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short.2

「・・・カカシ先生、サボってないでちゃんと仕事してくださいよ」

今日は木ノ葉の里に新しく出来た本屋さんのお手伝いの任務。
みながそれぞれエプロンを付けて仕事をしている中、この男はいつもの本を読んで寛いでいる。
先生は本から顔を上げて微笑む。

「オレは店長だから、大事な店員に何かあったときの為に待機してんの」
「・・・もう」

昔から簡単な任務は手伝わない人のことは諦めて本が入った段ボールを持ち上げる。
後ろから「さすがぁ」と冷やかしの声が聞こえたけど無視してその場を離れた。

積み上げた本を片手で持って本を補充していく。
昔から本が好きだから今回の任務は私にとって天国のような仕事だ。
鼻歌を歌いながら隙間を埋めていると後ろに人の気配を感じてお客様かなって油断してしまった自分を叱りたい。
妙に距離が近いなと思っているとお尻に当たるものに背筋が粟立った。
頭の上で荒い鼻息、お尻をズボンの上から何度も撫でる手。
何もかもが気持ち悪い。
殴りたいけど両手には大事な本が。
抵抗出来ないことを良いことに男の手は大胆になってきて、もう片方の手が胸に触れようとする。

(や・・・!カカシ先生・・・!)

ギュッと目を瞑り師に助けを求める。

「ガッ!!」

その時、後ろから変な声が聞こえ気持ち悪い手からも解放される。
恐る恐る振り返ると、先生が男の腕を捻り床に押さえつけていた。

「先生・・・」

先生はこちらを見ないで騒ぎを聞きつけたナルトとサスケくんに犯人を渡し、無言で私の手を引いて歩いた。
スタッフの部屋に連れていかれて何も言わない先生は奥にあるウォーターサーバーからお水を入れて渡してくれる。
それを受け通って飲む。

「大丈夫か?」
「・・・うん」

小さく頷くと先生は安心したように息を吐いて私の頭を撫でようとする。
でも直前で止まって手は下ろされた。
顔を上げると先生は眉を下げて困ったように笑う。

「オレは先に戻っとくからサクラは落ち着いたら──」
「待って!」

背を向けて部屋を出ようとする先生を大声で呼び止める。
目を丸くして振り向く先生。

「・・・体に気持ち悪いのが残ってるの。先生、抱きしめてよ・・・」
「・・・オレも男だよ。アイツと同じ」
「先生は違う。先生がいい──」

最後まで言わせて貰えずに先生の腕の中にいた。
昔から知ってる草木の落ち着いた先生の匂い。
どんなに嫌なことがあっても先生に抱きしめられたらそんな気持ちなんてなくなってしまう。
私は小さく息を吸い込んで大きな背中を思い切り抱きしめた。


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