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short.2

◯それは可愛い

「ハルカは本当可愛いねぇ〜」

ハルカを抱きしめながら恥ずかしいぐらいデレデレの顔に、元教え子のナルトは若干引いていた。
あの頼もしい師は一体どこへやら。

「カカシ先生、本当ハルカちゃん好きだよね」
「当たり前だろ。サクラに似て可愛いんだから」

頭を撫でるとサクラ譲りの髪を持つ少女は嬉しそうに笑い、カカシも愛おしそうに笑う。
カカシの言葉にナルトは「確かに」と何度も頷いた。






◯見るな

目を瞑っているとカーテンの隙間から入る陽の光がちょうど顔に当たり、眉間に皺を寄せる。

──もう朝・・・?

眠気がすごくて、しかも身体が怠い。
もう少し寝ていたいと寝返りして身を縮こませていると、外から子供達が元気に走り回る声が聞こえて、聞こえて・・・?
朝、子供が走り回る時間・・・寝坊!!
一気に覚醒して飛び起きる。
周りを見ると今いる部屋は自分のではなく、全体的にモノトーンのカカシ先生の部屋。
ようやく意識がハッキリしてきて、今日は2人とも休みで昨日の夜から先生の部屋にお泊まりに来ていたことを思い出す。
とりあえず遅刻は回避できてホッと胸を撫で下ろしていると、隣から視線を感じた。
いつから起きてたのか隣で横になるカカシ先生はじっと私を見ていた。
いや、ガン見していた。
それは私の顔ではなく、顔の下辺りを。
下を向くと、自分が何も身に纏っていないことに気づいた。
昨日事が終わって何も着ずにそのまま寝てしまったから。
全身が真っ赤に染まり、慌てて掛け布団を引き上げる。
それでも隠しきれていない部分、背中やお尻に目線が動いたのが分かり、私は思い切り先生の顔を殴った。

グーで。






◯増えたって変わらない

私たちは食卓テーブルを挟んで向かいに椅子に座る。
先生は腕を組んで怒った顔をして、私は肩身を狭くして俯く。
こうなった原因は私のダイエットだ。
2kg太ってしまい、無理なダイエットをしていたのがバレてしまったのだ。
昔から私がダイエットすることを良しとしていない先生から一喝された。

「もうダイエットは辞めなさい」
「だって太ったんだもん」
「たった数キロ増えたぐらい変わらないだろ」
「数字が証明してるのよ!ちゃんと見てよ!」
「見てるよ。どれだけ見てもオレが好きなサクラだから変わらない」

直球的な言葉に息を飲む。
その言葉にニヤけそうになるも、悔しいからまだ不満気の表情を作ってそっぽを向く。
もうダイエットのことは頭の中から消えていた。






◯サクラだと思ったら

「う〜ん・・・」

ベッドの上でうつ伏せになり雑誌を読んでいると、隣で腰掛ける先生が何故か唸り声を上げていた。
そちらを見れば難しい顔で手元の雑誌を見つめている。

「どうしたの?」
「いやね、このグラビアアイドル見てもなんとも思わなかったのに、サクラだと思ったら一瞬で勃っちゃった」

先生は持っていた雑誌の中身をこちらに向けてくる。
そこには大胆な水着を着てポーズをとっているグラビアアイドルの一面写真。
「顔は似てないんだけど、ほら。胸の大きさが同じでしょ」と先生は女性の胸あたりを指差しながら説明してくるけどどう反応しろと言うのか。
私はとりあえず先生の雑誌を引ったくって思い切り頭に叩きつけた。






◯その日まで強く結んで

「カカシ先生。私、サスケくんと結婚することにしたの」
「そう。おめでとう」

ベッドに押し倒され、そう言っても先生は私の服を脱がすのをやめなかった。
服と下着は床に投げ捨てられ、先生は猫のように胸の先で硬くなっているのを舌先で舐めてそれに反応して腰が跳ねる。
それに気を良くした先生は強く吸って私の口から女の声が漏れた。

いつからかこんなふうに恋人ではない夜を過ごしてきた。
そして先日恋人であるサスケくんにプロポーズをされて指輪を受け取った。
たぶん煮え切らない男へと当てつけだったのかもしれない。
恋人じゃないのに恋人のように、愛おしそうに見つめてくるこの人への。
だから結婚すると言えばこんな関係が終わると思ったのに先生は辞める気がないらしい。
そして私はこの手を拒むつもりはないし、強く結び合った手を離すつもりもない。

いつかサスケくんに一緒に殺されるその日まで。


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