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short.2

「痛い!!」

任務中、小石に躓いて派手に転んだサクラの足に消毒液をかけると、かなり痛かったのかサクラはオレを蹴り飛ばした。
思わぬ反撃によろめいて地面に手を付いてしまった。

「って・・・何すんのサクラ・・・」
「だって痛いんだもん!」
「サクラの不注意が原因でしょ。我慢しなさい」
「痛く・・・しないでね?」

瞳を潤ませて上目使いをするサクラに思わず固まる。
ほんのコンマだけだったからかサクラには気づかれておらず、曖昧に笑う。

「それ、別の時に聞いてみたいなぁ」
「え?」

首を傾げるサクラの足にまた消毒液をかけると今度は頬を叩く音があたりに響いた。




それから数年後、何の因果か付き合うことになっていたオレ達は今、ベッドの上で裸になっていた。
震えるサクラに覆い被さり、時間をかけて解した秘部に自身をあてがい進めようとするも、そこは強張り異物の侵入を拒んでいる。

「サクラ・・・力、抜いて」
「う、ん・・・」

それでもシーツを掴む手は強くなり、唇を噛み締めるサクラの耳元に顔を近づける。

「サクラ。あれ、言ってよ」
「あ、れ・・・?」
「痛くしないでね、ってやつ」
「あ・・・あれ、そう言う意味!?」

意識が逸れた隙にサクラの中の奥まで侵入すると、サクラが小さく悲鳴を上げて背が仰反る。
ギュウギュウと締め付けられて危うく達してしまいそうになり、息を吐いて落ち着かせる。
サクラを見ると目を瞑りボロボロと涙を溢していた。
その涙を舌で舐めると砂糖のように甘くて、甘いのは嫌いなのにいくらでも舐めていたくなるほどで。
頬に唇を落としているとサクラは瞳をゆっくり開ける。
翡翠の瞳は涙で潤み、宝石のように輝くそれはサクラの魅力を何倍にも膨れ上がらせる。
数年前のあの日も同じように潤ませていたのに、いつのまにこんなふうに女の瞳をするようになったのか。
顔を近づけるとサクラはまた瞳を閉じるので唇を合わせて舌を絡ませる。
唇の隙間から漏れるサクラの声に我慢の限界だった。

「あの時より痛いだろうけど、我慢して。──動くよ」

部屋にサクラの艶のある声が響いた。


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