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short.2

◯一触即発

──イライラする。

サスケの視線の先にいるサクラは嬉しそうに笑い、頬を染めている。
しかしサクラが見ているのはサスケではなく、第七班の上忍師であるカカシ。
いつからか、いつも自分に向けていたその顔がカカシに向けられていることに気づいた。
いつまでも自分を見ていると思ったのに。
サスケが睨んでいることに気づいたカカシ小さく笑ってサクラの頭を撫でる。
そうするとサクラの白い頬が更に赤くなり、その表情にサスケは殺しそうなほどの殺気を立て、カカシは挑発的な視線を送る。
二人が一触即発なことをサクラは知らなかった。






◯2つの桃色

目の前で桃色が2つ揺れている。
小さい桃が大きい桃と手を繋いで楽しそうに歩いている。
可愛らしい背中を眺めながらゆっくり歩いていると2人が振り返る。
お、と思っていると2人はこっちに向かってきてオレの手を片方ずつ掴んだ。
パパ遅い、と2人は文句を言いながら手を引っ張ってくれて、幸せな時間に頬を緩ませた。






◯天使のブラ

「ふふふ・・・!」

鏡に映る私は口角を上げて怪しい笑みを浮かべていた。
何故なら今の私の胸には谷間が出来ているのだ。
先日いのと行った下着屋さんで店員さんオススメの胸を寄せて谷間を作るブラを買ってみた。
いのやカカシ先生には私の胸で谷間は一生無理だと言われてきたけど。
これを使えば私だって出来るのだと証明された。
1人鏡の前でニヤけていると、お風呂から上がってきた先生は私を見ている。
いや、私と言うよりは胸、谷間を。
そして何故か悲しげな、というよりもガッカリしたような表情になった。
最初その意味が分からなかったけど、ある理由が頭に浮かんで寝室に戻る。
いつもの、谷間の出来ないブラを付けてくると先生は嬉しそうに笑って頷き、私は心底複雑な気持ちになった。






◯髪を解くのもまた楽しみ

私と先生にはどうしよもない埋めれないものがある。
それは年齢、年の差だ。
階級は私が頑張れば数年後に同じ上忍になれるだろうが、14という年はどう頑張っても縮まることはない。
隣に並ぶと更に私の幼さが際立つ。
それが辛くて悲しくて。
せめて見た目だけでもと化粧を勉強したり大人っぽい髪型に挑戦したり。
任務や修行の合間にちまちまと練習をしてようやく取得することが出来た。
大人っぽい格好で部屋を訪れた私を先生は上から下まで見る。

「どう?」
「うん、よく似合ってる」

嘘偽りのない言葉に嬉しくて頬を綻ばせると、先生はいきなり私を抱き抱えてベッドに降ろした。
覆い被さる先生は今日のために頑張って巻いてきた髪に触れる。

「でもオレは髪型は何でもいいよ」
「・・・どうしてよ」
「どうせこうやってほどくんだから」

大きな手が頭の後ろに回り、ハーフアップで結んでいたヘアゴムを解いた。






◯首輪

些細なことで喧嘩して、横に並びたくなくて先生の少し前を歩く。
歩幅が違うからすぐに横に並ばれるけど歩くスピードを早めてまた数歩先を歩く。
怒りながらもちゃんと付いてきているか確認していると、後ろを歩いていたはずの先生は女の人数人に捕まっていた。
どうもお茶に誘われている感じで先生は断っているが獲物を見つけた女はしつこい。
1人がチラッと私を見て明らかに馬鹿にするように笑った。
その顔にムカッときて、私は足音をわざと鳴らしながら先生に近づいて、腕を引っ張って女達から引き離す。
後ろからから文句が聞こえたけど無視して引っ張りながら歩いていると、その手を解かれて代わりに温かいのが触れて指が絡む。
思わず肩が跳ねてしまったけど悔しいから振り返らず、暫く歩いて肩越しに先生を見ると、先生は幸せそうに笑いながら私を見つめていた。
さっきまで怒ってたのにこんな顔見たらどっか行ってしまった。

そういえばそろそろ先生の誕生日。
私から離れないように首輪でも買ってしまおうか。


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