがない。
カカシが怖い顔をままサクラを見る。
「なんでこうなるまで黙ってたんだ」
「だって!こんなこと言えるわけないじゃない!相手にも迷惑かけるし、それなら私1人だけで──」
また涙がボタボタと流れ、拭っていると手が離されて代わりに唇を塞がれる。
何が起きたのか一瞬分からなかった。
温かい何かが唇に触れていて、初めて見るカカシの素顔にキスをされたのだとようやく分かった。
戦慄くサクラを無視してカカシは自身の甲に現れた桜の痣に関心している。
サクラの痣も二の腕まであったのが最初の頃に戻っていた。
「おー、本当に現れた」
「な、何してんのよ先生!」
「何って、キス」
「ば!き、キスしたら結婚しなきゃいけないのよ!同情なんかで結婚されたくない!!」
けろっとしている男にサクラの怒りは最高潮になる。
これが嫌だったから誰にも言わなかったのに。
泣きながら怒っているとカカシは指で涙を拭い真剣な顔をする。
「同情じゃない。サクラに死なれたら嫌だし、他のやつに奪われたくないから」
「どうして」
「サクラを愛してるからに決まってるでしょ」
突然の愛の告白にサクラはポカンとし、カカシはそんなサクラに失笑して今度はこの意味が分かるように時間をかけてキスをした。
それは体のどこかに花の痣が現れ、それはどんどん体に広がっていく。
そしてそれが一定量を超えると死に至るという奇病だ。
治療方法は未だに見つかっておらず、唯一助かる方法は、
──異性とのキス
キスをするとその痣は相手に移り、生涯の伴侶としなければならない。
この病気を知るものはくノ一と、ごく一部の忍のみ。
サクラの手の甲に桜の痣が現れたのは七班が実質解散状態になって暫くした頃。
朝起きた時に見たのは、昨日までなかった花の痣。
医療に携わる者として最初に覚える奇病だ。
すぐに綱手に見てもらい、苦虫を噛み潰したような顔で正式に診断された。
病気はゆっくりと、それでもじっくりと広がり、最初は短い手袋で隠れたが包帯、肘まである手袋、長袖で隠すしかなかった。
時折サクラの様子を見に来ていたカカシはその様子を訝しんでいた。
修行の休憩中、サクラは人が寄りつかないところにあるベンチに1人座り袖をまくる。
甲にあった痣は二の腕まで広がり、病気じゃなければ綺麗だと思える桜の花を咲かせていた。
サクラに咲いた桜。
こんな皮肉みたいなことがあるのかとサクラは失笑する。
恐らくもう時間がない。
唯一治せる方法があるが頼める相手などいるはずもない。
もうこのまま諦めて桜のように散る時を待つしかないのか。
サクラの瞳が涙で滲み、視界が歪んだその時、徐に腕を掴み上げられる。
驚いて目を見開くと、そこには怖い顔をして痣が広がっている腕を見るカカシが立っていた。
──見られた。
里一の忍と謳われているカカシがこの病気を知らないわけがない。
それに目の前に現れたのに全く気づかなかった。
そりゃ上忍が完全に気配を消したら下忍が気づけるはずがない。
カカシが怖い顔をままサクラを見る。
「なんでこうなるまで黙ってたんだ」
「だって!こんなこと言えるわけないじゃない!相手にも迷惑かけるし、それなら私1人だけで──」
また涙がボタボタと流れ、拭っていると手が離されて代わりに唇を塞がれる。
何が起きたのか一瞬分からなかった。
温かい何かが唇に触れていて、初めて見るカカシの素顔にキスをされたのだとようやく分かった。
戦慄くサクラを無視してカカシは自身の甲に現れた桜の痣に関心している。
サクラの痣も二の腕まであったのが最初の頃に戻っていた。
「おー、本当に現れた」
「な、何してんのよ先生!」
「何って、キス」
「ば!き、キスしたら結婚しなきゃいけないのよ!同情なんかで結婚されたくない!!」
けろっとしている男にサクラの怒りは最高潮になる。
これが嫌だったから誰にも言わなかったのに。
泣きながら怒っているとカカシは指で涙を拭い真剣な顔をする。
「同情じゃない。サクラに死なれたら嫌だし、他のやつに奪われたくないから」
「どうして」
「サクラを愛してるからに決まってるでしょ」
突然の愛の告白にサクラはポカンとし、カカシはそんなサクラに失笑して今度はこの意味が分かるように時間をかけてキスをした。
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