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short.2

「よし、こんなもんか」

カカシは大きく膨らんだリュックを満足気に叩く。
その後ろでサクラは背を向けて座る。
そんなサクラをカカシは小さく笑う。

「サークラ」
「・・・・・・」

後ろから抱きしめて甘く呼ぶけどサクラは返事をせずに頬を膨らませる。

「そんなにオレがいなくなって寂しいわけ?」
「寂しくない」
「そんなこと言っちゃって。ここ2、3日そうやって膨れてるじゃない」
「寂しくないってば!任務なんだからしょうがないの!」

頭では分かってても心はどうしようもないらしく、まだ機嫌の治らないサクラにカカシは愛おしく感じ、カカシはサクラをお姫様抱っこで抱えてキスをする。

「ちょ、ちょっと!」
「あーもう。サクラは可愛いなぁ」

嬉しそうに笑うカカシの足がベッドに向かっていることに気づき、サクラの顔を真っ赤にさせる。
カカシは優しくサクラをベッドに下ろし覆い被さる。
そして耳、額、鼻、頬、首とカカシはサクラの身体中にキスをしながら着々と服を脱がしていく。
気づいたら生まれたままの姿にされて、カカシも着ていた服を脱ぐ。
全身を真っ赤にして震えるサクラの唇を塞ぎ、舌を絡める。
サクラの舌を吸ったり上顎を舐めたりと、舌での愛撫にサクラの身体から力が抜けてクテンと横たわる。
カカシは力の抜けたサクラの膝の裏に手を添えてを広げ、サクラは甘い吐息を吐く。

「帰ってきてからもサクラが寂しかった分いっぱいしよう。だからちゃんと教えて?」

いつもより低く、甘く囁く声に腰がゾクリとして、サクラは小さく頷く。
カカシは満足そうに微笑んでまた唇を塞いだ。



****



近くで音が聞こえる。
重い瞼を開けると、薄暗い中、任務を着て木ノ葉ベストを着ている先生。
その大きな背中を見てると晒された肩が寒くなって布団を上げる。
音に気づいたカカシが振り向いて頭を撫でてくれる。

「行ってくるよ」

──行かないで。

その手の暖かさに言ってはいけない言葉が出そうになって口を結ぶ。
私は胸元を隠しながら体を起こす。

「・・・行ってらっしゃい。気をつけて帰ってきてね」

涙で滲んでカカシの顔がよく分からない。
最後だからちゃんと見たいのにどんどん涙が溢れてきて擦っても擦ってもキリがない。

「サクラ・・・」

子供みたいに泣いてカカシもきっと呆れてる。
だってもしかしたらこれが最後かもしれない。
もしこれが最後になってしまうなら。
最後の顔は笑顔でいたい。
泣きながら笑顔を作ると、カカシは思い切りサクラを抱きしめた。
サクラもカカシの背中に腕を回す。

どれぐらい時間が経ったのか分からないほどお互いに抱きしめ合い、キスをする。

「・・・行ってきます」
「・・・行ってらっしゃい」

2人は名残惜しく離れる。
サクラも床に落ちた服を手に取り、玄関まで見送る。
カカシは振り返ってサクラの額にキスをして部屋を出て行った。
ドアの閉まる音ともに部屋の中が静まり返る。
これから半年間、カカシと逢えない。
サクラの目から我慢していた涙がボロボロ溢れ出す。
お互い忍としてやっていくなら何ヶ月も逢えないという日々がこれから何度だって来る。
慣れなくちゃいけない。

サクラ1人寂しさに耐えながらベッドに戻る。
そして床に落ちているカカシの服を手に取り、匂いを嗅ぐ。


大好きなカカシの匂いに包まれて私は願う。
無事に帰ってきてと。

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