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short.2

「ふわぁ・・・」

任務が立て続けに入り、久々の休みの日。
今日は思う存分惰眠を貪ろうと決め、起きた時には昼を過ぎていた。
こんなにだらけてたら怒られるなー、と元教え子の薄紅色の少女のことを考えながら洗面所のドアを開けると、


そこには、服を脱ごうとしているその少女がいた。


サクラは肩まで服を捲くし上げた状態で、目を丸くして固まっている。
お互い目が合った状態で暫くそのまま見つめ合い、オレの目線が下がる。
白く引き締まったお腹、少し目線を上げればピンク色の──。

「わ、悪い!!」

オレは慌てて洗面所のドアを閉めた。
数々の任務をこなし、冷静に物事を考えてやってきたはずのオレの頭の中はグルグルと渦巻く。
洗面所のドアが開いて肩が跳ねる。

「ごめんなさい。ちょっと汗流したくて。シャワー借りてもいいですか?」
「あ、あぁ。いいよ」
「ありがとうございます」

ぎこちなく頷くと、サクラは微笑んでまたドアを閉めた。
暫くして部屋の奥からシャワーの音が聞こえ、オレは壁にもたれかかって大きくため息を吐き、
頭を抱えた。



****



「はー、サッパリした。ありがとうございました」
「あ、あぁ・・・」

頬を赤く染めたサクラが髪をタオルで拭きながら現れる。
何故かその姿が異様に色っぽくて、まともに見れない。
サクラがシャワーを浴びている間に何とか落ち着くことが出来たので、ずっと聴きたかったことを聞く。

「──サクラ」
「はい?」

鞄の中からお茶を取り出して飲んでいたサクラがこちらを振り向く。


「・・・お前、何でここにいるんだ?」


オレとサクラは恋人ではない。
身体の関係でもないし、ただの師弟関係で。
だからここにサクラがいることがおかしいのだ。
寝る前に鍵が閉まっていることは確認したし、合鍵だって渡してはいない。
それに昨日はサクラには合っていないはずだ。
昨日は任務が終わって、受付で報告書を出してそのまま直帰している。
だから連れ込んではいない、と思いたい。
オレは背中を流れる冷や汗を感じながら、真剣な顔でサクラの返事を待つ。

サクラはオレの言葉にキョトン、とした顔をして、
妖しく微笑んだ。


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