short.2
木ノ葉では上忍師とその生徒の恋愛はご法度。
見つかれば生徒は別の班に入れられるかアカデミーに戻されるか。
そして上忍は良くて師を辞めさせられるだけで済み、悪くて戦地に送られて二度と木ノ葉の地を踏むことはできなくなる。
絶対にそんなことは嫌なのに、当の本人はしょっちゅう私にくっ付いてきたり、みんなの目があるのに告白をしたり。
そのたびに火影に呼び出されて注意を受けているのに懲りもせずに私に好意を向けてくる。
担当を外されるかもしれないから辞めてって言ってるのに『そうなったら堂々と付き合えるね』と楽観的な先生に腹が立つ。
私はこれならも4人でいたいと思うのに先生は違うのだろうか。
それから数日後、ずっと考えていたことが起きた。
いつものように橋の上で待っていると知らない上忍の人が現れて、自分がこれから監督すると言ってきた。
私は顔から血の気が引いた。
ついにその日が来たのだと。
私は任務が終わって急いで先生の家に行き、肩で息をしながらインターホンを鳴らす。
暫く待っても住人は出てこず、私は近所迷惑など考えずに連打しながら名前を呼ぶ。
「・・・せんせ、カカシ先生!!」
もしかしたらもうこの部屋には誰もいなくて、カカシ先生ともう二度と会えないんじゃないか。
悪い方に悪い方にばかり考えてしまって、涙がどんどん溢れる。
その時、ドアがゆっくりと開く。
「・・・サクラ?」
そこから現れた顔はこの部屋の持ち主で、間違いなくカカシ先生だった。
私はすぐに胸に飛びつく。
その暖かさといつもの匂いに本物だと実感できた。
「どうした、何かあったのか・・・?」
先生が優しく頭を撫でてくれる。
ふと、その手がいつもより熱く感じた。
それは手だけではなく抱きつく体も熱い。
それにいつもより呂律が回っていない。
「先生、もしかして体調悪いの?」
「あれ・・・今日代わりの上忍が行ってるはずだけど聞いてない?」
「・・・代わり?」
私たちは顔を見合わせて首を傾げる。
「風邪引いたって連絡したらちゃんと治せって三代目に言われて、復帰するまでの間に代わりのやつが入ることになってるはずなんだけど」
「え、じゃあ・・・治ったら先生戻ってくるの?」
「当たり前でしょ?オレは七班の担当上忍なんだから」
「なんだ・・・そっか・・・」
私は安心して床に座り込む。
別の人が来た時に頭の中がグルグルしてたから話を聞いていなかったらしい。
自分の早とちりに恥ずかしくなっていると、先生がゆっくりしゃがみ込む。
「もしかしてオレがどっか行くと思ったの?オレと離れたくないってことはサクラ、オレのこと好きなんじゃない?」
先生は嬉しそうに顔を覗き込んでくる。
早とちりとはいえ、確かに先生がいなくなると思ったら寂しくてすごく嫌だった。
もしかしたら私も先生のことが好きなのかもって思ったけど、それを今伝えるのはものすごく悔しい。
「・・・それはちゃんと風邪が治ってから!」
「えー?今じゃダメ?」
「ダメ!」
私は恥ずかしさのあまり立ち上がり、先生に背を向ける。
先生は喉の奥で笑いながらしゃがんだまま私の手を握る。
「分かったよ。風邪治ったら聞かせてくれる?」
「・・・うん」
頷くと先生はぎゅっと強く手を握った。
さっきより先生の手が熱く感じないのは私も同じぐらい赤くなっているからだろう。
見つかれば生徒は別の班に入れられるかアカデミーに戻されるか。
そして上忍は良くて師を辞めさせられるだけで済み、悪くて戦地に送られて二度と木ノ葉の地を踏むことはできなくなる。
絶対にそんなことは嫌なのに、当の本人はしょっちゅう私にくっ付いてきたり、みんなの目があるのに告白をしたり。
そのたびに火影に呼び出されて注意を受けているのに懲りもせずに私に好意を向けてくる。
担当を外されるかもしれないから辞めてって言ってるのに『そうなったら堂々と付き合えるね』と楽観的な先生に腹が立つ。
私はこれならも4人でいたいと思うのに先生は違うのだろうか。
それから数日後、ずっと考えていたことが起きた。
いつものように橋の上で待っていると知らない上忍の人が現れて、自分がこれから監督すると言ってきた。
私は顔から血の気が引いた。
ついにその日が来たのだと。
私は任務が終わって急いで先生の家に行き、肩で息をしながらインターホンを鳴らす。
暫く待っても住人は出てこず、私は近所迷惑など考えずに連打しながら名前を呼ぶ。
「・・・せんせ、カカシ先生!!」
もしかしたらもうこの部屋には誰もいなくて、カカシ先生ともう二度と会えないんじゃないか。
悪い方に悪い方にばかり考えてしまって、涙がどんどん溢れる。
その時、ドアがゆっくりと開く。
「・・・サクラ?」
そこから現れた顔はこの部屋の持ち主で、間違いなくカカシ先生だった。
私はすぐに胸に飛びつく。
その暖かさといつもの匂いに本物だと実感できた。
「どうした、何かあったのか・・・?」
先生が優しく頭を撫でてくれる。
ふと、その手がいつもより熱く感じた。
それは手だけではなく抱きつく体も熱い。
それにいつもより呂律が回っていない。
「先生、もしかして体調悪いの?」
「あれ・・・今日代わりの上忍が行ってるはずだけど聞いてない?」
「・・・代わり?」
私たちは顔を見合わせて首を傾げる。
「風邪引いたって連絡したらちゃんと治せって三代目に言われて、復帰するまでの間に代わりのやつが入ることになってるはずなんだけど」
「え、じゃあ・・・治ったら先生戻ってくるの?」
「当たり前でしょ?オレは七班の担当上忍なんだから」
「なんだ・・・そっか・・・」
私は安心して床に座り込む。
別の人が来た時に頭の中がグルグルしてたから話を聞いていなかったらしい。
自分の早とちりに恥ずかしくなっていると、先生がゆっくりしゃがみ込む。
「もしかしてオレがどっか行くと思ったの?オレと離れたくないってことはサクラ、オレのこと好きなんじゃない?」
先生は嬉しそうに顔を覗き込んでくる。
早とちりとはいえ、確かに先生がいなくなると思ったら寂しくてすごく嫌だった。
もしかしたら私も先生のことが好きなのかもって思ったけど、それを今伝えるのはものすごく悔しい。
「・・・それはちゃんと風邪が治ってから!」
「えー?今じゃダメ?」
「ダメ!」
私は恥ずかしさのあまり立ち上がり、先生に背を向ける。
先生は喉の奥で笑いながらしゃがんだまま私の手を握る。
「分かったよ。風邪治ったら聞かせてくれる?」
「・・・うん」
頷くと先生はぎゅっと強く手を握った。
さっきより先生の手が熱く感じないのは私も同じぐらい赤くなっているからだろう。
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