このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

short.2


サクラのことが好きだ


カカシ先生に呼び出されたと思ったら告白をされた。
今まで先生をそんなふうに見たことがなかったし、そんなふうに見られていたなんて思わなくて。
先生のことは好きだけど、それが先生と同じなのか突然のことすぎて分からない。
だからお断りしようって思ったけど、私の考えていることが分かったのか先生は「もう少し考えてみて」と返事の猶予をくれた。


それから先生は今までと変わらず接してくる。
・・・ううん、振る舞いは何も変わらないけど。
私を見てくる瞳から伝わってくる。
何で今まで気づかなかったのかと思うぐらいの熱が。


カカシ先生に告白をされて数日。
先生は告白の返事を急かしてこない。
でも青灰の瞳の熱が日が経つにつれどんどん大きくなっていて。

私は気づいたらその瞳に魅了されていた。


「はぁ・・・」

任務が終わったあと、私は逃げるように走って演習場に来た。
あの瞳に見つめられると落ち着かなくなってしまった。
それはたぶん、自分の中で先生に対する気持ちが変わったから。
先生と同じ想いをもつものに。

「返事、しないとよね・・・」

私は大きく息を吐いて煩い心臓を鎮める。

「・・・私も好きです。先生のことが好き。私と付き合ってください・・・うーん」

待たせてしまっている分、ちゃんと返事したいけど納得できるものが出ない。
色んなパターンの好きを言って首を傾げるを繰り返していると、
全く気配がしなかった後ろから腕が伸びてきて抱きしめられていた。
反射で足のクナイに手を伸ばすも、フワっと嗅ぎ慣れた匂いに全身が一気に熱くなる。
間違いなくこの言葉を伝える相手だ。
もしかしたら聞こえてなかったかもと淡い期待を持ったけど

「今のは返事として貰っておくよ」

耳元で聞こえたその言葉にその願いは儚くも打ち砕かれ、恥ずかしさに身を縮こませると先生は嬉しそうに喉の奥で笑った。



129/159ページ