short.2
◯ドキドキさせたい
いつも余裕綽々のカカシをドキドキさせたいけど、経験が少ないサクラには百戦錬磨のカカシをドキドキさせる方法が分からない。
色々探りを入れても良かったけどすぐにバレそうな気がしたのでカカシに直接聞くことにした。
サクラの質問にカカシは目を丸くし、愛おしそうに笑った。
「サクラに出逢ってから毎日ドキドキしてるよ」
◯受け継ぐもの
サクラが綱手の意思を継いで医療の礎になって里はすごく発展した。
しかし。
「胸は継がなかったみたいだね」
「・・・六代目。どうしたんすか、それ」
次の日、執務室に入ってきたシカマルが椅子に座るカカシの頬を指摘する。
口布を付けていても分かるほどの腫れた頬をカカシは摩る。
「ちょっと、飼い猫に噛まれちゃってね・・・」
はは、と笑うカカシに、シカマルは先程廊下ですれ違ったサクラの様子を思い出す。
明らかな機嫌の悪さにすれ違う人々は慄いていた。
2人が付き合っていることを知っているシカマルはすぐにこの男が原因だと察して肩をすくめてため息を吐いた。
◯月が綺麗ですね
ツーマンセルの簡単な任務だったが、道中足を挫いて歩けなくなっている女の人を見つけて集落まで運んであげた。
その後にお礼にと豪華なご飯が用意され、たらふく食べて女性と別れて木ノ葉に帰ってきた時には日付が変わろうとしていた。
「すっかり遅くなっちゃったね」
「そうですね」
イチャパラを片手に歩く男の横を歩く。
本に集中しているように見えるが歩くスピードは私に合わせてゆっくりと歩いてくれる。
こんなさりげないところも好きだと思ってしまう自分が悔しい。
秘めた想いを隣の男に告げることもできず、気づかれないように小さくため息を吐くと「サクラ」と呼ばれる。
顔を隣に向けると、カカシ先生は顔を上に向けていた。
同じように顔を上げると、たくさんの星の中に丸々とした大きな月が夜空に浮かび上がっていた。
今日は満月だったのか、と笑みが溢れて先生を見ると、先生もこちらを見て笑みを浮かべていた。
「月が綺麗だね」
ニコリ、と微笑むカカシにサクラは顔が赤くなる。
周りは電灯しか付いていなくて暗闇じゃ赤るみは見えにくいだろうけど、この人には見えてしまう気がして私は慌てて顔を逸らす。
「どうした?サクラ」
いきなり顔を背けるから当然の質問が後ろから聞こえるが、まだ顔の熱が治りそうになくて振り向けない。
「本でも読んで自分で考えてください!」
また後ろから「うーん?」と唸る声が聞こえる。
大人で上忍で戦闘中はあんなにカッコ良いのに。
普段はだらしなくて恋愛ごとはとことん疎くて。
なんでこんな男を好きになってしまったんだろうか、と顔を上げるとちょうど気持ちが良い風が吹いて頬を冷ましてくれた。
◯悪夢
「先生別れて欲しいの」
「どうして!」
泣きそうな顔で別れ話をするサクラの肩を掴む。
「この子と付き合いたいから・・・」
サクラが後ろに顔を向けると、そこには金髪のツインテールの少女の後ろ姿。
そいつが振り返ると、その顔はナルト──。
「うわぁぁぁぁ!!」
「きゃあ!!」
飛び起きるとそこは自分の部屋のベッドの上。
心臓が尋常ではないほど跳ねまくり、息は乱れて冷や汗が止まらない。
「なに、どうしたの先生・・・」
隣を見るとオレの叫び声で起きたらしいサクラが胸元をシーツで隠して心配そうな顔をしている。
ようやく自分が夢を見ていたことに気づく。
よりにもよって女に変化したナルトだなんて・・・。
「・・・悪夢すぎる」
◯1分1秒、側にいたいから
1分1秒もサクラから離れたくないとカカシは言い出した。
常に側にいて、任務中もずっとくっ付いてナルト達から視線が突き刺さって落ち着かない。
ついに病院にも現れるようになって仕事中のサクラに付き纏うようになり、鬱陶しいといのはサクラから愚痴を聞かされていた。
病院勤務の休憩時間、トイレに行こうとしたら何故か女子トイレ付近に人だかりが出来ていた。
何事かと人の隙間から覗いてみると、そこにはトイレの前でサクラとサクラに怒られているカカシの姿があった。
遠くてよく聞こえないが、どうやらカカシがとうとうトイレの前で待ち伏せていてサクラの堪忍袋が切れた、といったところらしい。
サクラは本気で怒っているようだったがカカシはだらしない顔でニヤけている。
それが更にサクラの怒りをヒートアップさせ、ここがトイレの前だということを忘れて痴話喧嘩をしている2人にいのは肩をすくめてその場を立ち去った。
