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short.2

「サクラちゃん誕生日おめでとー!」
「おめでとうございます、サクラ」
「おめでとう、サクラ」

任務に向かうために待ち合わせの橋の上で仲間たちを待っていると、3人一緒に現れたと思ったらお祝いの言葉を貰った。

「ありがとう!」

いくつになっても誕生日を祝って貰えるのは嬉しい。
去年までは里に唯一残る班員にしか祝って貰えなかったから。
そしてその人は今年は別の任務でこの場にいない。
今年は恋人になって初めての誕生日だから一緒に過ごしたかったけど我儘は言えない。
ヤマト隊長の合図で任務に向かう3人の後を気づかれないようにため息を吐いて付いていった。



****



任務が無事に終わり、後もう少しで里に着く時。

「なぁなぁ、サクラちゃん。この後みんなでご飯行かねー?誕生日祝いだってばよ!」
「んー、そうねぇ・・・」

ナルトの提案に悩むフリをする。
どうせ予定はないんだけど。

「いいわよ?」
「やったー!どこ行く?一楽?」
「あんたって本当ラーメンしか頭にないのね」

呆れたように笑い、任務の反省会をしながら里にたどり着いた時にはすっかり暗くなっていて。
そこにはカカシ先生がイチャパラを読みながら門にもたれかかっていた。
私たちに気づいた先生は体を起こして近づいてくる。

「おかえり。そして誕生日おめでとう」
「ありがとうございます。もう夜ですけどね」
「しょうがないでしょ。昨日から任務だったんだから。これでも急いで終わらせてきたのよ?」
「分かってます。先生もおかえりなさい。無事で良かった」

見た感じ怪我をしてる感じでもなくて、安心していると近づいた先生に頭を撫でられる。

「明日サクラ休みでしょ?」
「そうですけど」
「オレも明日休みだからさ、誕生日祝いに旅行行こうよ」
「えっ」
「もう予約取ってるから」
「・・・急ですね」
「さっき思いついたからね」

微笑む先生の顔が上司としてでは恋人の顔で、恥ずかしくて真っ直ぐ顔を見れないでいると近くで話を聞いていたナルトが目を輝かせる。

「旅行行くの?オレもオレも!」
「悪いけど一部屋しか取ってないから。意味、分かるだろ?」

私の肩に先生の手が置かれて引き寄せられて、体の熱が上がる。
それでも分かっていないナルトを顔が引き攣ったヤマト隊長が私たちから引き離す。
気まずさを気にしない先生は私の手を引いて歩く。

「じゃあ行こうか」


あと数時間で日付が変わる。
それでも私の誕生日はまだ終わりそうにない。

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