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short.2

サクラが何かを悩んでいる。
火影の執務室に寄った時にオレに気づかないほど思い詰めた顔をしていた。
もしかしたら修行に行き詰まっているのかもしれない。
綱手様は容赦がないから。
ここは上司として可愛い部下の悩みを解決してあげようと、修行に付き合ってあげることにした。

いつもの第三演習場で1対1の組み手をすることに。
下忍の頃より動けるようになって、しかも綱手様譲りの怪力もついたことに師として嬉しくなり、思わず本気になってしまった。
休憩時間、ヘトヘトになって座るサクラの横に腰掛ける。
それとなく悩みがあるのではないか、と聞くとサクラは目線を落として近くにあった小枝を手に取り地面に絵を描き始める。
サクラは何も言おうとしないのでオレもただ待ち、サクラの絵の行く末を見守っていた。
暫くして口を開いたサクラの悩みはまさかの恋愛相談だった。
自分なんかで大丈夫なのだろうか、と内心冷や汗をかく。
そんなオレの心情を知らないサクラは言葉を続けた。
どうやらサクラの想い人はサスケではなくなったらしく、しかも簡単に告白を出来る相手ではないらしい。
それなりに信頼関係のある人物で、告白して今の関係が崩れるのが怖くて長く片想いをしているのだとか。

「やっぱり今の関係を壊したくないけど、この気持ちを抑えることが出来なくて・・・」
「そいつがどう思うか分からないけど、一途に思われてるなんて男からしたらすんごい嬉しいことなんだよ。しかも告白されたらその子のことしか考えれなくなったりね」
「・・・先生も?」
「え、オレ?オレはー・・・たぶんそうなんじゃないか?」

そんな真っ直ぐな告白をされたことがないから濁しながら答える。
過去に色々ありすぎて純粋な恋愛をしてこず、一夜限りのオトモダチとばかり仲良くしていたこんな男に恋愛相談で大丈夫なのだろうか。
心配になりチラッとサクラの顔を見ると、何故か満面の笑みを浮かべていた。

「そっか・・・そっか!」

何度も頷いて今まで見たことのない、子供ではない顔でこちらを見てくるので思わずドキッとしてしまった。

「ありがとう先生!スッキリしたわ!」
「・・・それは良かった」
「うん!それじゃあ、またね!」

サクラは元気に走って去っていき、1人演習場に取り残される。

「そんな一途に思ってもらえる男が羨ましいねぇ」

知らないところでどんどん成長していく彼女に少し寂しく思いながら、オレも立ち上がって演習場を後にした。

数日後、サクラの突然の告白に度肝を抜かされるとも知らずに。


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