いつも余裕綽々のカカシをドキドキさせたいけど、経験が少ないサクラには百戦錬磨のカカシをドキドキさせる方法が分からない。
色々探りを入れても良かったけどすぐにバレそうな気がしたのでカカシに直接聞くことにした。
サクラの質問にカカシは目を丸くし、愛おしそうに笑った。
「サクラに出逢ってから毎日ドキドキしてるよ」
◯受け継ぐもの
サクラが綱手の意思を継いで医療の礎になって里はすごく発展した。
しかし。
「胸は継がなかったみたいだね」
「・・・六代目。どうしたんすか、それ」
次の日、執務室に入ってきたシカマルが椅子に座るカカシの頬を指摘する。
口布を付けていても分かるほどの腫れた頬をカカシは摩る。
「ちょっと、飼い猫に噛まれちゃってね・・・」
はは、と笑うカカシに、シカマルは先程廊下ですれ違ったサクラの様子を思い出す。
明らかな機嫌の悪さにすれ違う人々は慄いていた。
2人が付き合っていることを知っているシカマルはすぐにこの男が原因だと察して肩をすくめてため息を吐いた。
◯月が綺麗ですね
ツーマンセルの簡単な任務だったが、道中足を挫いて歩けなくなっている女の人を見つけて集落まで運んであげた。
その後にお礼にと豪華なご飯が用意され、たらふく食べて女性と別れて木ノ葉に帰ってきた時には日付が変わろうとしていた。
「すっかり遅くなっちゃったね」
「そうですね」
イチャパラを片手に歩く男の横を歩く。
本に集中しているように見えるが歩くスピードは私に合わせてゆっくりと歩いてくれる。
こんなさりげないところも好きだと思ってしまう自分が悔しい。
秘めた想いを隣の男に告げることもできず、気づかれないように小さくため息を吐くと「サクラ」と呼ばれる。
顔を隣に向けると、カカシ先生は顔を上に向けていた。
同じように顔を上げると、たくさんの星の中に丸々とした大きな月が夜空に浮かび上がっていた。
今日は満月だったのか、と笑みが溢れて先生を見ると、先生もこちらを見て笑みを浮かべていた。
「月が綺麗だね」
ニコリ、と微笑むカカシにサクラは顔が赤くなる。
周りは電灯しか付いていなくて暗闇じゃ赤るみは見えにくいだろうけど、この人には見えてしまう気がして私は慌てて顔を逸らす。
「どうした?サクラ」
いきなり顔を背けるから当然の質問が後ろから聞こえるが、まだ顔の熱が治りそうになくて振り向けない。
「本でも読んで自分で考えてください!」
また後ろから「うーん?」と唸る声が聞こえる。
大人で上忍で戦闘中はあんなにカッコ良いのに。
普段はだらしなくて恋愛ごとはとことん疎くて。
なんでこんな男を好きになってしまったんだろうか、と顔を上げるとちょうど気持ちが良い風が吹いて頬を冷ましてくれた。
◯悪夢
「先生別れて欲しいの」
「どうして!」
泣きそうな顔で別れ話をするサクラの肩を掴む。
「この子と付き合いたいから・・・」
サクラが後ろに顔を向けると、そこには金髪のツインテールの少女の後ろ姿。
そいつが振り返ると、その顔はナルト──。
「うわぁぁぁぁ!!」
「きゃあ!!」
飛び起きるとそこは自分の部屋のベッドの上。
心臓が尋常ではないほど跳ねまくり、息は乱れて冷や汗が止まらない。
「なに、どうしたの先生・・・」
隣を見るとオレの叫び声で起きたらしいサクラが胸元をシーツで隠して心配そうな顔をしている。
ようやく自分が夢を見ていたことに気づく。
よりにもよって女に変化したナルトだなんて・・・。
「・・・悪夢すぎる」
◯1分1秒、側にいたいから
1分1秒もサクラから離れたくないとカカシは言い出した。
常に側にいて、任務中もずっとくっ付いてナルト達から視線が突き刺さって落ち着かない。
ついに病院にも現れるようになって仕事中のサクラに付き纏うようになり、鬱陶しいといのはサクラから愚痴を聞かされていた。
病院勤務の休憩時間、トイレに行こうとしたら何故か女子トイレ付近に人だかりが出来ていた。
何事かと人の隙間から覗いてみると、そこにはトイレの前でサクラとサクラに怒られているカカシの姿があった。
遠くてよく聞こえないが、どうやらカカシがとうとうトイレの前で待ち伏せていてサクラの堪忍袋が切れた、といったところらしい。
サクラは本気で怒っているようだったがカカシはだらしない顔でニヤけている。
それが更にサクラの怒りをヒートアップさせ、ここがトイレの前だということを忘れて痴話喧嘩をしている2人にいのは肩をすくめてその場を立ち去った。
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